紙の本
良い本です
2024/02/28 19:47
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれが本当でどれが嘘なのか、どれが現実でどれが作り話なのか。あっという間に読み終えた。映画も良いですよ。
紙の本
面白い!
2021/10/25 17:50
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投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭からの物語への引きこみにまんまと乗せられて、分厚い本ながら楽しめた。回りくどい会話が鏤められているところがこの本の長所でもあり短所でもあるところ。
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津田伸一復活! 渾身の一作 !! …?
2018/07/23 11:26
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投稿者:遊糸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
扉に一行
この物語は、実在の事件をベースにしているが、登場人物はすべて仮名である。僕自身を例外として。
津田伸一
なんともヒトをくった一頁だ。
物語の冒頭は...
幸地家の幼い娘は父親のことをヒデヨシと呼んでいた。ーー
その幸地家で一波乱があり、幸地秀吉の物語と思いながら読み進めていくと……。
彼が仕事帰りに立ち寄ったドーナツショップで一人の男と出会う。その相手というのが、そう、それが津田伸一で、この物語の語り手であることが明かされる。
津田伸一、今は女の部屋の居候で、デリヘルのしがない送迎ドライバーだが、かつて直木賞を二年連続受賞した(?)という噂の、元作家だ。持って回った物言い、言葉や事象に対するこだわり方で周りの人をイライラさせる続けるが。
読者は、登場人物たちとは赤の他人で、他人事として読むからイライラしない。彼らの会話が楽しめる。一言ひとことに笑える。面白い。このあたり実に、うまい。
津田は、予期せぬうちに事件に関わるどころではなく、その中心に巻き込まれていく。
「鳩」とは何だ? 何の隠語だ?
やがて、物語のなかで津田は小説を書き始めるが、それがこの小説(?)となり、彼は書き続け、語り続けていくことで、この小説が完成に向かっていくのである。
そう、これは推敲前の描写だったり、書いてはみたが気に入らず削除されたり、する訳だ。
読者は、一体、何を読んでいるのだろうか?
紙の本
あらためて凄い作家だ、佐藤正午
2018/02/28 11:15
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投稿者:kinya - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつては直木賞も受賞したと噂される40代の小説家 津田伸一が主人公。不倫など数々の不祥事を起こし、地方都市にてデリヘルの運転手で糊口を凌いでいる。ある大雪の夜、ドーナツ店で出会った男と会話を交わす。翌日、男は妻子と共に忽然と姿を消す。その1年2ヶ月後、親しくしていた古書店店主から形見のキャリーバッグが津田の元へ届けられる。中身は数冊の絵本と古本のピーターパンと3,403万円の現金。ところがその中に偽札が含まれていたことが判明。「神隠し」と「偽札」。この2つの事件をモチーフに再び小説の執筆をはじめた津田。以来、彼の周辺で次々と事件 が起こり、裏組織から逃れ、東京中野へ高飛び。バーテン見習いをしながら、Macbookに向かう津田。やがて自身がその小説の最重要人物になっていることに気づく。騒動の核心と小説が重なり、過去と現実と虚実が行きつ戻りつしながら、その境界が徐々に決壊していく。あるひとつの行為が、巡り巡って事件を引き起こし、それに連なる人間を次々と結びはじめ緩慢な円環を成していることに気づかされ、物語は終結に突き進んでいく。
読者は作中の出来事=実は主人公であり小説家の津田が描いたものだったという、所謂「メタフィクション」の手法で、本書が紡ぎだされていく過程と事の成り行きを同時進行で読み進めていくことになり、読者側も次第にすっかり惑わされていくという奇妙な読書体験を味わえる。
複雑かつ巧緻な構成、スリリングな展開、随所に張り巡らせた伏線、鮮やかな回収、クスッと思わず笑ってしまうユーモアの妙…にぐいぐいと引き込まれ上下巻千頁超の大作なのに、あっという間に読まされ、読後感はしばらく陶然状態が続いている。
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まどろっこしい。
主人公の津田がどうしようもない男で読んでいてイライラする。
なにが面白いのかさっぱりわからない。
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山田風太郎賞受賞作ということで入手。受賞作に関して、個人的にほぼ外れのないライナップということで、かなり注目している文学賞です。その一方で、佐藤正午作品は2作目だけど、前に読んだ『ジャンプ』にそれほど入れ込めなかったこともあり、本作に対しては期待と不安が入り混じった気持ちで臨むことに。でも杞憂でした。合計で1000ページ以上に及ぶ超大作の前編だけど、しょっぱなから頁を繰る手が止まらない。人の生き死にも絡む、それなりにシリアスな内容が扱われているんだけど、限りなく現代的な笑いの要素もふんだんに散りばめられていて、概ね明るい印象の中、物語は展開されていく。ミステリ的要素が大きいのかもしれないけど、ジャンルの枠に捕われず楽しめる。後半も期待大。
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上巻だけ読み終えました。
日本アカデミー賞授賞式をテレビで見ていると、候補作品はいずれも殺人者や囚人という普通に無い極端な状況を扱っていて、日本のストーリーテラーの行く先を心配していた。
私は、小説というものは、著者が訴えたい何かしら思想的なやつを、物語に託して説くものだと思っている。世に言う、サスペンスだのエンタメだのに分類されるものは、作者にしてみれば訴えたいものを説いているのかも知れなく、単に受け手の無理解がその分類を招いているかもしれないが、どんなに身近なコトバや身近な事象を描いてもリアルに乏しい。
にしても、そんな理屈?は通り越して、この作品、めちゃくちゃ面白い。
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(上下巻合わせたレビューです)
いやはや参りました。全作を読んだわけではないですが、私の知る佐藤正午作品の中では文句なしのNo.1、傑作です。
ネット上のレビューでは主人公に共感できないから面白くない、といった意見がいくつかありましたが、本作をそういう読み方だけでクローズしてしまうのはあまりにももったいないと思いました。一家失踪事件や偽札、それに裏社会が出てくるので、一見するとサスペンス・ミステリのジャンル小説のように感じられますが、それだけにとどまらない魅力を備えています。
例えば本作の構成として、作中の出来事が実は主人公であり小説家の津田が描いたものだったというメタフィクションとなっているのですが、読者は本作が生まれる過程を作者(津田)の執筆と同時進行で読み進めることになります。ここでの作中作は、意図して事実と虚実をない交ぜに描かれたはずだったのに、津田に対する「小説を描くということ」への根源的問いかけと並行して、事実と虚実の境界が徐々に壊れていくというスリリングな離れ業が展開されており、読んでいて実に面白かったです。
この野心的な試みはかつての筒井康隆の作品を彷彿させますが、物語のスケール感、構成の緻密さ、至る所に張り巡らされた伏線とその回収の鮮やかさ、登場人物たちが交わす会話とユーモアの妙、練りに練られたことがうかがえる1行1行の味わいなど、総じて筒井作品を上回っているように思えました。だからこそ山田風太郎賞の選評で筒井氏本人から賛辞を貰うことができたのでしょう。
これ以上書くと長くなってしまうので、文庫解説を務めた糸井重里氏の二番煎じですが、最後に私からも言わせてください。佐藤正午さん、最高です。
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謎が新たな謎を呼ぶ。
頭の中に?や!が増え続け、読み出したら止まらない。
これはそもそも、直木賞を二年連続で受賞した元作家・津田伸一の創った小説なのか?
どこまでが事実なのか?
人が次々に失踪したり、持ち歩いていたはずの本がいつの間にか消えたり。
回りくどいと周囲の人からいつも煙たがれている津田のことを、読み手は信じてもいいのか?
今なお行方不明の夫が心の奥底に抱えていた箱の中身とは?
数々の謎を残しながら下巻へ続く。
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徐々にピースが埋まるパズル。なのに物語が一向に見えない。それがどうしたと言わんばかりの主人公。普通なら途中で飽きてしまいそうだが,期待は膨らむばかり。早く続編を読まねば。
あらすじ(背表紙より)
かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の“あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。
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石田ゆり子さん、糸井重里さんがオススメしていると聞いて。
タイトルから気になって読み始める。
賛否両論みたいだけど、私は好きだった。
先が気になる…
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かつては直木賞も受賞したと噂される40代の小説家 津田伸一が主人公。不倫など数々の不祥事を起こし、地方都市にてデリヘルの運転手で糊口を凌いでいる。
ある大雪の夜、ドーナツ店で出会った男と会話を交わす。翌日、男は妻子と共に忽然と姿を消す。その1年2ヶ月後、親しくしていた古書店店主から形見のキャリーバッグが津田の元へ届けられる。中身は数冊の絵本と古本のピーターパンと3,403万円の現金。ところがその中に偽札が含まれていたことが判明。
「神隠し」と「偽札」。
この2つの事件をモチーフに再び小説の執筆をはじめた津田。以来、彼の周辺で次々と事件 が起こり、裏組織から逃れ、東京中野へ高飛び。バーテン見習いをしながら、Macbookに向かう津田。やがて自身がその小説の最重要人物になっていることに気づく。
騒動の核心と小説が重なり、過去と現実と虚実が行きつ戻りつしながら、その境界が徐々に決壊していく。あるひとつの行為が、巡り巡って事件を引き起こし、それに連なる人間を次々と結びはじめ緩慢な円環を成していることに気づかされ、物語は終結に突き進んでいく。
読者は作中の出来事=実は主人公であり小説家の津田が描いたものだったという、所謂「メタフィクション」の手法で、本書が紡ぎだされていく過程と事の成り行きを同時進行で読み進めていくことになり、読者側も次第にすっかり惑わされていくという奇妙な読書体験を味わえる。
複雑かつ巧緻な構成、スリリングな展開、随所に張り巡らせた伏線、鮮やかな回収、クスッと思わず笑ってしまうユーモアの妙…にぐいぐいと引き込まれ上下巻千頁超の大作なのに、あっという間に読まされ、読後感はしばらく陶然状態が続いている。あらためて凄い作家だ、佐藤正午。
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途中までしか読んでいないのに評価してすみません。
文章が、もう全然ダメでした。
文章の結論に行き着くまでが長い。
そしてまわりくどい。
会話や言葉、表現がいちいちダサい。
ユーモアっぽい語り口、ことごとく薄ら寒い。
主人公の男が、とかそんなんじゃなくてこの本全体の雰囲気が合わなかったです。
他の作家さんとか、文章や構成に回りくどさがあってもたいてい読めるんですが、この本は私には無理でした。
滲み出る、かっこいいでしょ感がとにかく気持ち悪かったです。上手く言えないですが。
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こういう話の運び方もあるんだ。ルールに囚われない手法は、最初は違和感があったけど、だんだんと面白くなってくる。
複数の事件が一見別々のようで絡み合っていて、謎解きというよりも絡んだ糸をほぐすみたいな感がある。
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身近なものでの描写、事件性のあるストーリーは面白かった。
カギ括弧でひたすら書かれる一方の会話、行ったり来たりする時系列、遅すぎる展開、途中の官能小説化、
読むのにこんなにストレスを感じた本は初めて。
津田とは絶対に合わない。