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問題解決に役立つ手法を紹介している。各手法を理解し、活用できる状態になれば、日常で活用できるようになるのだろう。本書の活用方法としては、自ら抱えている問題を解決するには、どの手法が適切なのかを思い浮かべて目次からの情報から目星をつけて、そのページを読むとよいのかな。実務的なハウツーものではなく、手法を生み出された歴史背景から実際の活用事例も紹介されている。
即効性は無いかもしれないが、読み込めばビジネスでも強い武器になるかもしれない。
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読書猿さんの「独学大全」の完成度が高かったので本書も手に取ったが、期待ほどではなかった。「独学大全」との差は「○○だったら→■ページへ」という「If-Then Planning」まとめの有無だ(本書にはない)。
問題が発生した時、一般的には「Where?」で発生しているのかを特定して問題が起こる状況を観察(情報収集)するところが始まる。次にトヨタで有名な「Why?×5回」で原因を深掘りして諸問題を構造化。問題構造を崩壊させるために何の問題を解決すべきなのか?を特定する。
経験値の豊富な人であれば、問題箇所を見たり聞いたりした瞬間に解決案が見えるが、どう踏み出せばよいかわからない場合はこの本で紹介されてるメソッドに登場してもらうことになる。眼の前の問題が持つ特徴や構造から、どのメソッドを選択(あるいは複数の組み合わせ)するのが最適か?を「カーナビ」のようにガイドしてくれることを望んでた(つまりIf-Then Planning)けど、本書はメソッドの解説までだった。
問題が発覚した直後に、”じゃぁその問題を一旦棚に上げて「問題解決メソッド」を理解しよう”なんて話にはならない。問題から受けたショックが大きいほどメソッドの理解に割ける辛抱強さも残されていない。だから本書のようなメソッドを使いこなそうとするなら暗記しておく必要がありそうだ。自転車が壊れた時に出す工具箱のように故障箇所に最適な工具のように揃えておく必要があるのだ。
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とてもユニークな本です。
巻末の問解決史年表もよい。
キャメロットという理想をとりあえず描くという体系化された思考法があるのをこの本で初めて知りました。
とはいえ、地に足の着いた実現可能な理想でなければ暴力革命が起こりうる危険性をこんな言葉で紹介しています。
「地上に天国を作ろうとする企ては不可避的に地獄を生み出す。その企ては不寛容を導く。その企ては宗教戦争に至り、魂の救済を異端審問を通じて行うに至る」(P58)
また、パターン20の「ぐずぐず主義克服シート」(P202)を読みながら、今世間をあきれさせているAKS運営の迷走を思い出しました。
まあ、AKSが問題解決をしないのは、解明しては困る理由があるからなのでしょうが、問題解決していると思わせようと出来レース第三者委員会の報告などやってます感満載のギミックを講じながらも、結局はすべて失敗しているのは、本当に頭悪いとしか思えません。
パターン37の「症状処方」は問題をもって問題を制するという思考方法ですが、あがり症で人前で手が震える人は、わざと大げさに手を震わせると症状が治まる・・らしい。(P392)
これをスピーチの冒頭にうまく入れ込めば問題解決する、例えば「私は極端なあがり症で、今こうして皆様の前に立っているだけで手が震えています。そこで、意図的に大げさに震わせれば、気持ちが落ち着くというおまじないを試してみたいと思います」などと枕詞で入れてみてはどうでしょうか?
古代から存在した問題解決の方法をカタログ化した力作です。
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辞書的な位置づけで手元においておき、何度も繰り返し読む→実践するの繰り返し、がよさそうな本です。一度読んだだけではなかなか自分のものにはならなさそう・・・。
37の手法を読むと、問題解決においてはどう対処するか以前にどう認識するか=自分自身の物事の捉え方が大きく影響しているのであると実感させられます。
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2020年1月現在の自分が本格的な問題解決を求めていなかった。より大きな問題に当たった時にまた読みたい。
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古今東西の『問題解決方法』をまとめた本。電書で買ったけど手元に携えてパラパラとめくって読みたい。問題解決はよくある自己啓発本の類ではなくて、ちゃんと出典や引用元明記されてるのが良い。著者のシニカルな文体も良い。
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物事の原因を特定してそれを解決すれば問題は解決するのだと考えがち(時間に制限のある、というかスピードが求められる仕事では尚更)。
循環思考の記述の中で
・物事には沢山の要素が合わさっているよ
・それを変えられるところから、部分的にでもアプローチすることで物事は変えていけるよ
というのが書いてあり、とても新鮮に感じた。
課題に対して小さくともアプローチしてその度に次のアクションを考え実行していきたい。PDCAと言われてもピンと来ないけど、この本は違った言葉でこの概念を分かりやすく定義し解説してると思う。
思想の歴史が年表になっているのも興味深かった。
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アイデア大全に続く問題解決大全。
今回も非常にわかりやすい内容だった。
第1部 リニアな問題解決
第1章 問題の認知
01 100年ルール 大した問題じゃない
難易度1
用途と用例
・自分の判断を見直すとき
・自分の悩みの大きさを見直すとき
・自分の問題の重大さを考え直すとき
02 ニーバーの仕分け 変えることのできるもの/できないもの (かなり役立ちそう)
難易度2
用途と用例
・問題や困難に圧倒されるとき
・問題のどこから手をつけていいかわからないとき
03 ノミナル・グループ・プロセス ブレスト+投票で結論を出す
難易度2
用途と用例
・参加者の意見やアイデアをとりまとめたいとき
・集団で意思決定したいとき
・集団で目標を決めたいとき
04 キャメロット 問題を照らす理想郷という鏡
難易度1
用例と用例
・何が問題かわからないとき
・何から手をつければいいかわからないとき
05 佐藤の問題構造図式 目標とのギャップは直接解消できない
難易度2
用例と用例
・問題の構造をつかむ
・問題と原因の関係を整理する
06 ティンバーゲンの4つの問い 「なぜ」は4種類ある
難易度3
用例と用例
・理由・原因を厳密に考える
・問題に対する複数のアプローチを整理する
07 ロジック・ツリー 問題を分解し一望する
難易度2
用例と用例
・問題の原因を系統的に分析する
・解決策を系統的に網羅する
08 特性要因図 原因と結果を図解する
難易度0
用途と用例
・目標とうたのために必要な事柄を確認したいとき
・問題の原因と考えられるものを網羅したいとき
第2章 解決策の探求
09 文献調査 巨人の肩に乗る
難易度3
用途と用例
・いろんな解決策や役立つ情報があるか探したいとき
・既存の解決策を使いたいとき
10 力まかせ探索 総当たりで挑む万能解決法
難易度1
用途と用例
・どう取り組んでいいかわからない問題に取り組むとき
・参考になる知識や情報が乏しい問題に取り組むとき
11 フェルミ推定 未知なるものを数値化する (ロジック・ツリーを作って枝の先端から数値化して掛け合わせる。大雑把な計算でも利益あり)
難易度3
用途と用例
・データが不足しているが判断しなければならないとき
・曖昧なイメージや直観を数値に変換したいとき
12 マインドマップ®︎ 永遠に未完成であるマップで思考プロセスを動態保存する
難易度2
用例と用例
・情報やアイデアを整理したいとき
・思考プロセスを再利用可能な形で残したいとき
13 ブレインライティング 30分で108のアイデアを生む集団量産法
難易度2
用例と用例
・複数人でアイデアを量産する
・短時間でアイデアを量産する
14 コンセプトマップ 知識と理解を可視化する
難易度2
用途と用例
・問題や状況についての理解を確認/共有したいとき
・アイデアや解決策の関連を確認/共有したいとき
15 KJ法 混沌をして語らしめる、日本で最も有名な創造手法
難易度5
用途と用例
・雑多なアイデアやデータを総合化・図解化する
・アイデアやデータをまとめることで新たな観点や関係性を発見する
16 お山の大将 比較で判断を加速する
難易度1
用途と用例
・素早く意思決定する
・目標を定める
・取り組むべき問題を選ぶ
17 フランクリンの功罪表 線1本でつくる意思決定ツール
難易度1
用途と用例
・意思決定を支援する
・アイデアの採用/不採用を決定する
18 機会費用 「選ばなかったもの」で決まる
難易度3
用途と用例
・計画の評価をする
・計画評価の偏り(バイアス)を防ぐ
19 ケプナー・トリゴーの決定分析 二重の評価で意思決定する
難易度2
用途と用例
・複数の候補から最も適したものを選びたいとき
・複数の候補を順序づけしたいとき
第3章 解決策の実行
20 ぐずぐず主義克服シート 先延ばしはすべてを盗む
難易度2
用途と用例
・やるべきことになかなか取りかからないとき
・仕事をする気にならないとき
・やるべきことが先送りになるとき
21 過程決定計画図 行動しながら考える思考ツール (PDPC)
難易度2
用途と用例
・状況変化に対応し対策をつくるとき
・重大事件などを想定し対策をつくるとき
・問題解決を実行しながら計画を修正するとき
22 オデュッセウスの鎖 意志の力に頼らない
難易度2
用途と用例
・計画倒れを防止する
・計画通りに実行する
23 行動デザインシート 過剰行動の修正は不足行動で
難易度2
用途と用例
・三日坊主を克服したいとき
・悪い習慣をやめたいとき
第4章 結果の吟味
24 セルフモニタリング 数えることで行動を変える
難易度1
用途と用例
・解決策がうまくいったかどうかデータが必要なとき
・問題行動を減らしたいとき
・特定の行動を習慣づけたいとき
25 問題解決のタイムライン 問題解決を時系列で振り返る
難易度2
用途と用例
・自分の問題解決のステップを検討する
・問題解決の経験を血肉化する
26 フロイドの解き直し 解き終えた直後が最上の学びのとき
難易度2
用途と用例
・問題解決の経験を血肉化する
第二部 サーキュラーな問題解決
第5章 問題の認知
27 ミラクル・クエスチョン 問題・原因ではなく解決と未来を開く
難易度2
用途と用例
・ゴールをつくり出す
・問題や原因ではなく、解決や未来へ注意を向ける
28 推論の梯子 正気に戻るためのメタファー
難易度3
用途と用例
・固まったものの見方をリセットする
・思考や認識の前提を見直す
29 リフレーミング 事実を変えず意味を変える
難易度3
用途と用例
・ものの見方を変えることで行動や状況を変える
・認知を巻き込む悪循環を抜け出す
30 問題への相談 問題と人格を切り離す
難易度3
用途と用例
・問題解決が個人攻撃に陥っているとき
・問題に取り込まれ何をすればいいかわからないとき
31 現状分析ツリー 複数の問題から因果関係を把握す
難易度3
用途と用例
・複数の問題の関係を把握する
・問題を生み出している悪循環を浮かび上がらせる
32 因果ループ図 悪循環と渡り合う
難易度3
用途と用例
・悪循環・好循環を把握する
・要素間の関係を図解化する
第6章 解決策の探求
33 スケーリング・クエスチョン 蟻の一穴をあける点数化の質問 (100点満点制)
難易度1
・現状の進捗状況を把握する
・具体的目標を見いだし、次のアクションを生む
・良い例外、前向きの変化を捉える
34 エスノグラフィー 現場から知を汲み出す
難易度5
・当事者が言語化しない/できないデータが必要なとき
・潜在的なニーズや価値観を把握したいとき
オート・エスノグラフィーもあり
35 二重傾聴 もう1つの物語はすでに語られている
難易度4
用途と用例
・問題の訴えから解決の手がかりを得たいとき
・悲観主義の悪循環から抜け出す手がかりを得たいとき
第7章 解決策の実行
36 ピレネーの地図 間違ったプランもないよりまし
難易度2
用途と用例
・プランを立てることが難しいとき
・集団で意思決定をしなければならないとき
37 症状処方 問題をもって問題を制する
難易度3
・解決の努力が問題を生み出す悪循環の一部になっているとき
・意識的努力が余計に問題を悪化させているとき
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アイデア大全に続き読書猿氏の知識の結晶を見せてもらった感じ。どこかで読んだような、記憶の混沌の中にあった話も出典付きでどんどん整理されていくのが心地良い。オデッセイア、インドの経済学者アマルティア・セン、推論の梯子、ミラクルクエスチョンが印象深かった。
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古今東西の様々な問題分析・問題解決方法を、文献をしっかりおさえたうえで網羅した良書。
ビジュアル資料も充実しており、かつ『形式を統一する』という、文献を読みこんできちんと理解していなければできない難行を成し遂げている点は、高く評価する。
これらを現実に適用できるのは、読んだ者一人一人の心構え次第。
世の中には、
『問題に向き合ったり分析するような"努力"をするくらいなら、切れ散らかしたほうが"楽"、解らないことにして投げ出したほうが"楽"』
という人であふれている。
その事実に向き合うことも重要である。
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私達が日常生活で行なっている意思決定などが、偉人の名前や専門用語を用いてまとめられている。
各章が目的別に分けられているので見やすい。
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サンプルとして挙げられている問題解決の実例には身近で日常的なテーマも多くて、「それって我慢しなくていいんだ!やり方を考えればいいんだ」と気付かされることも多々あった。
仕事や人生の重大な問題を抱えてる人だけじゃなくて、なんとなーく上手くいってないことがある程度の人にも役立つ本です。
「ニーバーの祈り」「機会費用」「セルフモニタリング」「リフレーミング」あたりは自分の抱えてる「普段なんとなく上手くいってない事柄」に応用できそうなので、さっそく出来る範囲で実践中。
セール価格につられてKindleで買ったけど、辞典的に使うために紙の本でも買っちゃおうかな……
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問題解決のための方法をまとめられた本。全部で37のツールがあり、直線的な問題では、問題の認知、解決案の探求、解決策の実行、結果の吟味のカテゴリ、サーキュラーな問題では、問題の認知、解決案の探求、解決策の実行のカテゴリーで分けられている。それぞれのツールに対し難易度も設定されており、中々分かりやすい。
自分の知っている内容も多く読みやすかったが、一度読んだだけでは難易度の高いツールは実践で使えこなせないなと感じた。難易度の高い問題が発生した場合は、この本を再度読み直して問題解決につなげていきたい。
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読書猿を不意に知る機会があり、著作第二作目から手に取ってみました。知の巨人と呼ばれる所以か、重厚な情報が丁寧に解説されていて、これは手元に置いておき適宜参照するようなものですわ、一回で全てはもちろんマスターできないな。
今の自分に印象に残ったものは、「行動デザインシート」、「ぐずぐず主観克服シート」、「問題への相談」、「因果ループ図」のようです。読み進める中で付箋が貼ってありました。
そもそもの問題をリニア、サーキュラーなものに分けそれぞれに適した問題の認知、解決案の探求、解決策の実行、結果の吟味といったプロセスに適した対処方法を順序立てて解説している点、こういった階層分けそのものが新鮮な考え方で非常にためになりますね。
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問題解決大全タイトルの通り、古今東西の問題解決法が書かれている。非常に参考になる。
個人的にはリフレーミングとピレネーの地図が参考になった。非常に面白い本だった。