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小学館主催の「12歳の文学賞」、史上初三年連続大賞受賞の著者。この賞の本は2冊目だが、面白い。しかし、2006年からはじまって、12歳を迎え終了するそう。
主人公は田中花実。花も実もある人生を、ではなく、死んで花実が咲くものかが由来。貧乏な母子家庭。
父親は犯罪者なのではないか、と疑ってみたり、母親が再婚できないのは自分がいるせいではないかと考えたり。とても賢く、人を思いやれる子、花実。
最後の主題以外は全編花実視点。貧乏を受け入れ、というか当たり前になっているので七五三をしたいなどとは思わないが、お友達とドリーミーには行きたい。
母親が必死に働いていることを知っているからいえない。母親が自分を遠ざけたがっているから言えない。子どもは大人の想像以上にいろいろなことをしっかり考えている。子どもに気を遣わせてどうする、大人よ。
自分の家族がそうだからといって、すべての家族が忌み嫌うものではない。自分の兄弟が仲が良くなかったとしても、世の中すべての兄弟がそうなわけではない。
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末恐ろしいと言ったら勝手に小説家になるもんだと決めつけてプレッシャー掛けてるみたいで嫌なんだが、とにかくすごい。私が中二の頃こんな文章は書いてなかったし、娘だって書いちゃいなかった。いい意味での厨二だと思う。
るりかちゃんはすごい。いいものを持ってる。小説家なんかならなくてもいい。それだけ、忘れないでほしい。
そして、挿画がサイバラっていうのが見事な采配だな。見事に世界感が出てる。
良いものを読ませていただきましたm(__)m
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すごく読んでいて楽しいよ!
自分が花実ちゃんの頃に戻ったみたいで、
そうだねえ、かなり昔の頃になるけれど、
小学校6年生の女子、リアルに女子で、
娘そのものだった頃の感覚がよみがえってくるみたいで、
なりは若返りはしないけれど、
なんかこうウキウキしてきちゃいましたよ。
リアルの昔の私は、ビンボーでなんか内気で陰気くさかったけれど、花実ちゃんみたいに生きれたらよかったかななんて。日本の小学生パレアナ版ウイズおかんです。
おススメですよ。
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あぁ、もうなんて言っていいか。
田中母さんの強さと優しさ、花実ちゃんの逞しさといじらしさに心をわしづかみ。
社会的にみれば恵まれない母子なんだろうけど、そのネガティブな部分を凌駕する2人の「まっとうに生きる術」にステンディングオベーションを贈りたい。
いったいどうすればこんな風に生きられるのか。田中母の子ども時代や、出産までのあれこれも知りたい知りたい知りたい!
しかしなにより驚異は、この超絶魅力的な母子を生み出したのが14歳の中学生だという事。たとえば一作なら書ける子はたくさんいるだろう。でも小学4年の時の初受賞から3連続大賞受賞というこのポテンシャルの高さたるや!!
今後10年書き続けてもまだ24歳!うひゃー!!文学界の宝物、掘り出されましたね!大切に守って行っていただきたいと強く強く願ってしまう!!
で、続編はいつ出ますか?
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前半と後半では色が変わったような感じがする。
私は後半の方が好みかもしれない。
前半のテーマというか、落としどころはワンパターンな気もするけど、それだけ、主人公がそれを身近に感じたということなんだろう。
全体を通して、根本的なところは暴きすぎないところが魅力かもしれない。
あと、作者がボカロ好きなのは、作品の中からもなんとなくわかる気がする。
別にそれに関することが書かれてるわけじゃないけど、そう言われてみれば、そんな雰囲気がある。
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子供が書いたのか〜と読む前に侮っていたこと、ごめんなさい。一気読みしました。めっちゃ面白かったです。
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すごい。
帯に偽りなし。
同年代の子どもをもつ親として、本当に驚いた。
言われなければ、これを中学生(受賞時は小学生)が書いたとは、到底思えない。
まず、文章のリズムが良い。
そして、ユーモアと涙の絶妙な配分。
これは天性のものなのだろうか。
14歳ですでに、「短編の名手」と言いたくなるような貫禄がある。
これからも、またこの著者の作品を読んでみたい。
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途中で語り手が変わって物語が展開していき、とても面白く、また感動しました。ぜひ、続きを読みたい。
中学編、高校編、と展開して森絵都さんの「みかづき」のような大作になっていくと面白いな。
著者の感性は素晴らしいです。
著者の作家としてのの成長も楽しみです。
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恐るべき才能!とあおりにあって、またまたそんな・・・と思っていたけど、うん。まさに恐るべき才能でした。
いや、そんなものすごくうまいんじゃないけど、なんていうか年齢相応の感受性をきちんとした文章に乗せているというのがすごい。
またサイバラさんのイラストがいいですね。
著者の近影も好感を持てます。
このままのびのびと育ってほしいものです。
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噂のスーパー中学生の著作。何か本当にすごい。目線は年齢相応だけど、文章は大人の立派な文章。何よりもテンポがいい。
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恥ずかしながら、オバサンは泣いてしまいましたよ、中学生の書いた小説に。一番胸にしみた一篇は、小学四年生時の作品を改稿したものらしい。はあ~。才能とはこういうものかとしみじみ思う。
なんだか評判だけど、さてどんなもの?と若干斜めな気分で読み出したのだが、あらまあ、すぐにスーッとお話しに引き込まれていき、気がつくと花実ちゃんに思いっきり肩入れしながら読んでいた。笑えるところがちょくちょくあるのに、何だか目頭が熱くなってくる。ストーリーがどうとかいうのではなく、こういう空気を醸し出せることが稀有な書き手の証ではないかな。
お母さんをはじめとして、大家のオバチャンや担任の木戸先生、スーパーの店長などなど、出てくる人がみんないい。変人なんだけど。ちょっとしたエピソードに真実味があって、なんかもう根本の所で「物語る人」なんだなあと思わされる。
「Dランドは遠い」の切なさたるや…。きっぱり決意する花実ちゃんが健気で、胸が締め付けられる。誰でも小学生の頃、これとちょっと似たようなことに心当たりがあるのではないかと思うが、自分はこういう勇気を持てただろうか。自分の子どもを、こういう強さが持てるように育てただろうか。そう思わずにはいられなかった。
これ、当然続きがあるよね?ね?続篇熱烈希望。
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これが、14歳の少女が書いた小説!?
ただ、ただ、驚くのみ。
こんな逸材は、数十年に一人くらいしか現れないのではないだろうか?
素晴らしいとしか言いようがない。
ストーリーの組み立ても、大人顔負け。
表現力も非常に豊かである。
末恐ろしい作家が出てきたものだ。(期待を込めて)
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小学校6年生の田中花実は母子家庭である。自分の父親のことはほとんど知らない。母親が何一つ教えてくれないからだ。その母は工事現場で男性と一緒になって働いている。お化粧もろくにせず、外で力仕事をしているから、日に焼けて痩せている。そのくせ、ごはんはいっぱい食べるという。親戚筋もなく本当に母娘二人っきりの生活だが、いつも明るく元気な花実と、がさつだが生きる哲学はしっかりしている母親はお互いを支え合って生活している。
この作品はそんな親子の日常を描いた連作短編集だ。
●いつかどこかで
なぜか母は花実の父のことを教えてくれない。どんな人なのか、今どうしているのか。気になって仕方ないは同じ母子家庭の友人が父と会うのに同席することになった・・・。父親を知らない花実の父親への淡い想いがよく描かれている。
●花も実もある
花実の名前の由来から始まるこのストーリー。花実の母親がスーパーマーケットの社長とお見合いをすることになり、さあ大変。花実は自分の存在が母にとってどうなっているのか、とても気になりだした。
●Dランドは遠い
友人と一緒にDランドに行きたい花実だが軍資金がない。そこで一計を考えて・・・
●銀杏拾い
母子家庭で十分にできない贅沢はいっぱいある。花実の手作り感いっぱいの七五三の思い出が語られている。
●さよなら田中さん
花実の同級生三上信也目線の物語。中学受験をして山梨の中学に行くことになった信也の揺れ動く心を描いている。
母子家庭という貧しい環境にもめげずに、強くたくましく生きている主人公とその生活ぶりが手に取るように良く書けている。
作者が中学2年生の少女だというから驚きだ。『いつかどこかで』は「12歳の文学賞大賞」受賞作だという。小学生の心の中をリアルに描いた作品だと思ったら、やはりその年代の少女だったのか。
背伸びもかがみもせず、等身大で伸び伸びと自分の思いを描いていたのに違いない。それにしても、ストーリーの組み方といい、題材の選び方といい、人物設定といい、上手い! ミステリー小説でもないのに、読者を飽きさせずぐいぐい引きつける文章力に脱帽だった。
この素晴らしい感性をこのまま持って大人になって、一段と面白い作品を書いてくれることを期待してしまう。将来が楽しみなスーパージュニア作家の登場だ。
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最初の2編(たぶん受賞作品)はすごく面白かったです。
そのあと(たぶん書下ろし)は普通でした。あ、でも最後の1編は面白かったです!
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びっくり、これ本当に中学生が書いたの?『話題作りの為に14歳が書いたって言って本当は別人が書いてます』と言われても驚かないよ私は。
人間観察よくしてるし、色んな事に興味持って色々考えて調べて想像してきたんだなぁ。ギャグも面白いです。私が松坂慶子です!とか14歳考えつく?素敵。
ドンデン返しも無いし、ハッピーエンドでも無いんですが明るくて爽やか。なん度も読み返したい。
にしても、最後の話!三上くんのお母さん!そういう事すると反抗期が怖いぞー!将来自分に返ってくるぞー!