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オリンピックと同じ年に開催されているので4年に一度は目にしている「パラリンピック」。
でもあまりにもそのひとつひとつの競技に対して無知であったと改めて。
「伴走者」というのは自分自身がトップレベルのアスリートでなければならない。よく考えたらそりゃそうなのだけど、ここまでその力を求められていたとは。
夏と冬、マラソンとスキー。マラソンは紐でつながった伴走者を見たことがあったけど、スキーは初めて知った。こんなすごい競技があったとは、と驚き、思わず映像を検索してしまったほど。視覚障碍者が時速100キロ近いスピードで滑り降りて来る…晴眼者でも怖いのに…いや、無理無理。
すごいなぁ、と思って読んでいたけど、でも本当に大切なのは、彼ら彼女らにとってその見えない状態が当たり前で、それを私たちが勝手に「大変だ」と思い込んでいるということ。そのことに気付かせてくれたこの小説を東京オリンピックの前に、ぜひ一人でも多くの人に読んでもらいたいと思う。
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自分もスキーをやる.冬・スキー編,最後にホロっとする.雪面と空気とのコンタクト.伴走者と競技者の声を通じたコンタクト.そして見えないからこそ研ぎ澄まされる感覚によるコンタクト.その感覚が少しずつ,目の見える伴走者が子どもが成長さるようにおぼえていく.それがみずみずしくしくもカラッと,湿っぽくなく描かれててえがった.
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視覚障害のある選手と、伴走者の物語。
夏のマラソン編と、冬のスキー編。
全く違うテイストで、どちらも熱く、読みました。
久しぶりに、没頭できる物語と出会えました。
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伴走者から見た、全盲の人のマラソンとスキーの世界。知らない事を知ることはいかに楽しい体験であるかを思い知らせてくれる、素晴らしい小説だった。続編強く希望
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パラオリンピックマラソンとスキーアルペンの伴走者との話し。この二人みたいにオリンピック選手は障害者でも強いんだろうな。でも恵まれ過ぎだ。 2018.4.6
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マラソンでブラインド選手と一緒になったことは何度もあるが、裏側にこんな苦労とドラマがあったとは知らなかった。競技についての描写も専門的で読み応えのあるものだった。健常あることに感謝したい。
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エンターテイメントとして面白く、また、僕がよく知らない、世間に知られていない視覚障害のあるアスリートをサポートする「伴走者」について新たな知識を与えてくれる書。
キャラクターの強い選手を配置して小説を魅力あるものにする能力のある作家という気がする。
久しぶりに、あっという間に読み終えるという体験をした。
次作を待っております。
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尊敬している人が勧めていたので読んでみた。
パラアスリートについて書かれたお話を読むのは初めて。知らないことばかりで、新しい扉を開けた気分。
街で見かけた時に困っているようなら何かしたいと思うけどどうしたらいいのかわからなくて行動出来たことはなかった。「聞いてくれればいいのに」と言った登場人物の女子高生の言葉には、そりゃそうだ、わからないなら聞けばいいんだから何も特別難しいことじゃないんだなと思った。
どちらのアスリートも自分のしたいようにスポーツをしてて、読んでいて楽しくておもしろかった。この本を読めて良かった。
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視覚障害のある選手と伴走者が競技に挑む姿に胸が熱くなった。
自分も一緒に走り(滑り)ながら選手の目となりスピードのあるなかで状況判断をして誘導する伴走者という役の難しさ、パラスポーツの世界、視覚障害者への接し方など、この本を読んでたくさんのことを知った。
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「お前は伴走者だ。俺の目だ」
『夏・マラソン編』
「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は伴走者として、勝利に貪欲で傲慢な視覚障害者ランナーの内田と組むことに―。
『冬・スキー編』優秀な営業マンの涼介は、会社の方針で全盲の天才スキーヤーの女子高生・晴の伴走者をするよう命じられるが…。
自分ではなく他人のために勝利を目指す。
(アマゾンより引用)
伴走者、という存在は知ってたものの、具体的にどんなことをするのか分かってなかったから、非常に興味深かった。
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目が見えない人がマラソンをする。
どうやって走るのか?
伴走車が、目が見えない走者と一緒に走るのだ。一本のロープを頼りに。
この本には2話が収録されている。
最初の1話は、元サッカー選手の男子マラソンランナーと、機械のように精密に走ることを得意とする伴走者の物語。気温が高くあまり道路が整備されていない地域でのマラソン大会から始まり、出会った頃からの移り変わりが回想シーンで組み込まれる。
この構成により、そもそも伴走者ってボランティアなの? 退屈ないい話じゃないの?って思わせない工夫がある。例えば目が見えない俺様なマラソンランナーであるとか。金に困っていなさそうとか。単純に走っていて楽しそうとか。
そして2話めは、アルペンスキーの伴走者。
こちらは目の見えない女子高生と、学生時代は第一線であったが、社会人になると同時に滑ることをやめたサラリーマンの組み合わせだ。
すれ違いが丁寧に描かれ、あー構成うまいなー。面白いなーって思っていた。いや、面白い。
ただ、個人的に、30男が10代女子に救われるっていうのがつらい。女子も30男に救われているのだろうが、どうして男女だと女子が恋愛要素にからめるのか。犯罪だろうって気持ちになってしまった。うーん。男性同士だとバディになれるのに男女では恋愛(しかも女子主導)っていうのはさみしい。男の憧れやロマンなのかもしれないけども。さみしい。
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2018/11/12
913.6||アソ (3階日本の小説類)
全盲の人がマラソン?
全盲の人がスキー?
それを支えるのが伴走者です。
視覚障害者が安心して競技ができるように選手の眼の代わりになる伴走者。
自分のためではなく他人が心地よく競技できるように尽くすが、人と人のつながりでお互いが競技の喜びを味わえる極上のスポーツ小説。
マラソン編とスキー編があります。
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思いの他、良い作品だった(特に「冬・スキー編」)。
元NHK職員(広報担当)による作品。浅生鴨、お初。近著『どこでもない場所』を新聞書評で見かけ、図書館に検索をかけたら蔵書に本書があった(『どこでもない・・・』はなかった)。読んでみて良かった。
「夏・マラソン編」と、「冬・~」の中編2つで1冊。
「夏」は元サッカー選手のブラインドランナー内田と、正確無比な走りは出来るが実績が伴わないエリートランナー淡島の物語。
「冬」は大学時代、競技スキーで最速選手だったが社会人となり引退していた企業エリート涼介が、会社の方針で全盲の女子高生晴(はる)のスキー伴走者となる。
どちらの作品も、盲人にも伴走者にもそれぞれ欠点があり、一筋縄ではいかない物語としているが、後篇を読むと良く分かるが、障碍の有無を除けば、誰もが同じ人間で、誰もが普通の悩みを持っているということを強く訴えている作品と取れる。
一般に、盲人と伴走者のペアの物語となると美談を想像しがちだが、そうではなく、普通の軋轢、衝突、諍いがあり、それぞれが普通の人間だということを言いたいのだなということがとても良く分かる。
スキー編の涼介がこうつぶやく;
「できないこともできることもたくさんある。それは晴だけではない。俺だって同じだ。誰だってそうなんだよ。だから俺たちは助け合うんだ。」
盲人だから、晴眼者だからという違いは、とっぱらって、お互い人として接していくようになる様が清々しい。 さらには、完全無欠の勝利の物語としないところも、リアルでよかった。
前篇「夏」を雑誌に発表のあと、後篇「冬」を書き下ろしたようだが、後篇のほうが、そのあたり人物造形、メッセージ性が浮き彫りになっていて良かった。
「夏」編のブラインドランナー内田の、横柄極まりない態度は、もちろん、小説としての面白さのための脚色であろうとは思うが、自分がつき合ってきたブラインドランナーの面々は、おしなべて人間が出来ていた。ここまで失礼な態度は取らないと思う。 己がハンデを抱えていることで、彼らは健常者以上に、気配りができ、人には優しいものだ。
後篇の涼介の言葉に、また戻るが、
「弱さが俺たちを強くする。弱さを知る者だけが、その弱さを克服できる。たった一つの感覚の代わりに、多くの感覚に頼る力が晴の強さだ。頼れること。それが本当の強さなのだ。」
ブラインドランナーの方は、そんな強さを持っている。内田のように虚勢は張らない、と思うのだ。
夏のマラソンの舞台、南国の島国、革命家の家、ということで、キューバっぽいなと思い読んでいたが(一切、具体的な地名は登場しない)、どうやら当たり。
著者が、執筆前にテレビ番組撮影で訪れていたそうだ。実際にコースを撮影し、リアリティーを重視したという。そう思って改めて読んでみるのもいいかもしれない。
ブラインドスキーヤー晴のキャラが可愛くて良い。
「お?」って口癖も良い。
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夏・マラソン編と冬・スキー編からなる、
二組の盲目のアスリートと伴走者の物語。
どちらも気が合ってコンビを組んだというよりは、伴走者側が状況的に否が応でもなしにそうせざるを得ない所から始まっている。
勝負の世界の駆け引き、障害者スポーツを取り巻く環境など、どれも綺麗事ではいかないし、
努力に結果が必ずしもついてくるものではないけれど、
それでも人を競技に向かわせるものはなんだろうか?
スキー編のラストは、その答えの一つを提示していて爽やかな読後感。
ただ、アスリート側がどちらも天才型なので
できたら努力の人同士の話も読みたい気がした。
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生業である対人援助職について、クライエントの「伴走者」と例えられることがある。
「誰かを助けるのではなく、その誰かとともにあろうとする者、互いを信じ、世界を共にしようと願う者」
自分はそんな風に伴走できているか。
自分の弱さを恥じずに、ちゃんと誰かや何かに頼ることができているか。
スポーツの話だけれど、そんなことを考えながら読んだ。