投稿元:
レビューを見る
一般的な新書みたいな感じの書籍だと思い、読んだことのある本の章から読み始めたので、著者が話に入り込んで言葉を収集してることが最初わからずとまどってしまった(笑)
いろんな話の中に言葉ハンターのおじさんがうろうろしていて、それに気付いているキャラクターや気付いていないキャラクターがいて、想像すると面白い。
特に半沢直樹。
そうこうして、面白いおじさんを観察しているうちに、言葉について考えながら読むというのも読書の醍醐味のひとつなのだと気付かされた。
そして私もいつの間にかハンターになってしまったようだ。
投稿元:
レビューを見る
小説の中に入って言葉を採集していくユニークな新書。小説を書いていた身としては、作者は何故この言葉を使ったのか?と考えてもらえるのは嬉しいし、楽しいと思った。BookBarでも出てきた「ギケイキ」はいつか読みたい。
投稿元:
レビューを見る
いろいろなジャンルの小説の中の言葉に注目して、使い方や意味などを分かりやすく解説しているので、例えば銀行の話での「大店」「赤残」という業界用語など、知らない言葉を知ることにつながった。また、その小説の時代背景の解説を読んで、本の世界の裏側まで知ることができた気がした。
投稿元:
レビューを見る
筋を追っていくだけが小説の楽しみ方ではない。そこで語られた日本語に注目すると、作者が必ずしも意図しない部分で、読者は、ことばの思いがけない面白さに気づくだろう。『三省堂国語辞典』編集委員である著者のガイドによって、物語の世界を旅し、そこに隠れている珍しい日本語、興味深い日本語を「用例採集」してみよう。エンタメ、ホラー、時代物、ライトノベル…。「旅先」となる物語のジャンルはさまざまだ。それらの物語世界に暮らす登場人物や、語り手の何気ない一言を味わいながら、辞書編纂者の目で謎を見出し、解き明かしていく。ことば尻を捉えているようでありながら、次第に読者をことばの魅力の中へと引き込む、異色の小説探検。
言葉のプロフェッショナルが注目する言葉遣いは、普段読み過ごしてしまう言葉がたくさんあって、言葉の面白さを感じることができた。
ストーリーを楽しむ他にも、こんな楽しみ方があったのね、と新しい発見ができて嬉しい。
国語辞典がどういう意図で編纂されているのかというのも知れて、二重に楽しめる。
個人的に好きな作家さんの作品が多く取り上げられていて、もう一度読みたくなった。
投稿元:
レビューを見る
三省堂国語辞典の編集員を務める筆者が、辞書に取り上げる言葉を選ぶため、そしてその用例を探すために小説を読んでいる、その方法を紹介している本です。
取り上げられている作品は『桐島、部活やめるってよ』や『風が強く吹いている』『俺たちバブル入行組』『残穢』など多くの読者がいる(=それだけ日本語として広くうけいれられている)作品で、本書で言及されている「いままでに辞書にない言い回し」はどれも「新しい/珍しい」日本語の使われ方でとしてとても参考になります。
そもそも、小説のなかで使われる日本語に「誤用」はない(=日本語の使いかたも含めて「表現」なので)という視点は、いたずらに作者やその作品のファンを傷つけることもなく、読んでいて不快に思うことがありませんでした。
文体が軽やかであるだけでなく、文章の端々から筆者の日本語への純粋な興味や愛情を感じられることもその理由かもしれません。まさに「小説を読みながら、一つ一つのことばに引っかかって、じっくり考える面白さ」を体感させてくれる本でした。
投稿元:
レビューを見る
そんなところまで注目したことなかった!という感覚。読んだことの無い小説もあったのでとても読みたくなった。
投稿元:
レビューを見る
〇著者がiPad 片手に物語の中に入り込み、言葉について調査する。子どものときに夢想した感じで面白い。そのときは言葉の調査とかインタビューはしなかったけど。
〇辞書の引きくらべ、面白そう
〇自分の使っている言葉の適当さに気づく
〇目次タイトルだけでなく、たくさんの小説や物語から用例を縦横無尽に取り上げている
◎筋を追っていくだけが小説の楽しみではない。そこに語られた日本語に着目すると作者が必ずしも意図しない部分で、読者は、ことばの思いがけない面白さに気づくだろう。
辞書編纂者のガイドで物語のせかいを旅し、珍しい日本語や興味深い日本語を「用例採集」してみよう。
異色の小説探検。
プロローグ
本書で取り上げる用例は「誤用」と指摘するものではなく、「なぜ、このようなことばが生まれたのか」「作者はどうしてこのことばを使ったのか」を探究する楽しみを味わう。
『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ
…若者言葉の変遷。現代の物語でも著者の知識と読者への翻訳と、当時と今が入り混じっている
『風が強く吹いている』三浦しをん
…言葉はやわらかく形と意味を変え続けている
『残穢』小野不由美
…可怪しい。著者が好んで使う言葉。物語の雰囲気。
『オレたちバブル入行組』池井戸潤
…業界言葉。お仕事小説。
『チッチと子』石田衣良
…心の準備をさせる言葉。相手を思いやる。
『桜ほうさら』宮部みゆき
…言葉は、物語の中で書き割りのように
『横道世之介』吉田修一
…登場人物の背景を言葉で表す
『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子
…言葉の東西。足か足下か。
『マチネの終わりに』平野啓一郎
…言葉の初出
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』伏見つかさ
…一般小説を一冊読んだときと同程度の難しい語彙と出合うには、漫画は10冊、ラノベは3冊くらい読むといい(作者ざっくり調べ)
『八日目の蝉』角田光代
…方言とやおら問題。言葉の意味は時に反対になる。
『阪急電車』有川浩
…辞書に載る言葉、載らない言葉
『グラスホッパー』伊坂幸太郎
…語尾。作者の造語。
『ギケイキ千年の流転』町田康
…つづまる言葉
『チョコレートコスモス』恩田陸
…赤丸急上昇中を知っているか
投稿元:
レビューを見る
『つまずきやすい日本語』で飯間さんを知り、"ことば"の面白さに魅了された。本作ではことばの持つチカラやそれを使う人物や作者の人柄が背景が見えてくることを、小説の中に登場する文章を例に紹介していくもので大変興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
「異常」からの、本作だったので、第一章の男子生徒の会話に飯間さんが耳を傾けているシーンで、ひっくり返ってしまった。
どれも有名作品なので、既読のものも多いが、ははぁ…そんなふうに読まれるのですね…と、力が抜けつつ感心。
一気に読んでしまったけど、1日1章のペースがおすすめ。ゆっくり原作も用意して読むべし。