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■巻頭エッセイ
皆川博子
■特集:わたしのガイドブック
澤田瞳子 谷崎由依 山崎まどか 山田航
■小説
木下古栗「人には住めぬ地球になるまで」晩秋、建て替え中のビルについて問われ、3か月前を思い出す……
古谷田奈月「橙子」★可愛らしい仕草のお父さんに、橙子はこのところ違和感。高校入学説明会の帰り、お父さんはバスを一駅ぶん歩こうと言い、橙子は乗って、合流することに……
町田康「狭虫と芳信」広原狭虫がぼくジュニーに頼んでくる、「大願王芳信がうちからものを盗むが、その反動で美味しい仕事が入るようになった。のに、最近は盗まない。盗みを働くよう仕向けてくれないか……
宮内悠介 「ディレイ・エフェクト」1944年の風景が、現在に二重写しになって、しばらくして。音楽のディレイ・エフェクトのような状況を、人々は受容しつつある……
■短歌
伊舎堂仁 國森晴野 染野太朗 野口あや子
■エッセイ
辻山良雄 都甲幸治
■翻訳
アルフォンス・アレー「風変わりな死」★水彩画で……
マルセル・シュオッブ「眠れる都」★海賊の集団が見つけたのは、時間の制止した町……
マルセル・ベアリュ「小さな少女がパリにやってきた」★すれ違う人々に体の一部を……
(西崎憲訳)
マルレーン・ハウスホーファー「さくらんぼ」宗教の時間にわざとスペルを間違う遊びをしていたところ……「雌牛事件」家には様々な罰則や決まりがあったが……「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」親戚の子供から……
(松永美穂訳)
「ディレイ・エフェクト」が芥川賞候補だが、功労賞狙いの候補入りか、この雑誌を話題にするための候補入りだろう。
そう思わざるを得ないほど都合のいい小説。
素敵な短編にいくつか出会えた。