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行動科学の第一人者である著者が、40歳以上のための学ぶ方法を記した一冊。著者らしく、いかに「行動」に移すか、という視点で解説しています。
構成はシンプルであり、だからこそ行動に移すことが難しいものです。そのため、目的や目標の設定、行動設計を重視している印象です。
無理をせず、あくまで継続し習慣化するまで行動に落とし込めるように工夫することが重要です。
実際の勉強習慣を身につけることができた事例も紹介してあり、そんな具体例を真似することから入ってみることも大切かもしれません。
▼現代のビジネスパーソンが「学ぶ技術」を身につける必要性
①働き方改革により、在籍期間の長さや肩書が無意味となり、すべての従業員がフラットに評価される時代になる
②職能型から職務型のビジネススタイルへの転換
③人生100年時代を迎え、何歳であろうと学び続け、さまざまな職務能力を身につける必要がある
④テクノロジーの進化、人工知能の発達により、それを使いこなす能力を身につける必要がある
▼「定型的ではない仕事や、自分以外に代わって担当してくれる人がいないような仕事を、日本企業の課長たちは自分ではない誰かの意思に従ってやっている」(リクルートワークス研究所「5か国マネジャー調査」(2014))
▼何を学ぶかを考える場合に、重要な物差しは、皆が当然のようにできていることができないようではダメだということ。加えて、誰でもできるようなことをできてもしょうがいないということ。
▼行動科学マネジメントでは行動だけに注目する。
「MORS(モアーズ)の法則」に従って行動を規定する。これは「具体性の法則」とも呼ばれ、次の4つの要素から成る
M=Measurable(計測できる)
O=Observable(観察できる)
R=Reliable(信頼できる)
S=Specific(明確化されている)
▼人が行動する理由について、「ABCモデル」という概念で考える
A=Antecedent(先行条件)
B=Behavior(行動)
C=Consequence(結果)
最初こそ「先行条件」で動き始めるが、それが何度も繰り返されるかどうかは「結果」次第
▼行動変容理論「行動変容ステージモデル」
無関心期=6カ月以内に行動を変えようと思っていない。
関心期=6カ月以内に行動を変えようと思っている。
準備期=1カ月以内に行動を変えようと思っている。
実行期=行動を変えて6カ月未満である。
維持期=行動を変えて6カ月以上である。
▼生涯勉強を続けるための15の心得
①時にスマホから離れる
②「すぐに取り出せる」状態にしておく
③普段から「無理せずやれること」を繰り返す
④最初に張り切らない
⑤ネガティブな感情をうまく処理する
⑥「自己効力感」を高く保持する
⑦さまざまな事象を数値で考える
⑧質の高い睡眠を取る
⑨エンデュランス系のスポーツ(単純な動きをひたすら行う運動)をする。
⑩「ゼロか100か思考」から自由になる
⑪「やらなければならないこと」を最優先する
⑫不安の正体と向き合う
⑬「将来のため」に今を我慢しない
⑭「ポジティブ」礼賛者にならない
⑮多様な価値観を認める
<目次>
序章 なぜ今、学ぶ技術が必要なのか
1章 課長世代の将来が危ない
2章 「学ぶ目的」を正しく見つける
3章 無理なく学ぶための計画を立てる
4章 確実に学びを継続するコツ
5章 6人の事例に学ぶ「勉強習慣の身につけ方」
終章 生涯勉強を続けるための15の心得