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知り合いに借りた本。理研・マクドナルド・代ゼミ・ベネッセ・東洋ゴム・ロッテ・三井不動産・化血研・出光の衰退に陥った要因をレポートしている内容。データー改ざんの東洋ゴムや不祥事満載の化血研は論外。利益優先の社風を作ったトップの気風が要因だったと思われる。その他の企業もカネボウや雪印、JALやアムウェイ等の失敗例も紹介している。話が重複しまくってる部分があり過ぎるが空いた時間にすぐ読了できる本である。
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JAL、代ゼミ、武富士、雪印、JR西日本など、経営失敗事例を「肥満化」「官僚化」「迷宮化」「独善化」「ムラ化」で原因を分類した作品。
肝心の当事者の取材や証言がほぼ無きに等しく難あるが、周辺者への大量の証言で補い、説得力を増している。
多くの企業に現場軽視という事象が散見されるのには参考となった。
接着剤で有名企業3Mの「自主性を持った多数の社員の集合体として企業が動いて行った方が成功する」という組織目標が本当に重い。
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8つの日本の企業を例に挙げ、大企業が起こす特有のスキャンダルはなぜ起きてしまうのかというところに焦点を当てた一冊。第1部では、具体的な事件や事故を取り上げて、その背景や原因となる組織体制について考察している。第2部では、それらの共通点を検証し、その似た症状について説明している。実際に起きた出来事を元に話が進んでいくので、とても読みやすく経営に関しても考えさせられる。
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新年1冊目にふさわしい本。9つの事例とその分析と今後の展望なのだが、知ってることばかりでもう一つ物足りない感じ。外部からの状況証拠だけではこれが限界か。
私の勤務先も、まさに焼け太りした脂肪の塊のような組織がさらに巨大化のみを目指しており、意思決定はムラ化、独善化し、一般社員からは迷宮化した組織の実態把握などできず、恐竜化し倒れつつあるその姿を傍観するしかないといった状況になっています。サービスやメーカーだけでなく金融も潰れる時代がすぐそこに来ている気がします。
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・最近の不祥事事例集
・第一部、第二部と分かれていて、第二部でも追加で事例を出していることから、ひとつひとつのエピソードは短め。「失敗の研究」としてまとめるためにネガティブな側面ばかりを強調し、ストーリー性を持たせるために煽る雰囲気がやや強い
・数字の話もあまり出てこないので、本当にそうなのか、他社と比べてどうだったのかがわからない
・掴みとして面白く書いてあるので、興味のあるものは自分で追加で調べればいいか。化血研周り、理研周りとか
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10年以上前に「三洋電機」という家電メーカーにいました。
内定をもらったときは絶頂期。入社した途端に粉飾決算や中越地震による工場倒壊など、「こんなこと起きる?」みたいなことが次から次へと目の前で!?
社員一律給与カット、自社商品の購入ノルマなどが起きているにもかかわらず、「まあ、うちは潰れないっしょ」という楽観的な空気をみて、「やばいでしょ。。。」と思ってました。笑
まあ、その後はご承知の通りパナソニックに買収されましたが、その間の顛末を同期や先輩から聞いていると「むむむ。。。」と思うことばかりでした。
不祥事や倒産する会社には、共通のパターンがあるというのをこれまでの記者生活から体系立てて説明しているのがこの一冊。しかし、「優良企業だと思っていたのに。。。」なんてことはもはや通用しない時代に突入しているのでしょうね。
自分の会社は大丈夫か?そんなことも客観的に見られる感覚が大事ですね。
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【目次】
Ⅰ.軋む巨体 9つの失敗を解く
1.理研 「科学技術」という名のゼネコン
2.マクドナルド 3万店のハンバーガー工場
3.代ゼミ 生徒ゼロの大教室
4.ベネッセ 巨大名簿会社の虚実
5.東洋ゴム 肥大化した「ムラ社会」
6.ロッテ 国家またぐ循環出資
7.三井不動産 マンションの膨張と傾斜
8.化血研 エイズと背徳の20年
9.出光 読み違えた航路
Ⅱ.失敗の系譜 巨体を蝕む6つの病
1.膨張期
2.巨体維持期
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人がどういう状況下で黙過を起こすのかを知れるよい文献だった。経済も人なんだと言うことが改めて知れた。
チームということが、教育界、医療界で盛んに言われているがこういった失敗から学んでおくことは必要だろう。
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不祥事を起こした企業、組織をケーススタディとして、その原因と対策を考えよう、的なビジネス書です。
よくあるっちゃよくあるやつです。
でも著者が日経の記者さんなので、それぞれの案件の経緯とか関わる人の背景とかが丹念に書かれてて、それが面白かった!
いちばん吃驚したのは、代ゼミが全国模試を廃止してたことだよね!
それはあかんやろ…大丈夫か代ゼミ。
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組織の病理、なぜ巨大組織の不祥事が続くのか
組織が大きくなるのは必ずしもよいことではない
膨れ上がった規模を維持しようとすることが悲劇を生み出す
<ケーススタディ:9つの組織>
■理研
・短期間で成果をださなければならない、ポスドクが、優秀な人材を放出し、研究者を疲弊させるあげくに丸投げした研究成果を、チェックしないで発表することで悲劇を生む
■マクドナルド
・巨大な組織は、短期間に複雑な指示を全員に徹底できない
・現場を見ないで、本社が理屈だけで考える戦略が限界がきたのではないか
■代ゼミ
・現場目線で、施策を打っていた間違ったと思えばすぐに修正する
■ベネッセ
・人材のミスマッチ 今まで社内管理をしていた人が、いきなり子供相手に学習指導をできるはずがない
■東洋ゴム
・どんな組織でもミスは出てくるトップはそれを吸い上げて、全員で助け合う雰囲気を作らなければならない
■ロッテ
・創業家の骨肉の争い、ロッテは出口の見えない迷宮に迷い込んでしまった
■三井不動産
・そもそも、なぜ、この極めて軟弱な地盤に、700戸もの巨大なマンションを建てたのか、しかし、三井不動産はマンション問題に関する取材を拒否している
■化血研
・確信犯:書類は、虚偽の記録はゴシック体、実際の数値は明朝体で作成した
■出光
・昭和シェルとの合併の無期限の延長を発表した出光株の34%を持つ創業家の同意が得られないため、経営統合の時期を撤回する事態となった
<6つの病>
①肥満化―膨張装置の副作用
・膨張願望が強いことだった、そのためか、虚言癖が強かった
・量より質という路線を打ち出すが、一度、膨張によって太り切った組織は、激痛を伴う収縮を経なければ、筋肉質を実現できない
②迷宮化―出口なき「窒息する組織」
・迷宮化した巨大組織:意図せず、事業を次々と積み上げていった結果、複雑怪奇な巨大企業に仕上がってしまった
・なぜ事業本部制が機能不全におちいったのか:迷宮のような組織図の全体像は、複雑すぎて有価証券報告書に載せることができない
・さながら、伝言ゲームのように、長い経路を案件が伝わっていく
③官僚化―公金麻薬の果て
・公的性質を帯びた巨大組織の問題は、民営化した今も続いている
・その裏には巨大な利権構造がある
・つい数年前まで一緒に仕事をしていた仲間と、本気で競争するわけがない
④ムラ化―内輪の論理
・ムラ化とは、外界との接触を避け、固く閉ざした組織を指す
・思考停止で自律性を失った組織は、いつしか、世間の常識からかけ離れていく
⑤独善化―現場無視の暴走
・現場の状況を見ようとせず、無理な指令を繰り返す経営トップ、社員は疲弊し、会社に対する不信感を増していく
・経営トップが現場の状態を理解しようとしない社員は黙ってろという態度だから、望ましい手はほとんどうたれず、逆に無理難題を現場に押してくる
・巨大す���て足下の現場が見えなくなる
⑥恐竜化―変化対応不可
・時代に適応し過ぎたということなのか20世紀、世界市場を席巻した巨大企業は、世紀が変わると、環境の変化についていけず、足をふらつかせながら彷徨い始めた
・もはや巨大な自動車産業を、国家が救う時代は終わっていた
<まとめ>
破壊と、イノベーションは時間差をもってやってくる
人口減少や、少子高齢化は市場の縮小を意味するマイナス金利は投資が将来の損失を生み出すことを示唆するだとすれば、まず、成長を前提として出来上がった企業の前提が崩れるのではないか
組織のトップ層が効率という名の下に、目標数値と達成手段を押し付けるやり方は、経営環境が平穏で、競争条件が変化しなければ、短期的には成果を生むかもしれない
だが、先行きが見えない経済の激変期に、巨大組織の経営トップが独裁で意思決定を続けることがいかに危険なことか
大企業の社会的責任 その経営判断は、従業員や株主、取引先だけでなく、消費者や地域住民といった人々に影響を与える無理な拡大路線や、利益偏重の決断は、社会全体を混乱の渦に巻き込む危険がある
社会にとっていいことだから、それで倒れたら仕方ないじゃないか
目次
文庫版まえがき
序章 「大企業時代」の終焉
第Ⅰ部 軋む巨体 9つの失敗を解く
1 理研-「科学技術」という名のゼネコン
2 マクドナルド-3万店のハンバーガー工場
3 代ゼミ-生徒ゼロの大教室
4 ベネッセ-巨大名簿会社の虚実
5 東洋ゴム-肥大化した「ムラ社会」
6 ロッテ-国家またぐ循環出資
7 三井不動産-マンションの膨張と傾斜
8 化血研-エイズと背徳の20年
9 出光-読み違えた航路
第Ⅱ部 失敗の系譜 巨体を蝕む6つの病
1 膨張期
失敗の要因①肥満化―膨張装置の副作用
失敗の要因②迷宮化―出口なき「窒息する組織」
失敗の要因③官僚化―公金麻薬の果て
2 巨体維持期
失敗の要因④ムラ化―内輪の論理
失敗の要因⑤独善化―現場無視の暴走
失敗の要因⑥恐竜化―変化対応不可
終 章 大企業の未来
出典記事
あとがき
ISBN:9784532198442
出版社:日本経済新聞出版社
判型:文庫
ページ数:352ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2017年12月
発売日:2017年12月05日
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理研、代ゼミ、ベネッセ等の9ケースを分析。
結論の出ていないケースが多いが、失敗事例集としてはよく取材がされている。
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企業の失敗までの経緯が比較的わかりやすい。ただ新聞記者の本らしく結論や見出しありきの内容でエビデンスに乏しく深みがない。失敗の研究という題名に惹かれたが、実用的ではない