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定年の日に倒れてしまった竹脇正一。
彼の周りの人たちと彼が倒れている間に起こる様々な現象。
父も母もなく孤児院で過ごし、それを隠し、それをばねにして生きてきた彼の生涯が語られていました。
最後に亡くしてしまった息子との再会。
きっと生き延びる力になったのだと思います。
いい小説でした。
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浅田さん、このテーマで書くのは何回目になるのだろう。お馴染みのキーワードがたくさん散りばめられ、今までどこかで読んだことがあるような雰囲気の物語。それでもやっぱり最後はまんまと術中にはまり、フィナーレに向けての怒涛の攻撃に胸が熱くなりました。良い台詞も心に沁み入りましたが、涙を流すまでには至らず。同じテーマでも作品毎にそれぞれ味わいが微妙に違う、変奏曲のようなものなのでしょうか。まさに職人芸の世界だと思いますが、マンネリと取られないように頑張って欲しい。
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定年を迎えた主人公が送別会後の帰宅の地下鉄の中で倒れ病院のICUで生死の淵を彷徨う。初めは主人公を取り巻く今や会社の社長にまで上り詰めた親友である元同僚や妻や娘婿たちがその主人公に向けての心情を語る物語なのかと思ったが次第に生死を彷徨う主人公の頭の中で過去とも夢とも知れぬお話になっていき、それに登場する謎の女性とおもかげという題名がぴったり合わさった時、私の涙腺は崩壊した。
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東京メトロとタイアップして映画化目的で書かれたような作品だけど、さすが浅田次郎さんの本は必ず幸せな気分に最初から最後までさせてくれる。辛い時はハッピーエンドに限る。
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僕はめでたく蘇生するとして、その後は一体どのようにすれば新たな人生を獲得できるのだろうか 近ごろ何かの拍子に、死んだはずの言葉や習わしが蘇生する。近い記憶は忘れてしまうが、古い記憶はむしろ接近すると言う老化現象の一種のなのだろう 親子が死なずに済む、たった1つの方法。そして僕が母の子であり、母が僕の親である限り、命さえあればもう誰も負けず必ず幸福になる。そんなことを考えながら、僕は泣き続けた
生きていくために記憶を消去ってしまうホルモンも、存在するのではあるまいか
驚いたことに、新宿駅は宵の口の雑踏だった。なんだか僕ひとりを謀るために、何百人ものエキストラを雇った壮大な嘘が仕込まれているような気がした
何をしても良いと考えれば豊穣な時間だが、何もしなくても良いと考えれば貧困な時間なのである
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久々の満点。
さすが浅田次郎だ…
途中まで 、ん? という疑問というか違和感みたいなものが燻っていたが、ラストで一気に繋がり涙が止まらなかった…
しかし、浅田さんは本当にメトロが好きだ…
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幽体離脱で過去を遡っていくその時のポイントが母と交わした約束の時だとわかり,願いが叶えられたと知る.圧巻だった.そして,地下鉄がゆりかごのようで,乗り合わせた乗客の歌う賛美歌がとても美しく響いて来た,この結末のために,それぞれの人々の語りがあったのだろう.みんなが正一氏を大切に思う様子が伝わって,それもしみじみ良かった.それにしても幽体離脱って,そんなこと出来るのって感じですごすぎる.
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浅田文学の新たなる傑作、誕生――。
定年の日に倒れた男の〈幸福〉とは。
心揺さぶる、愛と真実の物語。
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主人公のサラリーマンが定年を迎え、帰りの地下鉄で倒れ意識不明になってしまう。意識のない中、主人公は夢を見ているのだろうか。頭の中で登場する知らない人達と出会い、自分の人生を顧みる。三途の川を彷徨っている時、自分の出生が不明な事に立ち返りなぜ自分が生まれたのかを考える。。。人は意識がない中、無意識に頭の中で何かを考えるとしたら、やはりそれは自分が一番気にしている事なのかもしれない。
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定年を迎え、最後の送別会を終えた帰り道に倒れ危篤状態になった主人公が病院のベッドの上から、体は植物状態で全く動かないが魂が不思議な体験を重ねていき、出生の秘密が分かったり、残された家族のためにも生への意欲が漲ってくるという展開が面白かったですね!
物語にレトロな地下鉄が絶妙に絡むところも良かったです!
ジャンルとしては、ファンタジー系の作品になるのではないでしょうか?
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退職した竹脇正一が送別会の帰りの地下鉄で倒れ、集中治療室に運ばれたベッドの上で、回想する話。途中、長く感じて読むのを辞めそうになったが、最後の章で回想の中で出会った人達が繋がり、美しい物語だと感じた。峰子が登場してからが本当のこの物語。
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Amazonのレビューでのきなみ高評価の本作、泣かせる浅田次郎再び!と前のめりに読み始める。
定年退職の送別会の帰路、地下鉄の車内で倒れた主人公。ICUのベッドを旧友、幼馴染、娘婿、妻さまざまな人が見舞う。それらの人の眼を通して、彼の人となりが明らかになっていく・・・という内容に期待は高まるが・・・
ん~、地下鉄をタイムマシンにしたファンタジーにも思える設定に馴染めない。幽体離脱しているかのような彼の魂の旅が描かれるあたり、「地下鉄に乗って」の二番煎じ的な感も。
浅田さんだから、文章も素敵だし泣かせどころもあるのだけれど、生死をさまよう主人公が、体はベッドにありながら地下鉄に乗っていろんな時代のいろんな場所をさまようくだりが長すぎて、中盤はやや退屈気味。
その時代設定も、共に旅する女性もその意味が最後に判明して感動の!となるはずなんだけど、あまりにも長々と彼の内面が描かれ過ぎて、感動のラストシーンまで集中力が持たなかったのが正直な感想。
それでも、レビューでは大絶賛なのでいい作品なんだろうけど、涙腺も崩壊しなかったし、私には期待外れな作品でした。
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涙、切なさ、最後は絶対Happyな気分を味わえる一冊。
主人公の竹脇正一(65)は第二の定年で会社を卒業する送別会の帰り地下鉄内で倒れ集中治療室に運ばれて重篤。それを見舞う同じエリートを歩み社長迄登り詰めた同期親友の堀田憲雄。妻節子、孤児院からの親友で職人親方となり義息武志の更生させた恩人でも有る永山徹、義息の武志が代わる代わる付き添う中、正一は向うの世界との間で実感のある夢の中で85歳位のマダム・ネージュ事気品ある女性(クリスマスの食事)、
65歳の静(海辺でのひと時)、35歳の峰子(地下鉄でのひと時)と出会い其々と色んな場面で連れ添い語らう。峰子は隣で一足先に亡くなる重篤の榊原カツヤ(85歳)が両親を空襲で無くした戦後を孤児のリーダーとして支えた女性。捨子の過去を持ち正一と両親が離婚で両親からも見捨てられた妻節子は、これから第2の人生を歩む直前の出来事でお互い過去は何となく気が付いていたがタブー化して過ごした。正一が意識の無い中、語り合いたいとお互い思い合う。集中治療室でいよいよお別れの状態で正一は、最後の実感のある夢に彷徨い出て、地下鉄で15歳で赤子を抱いた峰子に出逢い全てを悟る。。。その後、幼児で事故で先立たれた愛息晴哉とも出逢う。。。。
多分、簡単に粗筋を書いたが何のこったって感じかも知れないが、最後に全てが結び付く切なく、そしてHappyな気分になれる一冊。
人其々に生い立ちがあり、人生を歩む中色々な出来事があり最後も色々な形で逝ってしまうが現在、後数年で60歳で第1の定年を迎え晩年に足を突っ込む自分に取っても色々考えさせられた。
ぽっぽ屋もぐっ直に生きた男の生き様の中での人間模様で感動したが、多分この作品も数年先に映画化され涙するんだろうな。。
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死後の世界ってこんな感じ?怖くないんだなあ。。と安堵しながら楽しめました。読み始めから惹き込まれました。やっぱり感動、ラストは泣いちゃった。さすが浅田次郎さんです。
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初・浅田次郎作品。読みやすくて、面白い!主人公・正一は意識を失い集中治療室に運び込まれる。いろんな人が見舞いに来るが、当の本人は幽体離脱?して妙齢の女性と出かけたり、隣のベッドで入院している老人(の幽霊)と銭湯に行ったり、なんだか死にかけているはずなのに楽しそう。でも最後には泣いてしまいました。お母さんとの出会いも涙が出たけど、春哉との出会いも哀しかった。