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オレ詐欺グループ犯と追いかける刑事のそれぞれの視点からの物語。あまりコテコテとした関西弁もなく読みやすかった。
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橋岡死んじゃったかぁ。ワルになりきれない甘ちゃんなとこが死期を早めたのかな。作者の作品で殺人が起きるのは珍しいが矢代という粗暴な極悪人が登場したらむしろ必然かなと思った。佐竹達が橋岡をじわじわ追い詰めていく展開はスピード感がない代わりにリアルを感じさせてくれた。
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安定の黒川センセ。安定といっても非常に高いレベルで安定。
主人公がとても魅力的。変なとこが冷静で理知的だけど、ちょっと抜けてたりもして。学歴秀才ではない頭の良さを持った人がアウトローの世界に入った場合のすごく魅力的な感じ。著者はこういうのがうまい。
トラブルメイカーの相棒がクソ野郎すぎて、巻き込まれ型の小悪党という設定も面白い。ほんとにダメなやなやつで、トラブルの種をまいては責任を取らずにグチグチいい、思いつきでモノを言うすごくイライラするやつ。
愛すべき刑事より、こういうちょっと友達にはなりたくないような奴らを描くときのほうが、著者の筆は冴える。いや、愛すべき刑事たちもすごくる楽しませてくれるのだが。いかんせん少しマンネリですねん。。。
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振り込め詐欺を題材にしているが、高齢者が騙されるシーンは殆どないため、暗い感じはない。会話、展開にテンポがあり面白かった。終盤はドタバタ感がやや強い。
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内容(「BOOK」データベースより)
橋岡恒彦は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とは電話詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の差配もする。金の大半は高城に入るので、銀行口座には大金がうなっている。賭場で借金をつくった橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが…。一方で大阪府警特殊詐欺班も捜査に動き出す。逃げる犯人と追う刑事たち。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
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これは映像化前提で作ったような作品だなあ。警察も特殊詐欺対策キャンペーンということで全面的にバックアップしてくれそうだし、「後妻業」のように大阪ネイティブで揃えて実現してほしい。それにしても黒川センセ、ディテールの細かさがファンの心をくすぐります。事件の舞台となるエリアとか大阪でもかなり物騒な町だけど完全実名だし、出てくるヤクザや筋者の名前がぴったりすぎ(大阪市〇〇区に多い名前)で、分かる人はニヤリとするはず。
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全貌が簡単には掴めないように、過ぎる程までに巧妙に組織された特殊詐欺の犯行グループの様子や、被害者を必死に護りながら犯行グループを追い、僅かな手掛かりを執念深く掘り起こす捜査陣の様子が、あの「黒川博行の筆致」で活写されている。一部に立寄ったこと、通り過ぎたことも在る「雰囲気が判る地域」の描写が在って、そんな中で作者が「上方落語の感じを意識」としている、大阪辺りの話し口調でやり取りをする作中人物達が各々の思惑で蠢く。
「勁草」という題名に採られた語の意味は、「風雪に耐え続ける」というようなことであるらしい。本作の“主人公”は犯行グループ側の橋岡であろうが、橋岡は矢坂との行動が好くない方向に転がり続けて色々とややこしくなり、その始末に奔走する他方、本人の知らない所で捜査陣の手が伸びようとしている中、何とか逃げ延びて生き残ろうと「奮戦」する訳である。そういう様が「勁草」ということか?
この顛末…是非とも紐解いて頂きたい!かなり夢中になってしまう…
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圧倒的スピード感。軽妙なテンポ。完璧な黒川節で、これ、以前に読んだか?と思う程(褒めてる)。まあとにかく面白いよ。オレオレ詐欺を詳しく調査しててよかった。しかし黒川博行から大阪弁取り上げたらどうなるんだろうな。
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500ページ超のわりにさくっと読めました
展開早く関西弁の読みにくさもなく
犯罪者視点、刑事視点が交互に展開し
逃げる、追う、逃げる、追う
楽しめました
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2020.03.04読了
わたしは、本当に黒川博行作品が好きです。
とにかく登場人物に好感を持ってしまう。題材がおもしろい。楽しく軽い気持ちで読めてしまう。だから、ホントのリラックスにつながるんです。
生活必需品
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オレオレ詐欺実録小説。親玉を殺して残された銀行口座からの引き出しを目指す「受け子」と、追いかける警官の物語。悪人のはずの受け子の橋岡が主人公となっているために、感情移入の対象なっていく。オレオレ詐欺の組織的な働き方は会社のごとし。
大阪や和歌山の街の雰囲気が伝わり、ロードムービーを見るかのごとし。駐車場じゃなくてモータープール!
しかし、偽名で買った航空券で高飛びというプロットは現在ではもう使えないな、と余計なことが気になった。
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大阪人の裏社会で生きる男たちが次々に事件に巻き込まれる様をコミカルに描く、相変わらずな黒川博行作品のすばらしきマンネリ。
本作の主人公はオレオレ詐欺グループで中間管理職的立場の橋岡。ボスの指示の下、電話担当、金銭受取担当へ役割を割り振る。それなりの社会常識と知識を持ち合わせている橋岡はボスにとって、こき使いやすい存在だ。そんな橋岡が、常識を持たずカタギにもヤクザにもなり切れない男、矢代と知り合ってから、彼の運命は急転回する。大金を手にしたはいいが、殺人事件に巻き込まれ、ヤクザと警察から追われることになる。
そんな運命に弄ばれる橋岡だが、警察捜査や金融機関とのやり取り、死体の処理まで、冷静に対応する。やることなすことがその場しのぎの矢代とは対照的で、橋岡の方をいつの間にか応援したくなり、追いかける大阪の刑事たちから逃げ切ってほしいと期待してしまう。そんな奇妙な魅力を持つダーティーヒーローが活躍しながら、オレオレ詐欺についての知識も学べるハードボイルド小説。
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【オレオレ詐欺】【振り込め詐欺】総じて「特殊詐欺」呼ばれる社会問題となって久しい詐欺を扱った本作、徹底したリアリズムで読者をぐいぐい引っ張る手腕には安心感がある。「劇場型犯罪」と言われるだけあって、手口、システム、手順すべてに手が込んでいて、「自分は騙されるはずはない」と思っている人(主に年寄り)でも、これは騙されるかもしれない、と逆に勉強になる。
貧困ビジネスと特殊詐欺がワンセットになって暴力団の資金源になっているという設定(というより、現実?)も、現代社会の闇を見るようで背筋が寒くなる。
物語は、〈主人公〉の橋岡がいわゆる「ちょっとしたボタンの掛け違え」から、逃げ場のない状況へと追い詰められていくさまがテンポよく描かれる。オレオレ詐欺(オレ詐欺)集団を追う大阪府警特殊詐欺班の刑事たちの泥臭く地道な捜査に敬服しながらも、どんどん悪い方へと転がっていく橋岡になんとか逃げ切ってほしい、などと妙な感情移入してしまうのも黒川マジックの醍醐味といったところか。
映画か連続ドラマでぜひ見てみたいと思うのは私だけではないだろう。橋岡は波岡一喜でぜひ!
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このような小説を面白いと言って良いのか疑問ですが、どんどん読めてしまうのは事実です。作者の切れのよさを凄く感じます。表題の「勁草を知る」は、刑事さんなのかな?
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詐欺世界では半端な人間が警察から極悪人として追われる。逃げ切れるはずは無いのだが、まさかの結末。
テンポ良く軽く読み進めます。是非。
追記
2023.10.6.映画観てきました!!
原作からの脚色がかなりありますが・・・、特に問題無し。安藤サクラがサイコーにヨカッタですよー!!