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貞観政要(じょうがんせいよう)とは、約1400年前の唐の時代を描いた「リーダー学」「帝王学」を中心とした古典。
中国・唐の二代皇帝で名君として知られる太宗(598年~649年)と家臣たちの政治問答集である。
ちなみに帯に「帝王学」とあり、帝王学は学ぶ前ではある種『圧制』的なリーダーシップを想像するがそうではない。数ある帝王学の著書を見てもそれは明白。
〇愛想を振りまくのもリーダー(上長)の仕事の一つと割り切る
・いつも威風をまき散らすと進言がなくなる
・ご機嫌うかがいの意見しかでなくなったらいつかは終わる
・部下になめられるのもだめだが、側近にいつも萎縮を与えてはいけない
〇内容はどうでもいいからまず褒める
・意見する姿勢を褒めねば意見がなくなる
・あんな意見でも褒められるならおれはもっと褒められる。このスパイラルをなめてはいけない
〇短所は見るな、長所を見ろ
・短所をみるぶん、長所の発見も遅れるし長所を活かす思考機会も失われていく
・短所なんてみんなあるし長所もみんなある。だったらどっちを見るべきかは自明の理である
・短所が長所と表裏一体の場合もある
〇人材はいつでもどこでもいくらでもいる
・「自分の会社に良い人材がくるわけない」「優秀なやつはいない」は間違い
・どの時代のどの場所にも偉人はいた。会社の事業や規模によるのであれば、三国志自在に劉備に人材はいなかったはず
・ピグマリオン効果はすさまじい。こいつは〇〇ができるなと思ってそだてると、部下は〇〇が抜群に伸びる。増大理論と一緒である。磨けば誰でも光る可能性がある
→悪い期待を持てば、悪い期待通りになる。さらに部下も「自分はあまり期待されていない」と見抜く。そうなると育つ理由がどんどん減っていく
〇職場を楽しくする
・職場が楽しいから業績が上がる、業績が高いから明るくなる、そんなことの究明はどうでもいい。どちらも目指す
・職場全体の空気をわるくするような因子には留意せよ
〇ケチなリーダーはだめ
・仁義熱く、度量が多いのがリーダー
〇できる人間にどんどん仕事を兼務させるべき
・人を増やしても仕事の生産性が上がらないことはリンゲルマン効果(フリーライダー)から明らかである
※リンゲルマン効果:集団は人数が増えるほど力を出さなくなる。別名、社会的手抜き
・「仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」パーキンソンの法則からも人数増大の意味のなさは明らか
・部下からの人数増加依頼には安易にYESを出してはいけない。その部下は役人病になっている可能性が高く、名誉欲や出世欲、保全性にかられている可能性が高い
→「役人はライバルではなく部下が増えることを望む」「役人は相互に仕事を作りあう」というのがパーキンソンの法則の主眼
〇叱るのは30秒以内
・怒りのエスカレーションがしにくい。アンガーマナジメント不要になる
・「30秒以内に叱る」「1つの事を叱る」「より良い方法を伝える、教える」の3原則を守る