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この作家さんの任侠シリーズに出てくるマル暴刑事甘糟さんが活躍する話。
マル暴刑事といえば、見た目はほぼ暴力団と変わらないイメージだが、主人公の甘糟刑事はサラリーマンのように無難に人生設計をしている。
その割に暴力団からの信頼はなぜか厚い。
そんな甘糟刑事と警視庁捜査一課が共同して事件を解決する話。
相変わらず、スカッとする話なのでこの作家さんの本は読みやすい。
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『任侠シリーズ』のスピンオフ。穏健派で争い事を好まないという刑事らしくない刑事、甘糟達夫の活躍を描くライトミステリー。
甘糟達夫。警視庁北綾瀬署勤務の巡査部長だ。齢 35 歳だが童顔と痩せた小柄な体格で、ヘタすると 20 代に見えたりする。当然ながら押し出しも強くなく、とても刑事とは思えない。
なのに配属されたのは、どういうわけか組織犯罪対策課。通称「マル暴」だ。おまけに所轄管内には暴力団事務所が多いときている。
せっかく就いた安定の公務員。平穏無事に定年まで勤め上げることを目指す甘糟にとって、苦難の日々は続く。シリーズ1作目。
◇
甘糟の当直中に、管内に事務所を構える暴力団組織・多嘉原連合の構成員であるゲンが撲殺されたという知らせが入った。
殺人は自分の担当ではないと安心していた甘糟だったが、合同捜査本部が立ちマル暴にも応援要請が来た。駆り出されることになったのは若手の甘糟と指導係の郡原。
マル暴の権化のような郡原と本庁捜一警部補の梶の間で気を揉みながらも、多嘉原連合はじめ管内の暴力団事務所に顔を出し様子を探る甘糟だったが……。
* * * * *
扱う事件は結構ハードではあるけれど、『任侠シリーズ』との共通点が多いのでストーリーに入っていきやすい。共通点には例えば次のようなものが挙げられます。
まず、少々コミカルな作風で、主要人物が命の危険に瀕する惧れがない点。
また、甘糟がマルB相手に恫喝も威嚇もせずに、愚痴や泣き落としのような要請の仕方をする点。
そして、マルBから見ても甘糟はどうにも憎めない刑事だという点。
ただ『任侠シリーズ』では描かれていなかった甘糟を知ることもできました。
本作の甘糟はなかなか頭が回るし土壇場の度胸もいい。
犯人側の描いた絵図を読み取って暴力団同士の抗争を未然に収め、事件も解決に導いた活躍は見事のひと言でした。
おまけに対立する組織双方から感謝されるのだから、意外に人徳があるのだとわかります。このあたりは、さすが主役です。
警察小説史上もっとも気弱な警察官と銘打たれながら、なかなかに有能な甘糟巡査部長。
『任侠シリーズ』でももう少しいい役回りで使ってやって欲しいと思ってしまいました。(阿岐本組の面々が登場しなかったのが残念でした。)
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けじめをつけておくこと。
けじめを欠かさないこと。
筋の通らなそうなことにも
筋を通しておくこと。
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まぁ面白かった。
阿岐本組のみなさんも登場するのかなーっと思ってたけど登場しなくて残念。
真犯人は早くに分かっちゃったのでもう一捻り欲しかったかな。
ネガティブ甘糟の今後に期待。