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怖気、滑稽さ、ノスタルジー。これぞ日本の怪!! 泥酔すると豹変して寺の鈴緒にぶら下がる男、自らの水子の霊に祟られて大好物の饅頭を絶ち供養する飯盛女、小塚原刑場に曝される生首女の口を吸う男……そこはかとない怖気と滑稽さが背筋を摩る江戸奇譚集!
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講談社文庫オリジナルの、江戸の怪談集だそうである。年の瀬に何とも季節外れだが、平山夢明さんの新刊なら、手に取ろうではないか。
全33編も収録しており、1編1編は短い。平山作品らしいきついグロ描写はほとんどなく、怒涛の如く読めてしまう。宮部みゆきさんの怪談集に混ぜてもわからなそうな作品が多い。その点が意外でもあり、拍子抜けでもあった。
「放ち亀」なのに、なぜ放さなかった…。なぜかコミカルな「人面疔」。旦那が偉かった「ままねき猫児」。「一回こっきりの」大技か。ひねくれた彫師のなれの果て、「犬猿」。怪談の定番アイテムがこんな話に、「ふところ鏡」。
成仏してくれ「狸の駄賃」。それは福の神だったのか「茶子」。江戸の世でも「漏洩」はあるのねえ。酒はほどほどに「吊り鈴」。「石主」はお家のご神体か。読書好きでも遠慮したい「忌本会」。それでも愛せるか「貝児」。あのネタ?「雨影」。
何だか味がある「怪異二題」。読書好きでも「本溺れ」には注意。「見舞い」の結末は悲しかった。その程度で済んでよかったな「頭駕籠」。そりゃそうだ「浮小判」。恐怖の「捨て草履」の由来とは。「横綱」の強さの源とは。有名落語とは関係ねえ「饅頭怖い」。
狸のあれがネタの「狐狸狢二題」。「すんでの箒」に気をつけろ。平山作品らしく、いじめ描写が酷い「髪賽銭」。よく耐えたな…。「味噌たろう」に幸あれ。欲張りが「ぎこ回し」をすると…。「小塚原」で肝試しとは、無謀というか何というか。
「魂豆腐」にあやかりたいものだ。「心魚」は見抜いていた。最後に平山節全開な「尿童」。武士の横暴といい、スプラッター描写といい、平山さん本来の作風だが、全33編の中では思い切り浮いているのだった。
どちらかというと、人情寄りの作品集だっただろうか。人情ものっぽい作品の前例がないわけではないが、インパクトには欠けるというのが正直な感想である。
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平山さんが書く実話系ホラー作品の時代物版、第2弾。
前作と同じく、怖いなと思う話は少ない。
時代物ならではの説明のつかない不思議な話、と言った方がいいかもしれない。
ハートウォームな話が多くて、でもそれがまた良かったかも。
味噌たろうの話が好き。
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2018年、14冊目は、主に隙間読書用にしていた、平山夢明。実話怪談系のネタをお江戸の時代に引越しさせた、大江戸怪談のPt.2。
今回はPt.1よりさらに、鬼畜度、グロ度は低め。ラストの「尿童」が少しソチラより。「人面疔」「髪賽銭」等のブラック系も少なめ。どちらかと言うと、「ふところ鏡」「狸の駄賃」「見舞い」等のファンタジー的人情話的なモノが多めの印象。
単純にゾクりとしたいなら、普通の実話怪談系の方がイイでしょう。ただ、あくまで個人的に、ソレよりは、少しだけ読み物としての面白さが上。一方、なかなか、大きなインパクト残せるモノが出ないのも事実。「本溺れ」のオチは大好物だけどね。
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平山夢明が書いた、江戸怪奇話。色々な切り口があって怪奇というのも幅が広いジャンルだと思わせてくれる。
前巻よりも面白かった。文章に慣れたというのもあるだろう。どれも書いても平山夢明という個性が光っていて、締め切りを守らないのに重宝される理由が分かる。
短い話しかないので少しずつ読み進めていけるので、子供にも読みやすい。中身がどうかは読んでのお楽しみ。