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何度となく涙ぐんで読んでしまう。
銀座の画材屋「月光荘」の創業者である月光荘おじさん(本名は橋下平蔵)とおじさんを巡る人々との交流が書かれている。
古き佳き時代、月光荘を開くに至る経緯やその名の由来、ホルンのマークに託された意味、芸術に携わる人々のこと、月光荘にまつわる全てがロマンにあふれている。
月光荘おじさんが口にする何気ない言葉や手紙に書かれた文章がいい。同じ意味でも言葉を変えれば他の人にだって言えるかもしれない。でも本気で生きている人の言葉はちがう。月光荘おじさんが言うから、沁みるのだ。響くのだ。月光荘おじさんが紡ぐ言葉は詩的でやさしい。厳しさを知る人の暖かいまなざしのような、陽だまりのような表現に満ちている。
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18才で東京に出てきて、今も銀座で100年続く画材屋さんを作ったおじさんの話。
この人すごい。
与謝野家に集まる芸術家先生たちのお役に立ちたいと、努力の末コバルトブルーの製法を発見し、純国産第一号の絵の具をつくった。
戦争中も絵の具を作り続け、戦争絵画の支えとなり、マッカーサーに呼び出されたときは戦犯として処分されるかと覚悟をきめたそうだが、アメリカには絵の具が無い、とまさかの注文。戦後も世界中から月光荘の絵の具を求める人が訪れたという。
上手く言えないけれど、生きることに対する考え方が素晴らしい。
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図書館より。
新刊コーナーで見つけて、思わず借りてきてしまった。この表紙って、あのスケッチブック?(笑)
最後の家族のエッセイにグッときた。
また銀座に行って、お店を覗いてきたいな~。
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良い本でした。月光荘おじさんの言葉に、とても胸が熱くなりました。沢山の芸術家を支えてきた、画材店の店主の方の魅力を強く感じました。
昔、絵を描きたいけど、どうしていいのかわからなかったころ、憧れだけで月光荘を訪ねたことがあります。
でも、絵が描けなかった私は、買うものもわからず、寂しく店を後にしました。
そして、今、絵を描く楽しみを得ることができた今。また、再び、月光荘にお邪魔したい。この本を呼んで、そう思いました。
なんとなく原田マハさんの、タンギー爺さんを思い出しました。
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月光荘の水彩絵の具を今月買おうと思っているので読んでみた。予想以上に良かった!内容は月光荘新聞からのよりぬきやベスト盤的なものだったが、水野スウさんのエッセイも素敵だし、何より月光荘おじさんの絵の具にかける熱い熱い職人魂を感じて胸がざわめいた。あと、月光荘に便箋が売っているのは「絵描きさんの恋人は絵を描かんでも手紙は書くじゃろ」という理由が最高に洒落ています。こんなにエスプリを感じさせてくれる画材屋さんて、無い。世界堂も好きだが、月光荘の通販も利用したいな。
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人との出会いを大事にする。相手のこだわりに関心を持つ。相手から学ぶ。無理に自分を相手に合わせない。
お客である画家の役に立つことを商売の目的に据え、ぶらさない。画家の困りごとを解消する商品開発に妥協しない。
実用の美。使いやすいものを大事に長く使う。
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月光荘の成り立ちがわかった。
歴史のある、そして信念を貫いて、革命を起こしたお店なんだと初めて知った。