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映画とは違った切り口で登場人物の心情が明らかにされている。「モンスター」が本当は何を意味するのか。映画を観ただけではおぼろげだが、この小説でより輪郭が明瞭になったと思う。
全てがあたたかな目線で描かれている。
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映画感想。大人のおとぎ話。魚人?と口がきけない女性の恋愛逃亡?劇。こういうの大好きなんですよ…異形もの、異種間愛というとキングコング、シザーハンズ、おおかみこどもの雨と雪、なんかが思い出されまして。監督絶対オタク気質だわ。R-15版なのでそれなりの性描写、暴力描写はあるので注意です。
アカデミー作品賞という快挙ですが、異種間、というより「障害者と性欲」という点を隠さずむしろ太い軸にしているところでしょうか。口がきけない独身女性、彼女の親友の中年ゲイなど、皆魅力的。惜しいのが、お互い惹かれあうシーンのインパクトが薄かったところ。
しかし魚人を助けた博士が最期にあんな…
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映画を観たので。
映画とはまた違う道筋を辿る物語。
ただの敵であるはずのストリックランドが、なんだかとても、かわいそうな人だった。
みな必死だったのだなぁ、と。
*****
ギレルモ監督のインタヴューに於いて……
不思議な生き物と心を通わせる主人公イライザ役のサリー・ホーキンスをはじめ登場人物の多くは俳優のイメージを反映させた“あて書き”。
「役者たちを選んだポイントは“目”だ。どんなエネルギーを放つ目をしているか。優しさ、知性、厳しさ…。特にサリーの目が語る現実味は素晴らしいね。彼女がクリーチャーを見るとき“彼”を本当に美しいと感じていることが伝わってくる。僕はイライザを、化粧品や香水のコマーシャルに登場するような女性にはしたくなかった。若く美しい20代の女の子ではなく、現実にいる30〜40代の平凡な容姿の女性。でも物語が進むにつれて美しく輝きだす。そういう女性を望んでいた。バスの隣座席に座っていてもおかしくない人なんだけど、どこか魔法のように人を魅了する力がある女性をね。対するストリックランド役のマイケル・シャノンの目は、とても強いけど傷つきやすい脆さも感じられる。彼は悪人だけど人間らしい悪人なんだ。まあ、あの目は本当に怖いけどね(笑)。イライザの親友ゼルダを演じるオクタヴィアの目はヒューマニティーと知性にあふれている。あの2人の友情も本作の重要な要素だ。女性同士の友情ってすごく深くて特別なものを感じるよ。“不思議な生き物”役のダグとは30年一緒に仕事をしてきた仲だ。このクリーチャーを演じられるのは彼しかいない。傷つきやすくもある一方で力強くもあり、恐ろしくも美しくもある、純粋無垢なところもあったり神々しさもあったり、いろんな要素を持つ複雑な役だ。それを特殊スーツとメイクを付けて演じることができる役者はまれだよ」
http://www.tokyoheadline.com/405171/
……ストリックランドの、傷つきやすい脆さも、という部分に、小説版のあの様子を思い出し、合点がいった。
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ヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲った時から楽しみにしていた映画の小説版。普段好きな映画でもノベライズは買うことはないのだけど、イライザと不思議な彼とのラブロマンス以外にも、各キャラの背景ももっと見たくなったので読んだ次第。
小説で一番力が入っているのは、敵役でありながら60年代当時の「マッチョなアメリカ」に追い立てられるようにも思えたストリックランドの描写。理想を体現しつつ、弱き者には牙をむく鼻持ちならさがあるものの、やはりどこか哀れさも多少覚えたもので。でも嫌なやつではあったね。
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映画に感銘した人だけが読むべき本。
一層感動します。より深く人物像が読み込めます。若干意味不明なラストが感動のラストに生まれ変わります。半魚人を受け付けない人は読んだらあきません。アカデミー賞に釣られて見る人も決して少なくないでしょう。しかし此れは観る人を選ぶ作品です。ラゴン、ピーターが好きな人はきっと入り込めます。忘れられない作品になるでしょう。
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2018/05読了。
映画に感動し、ノベライズもということで。
大変分厚く、どうしようかと思ったけど、内容的には読みやすく(すでに映画を見てストーリーが分かっているから、ということはあるけど)、読むと映画のシーンがよみがえり、また映画より掘り下げた部分も多く、読んで良かった。
ストリックランドと妻レイニーは映画よりも格段に描写が深かった。ストリックランドの半魚人に対する憎悪のわけが理解できた気がする。レイニーも映画ではただの奥さんだったけど、ノベライズでは自立しようとする強い女性だった。
ゼルダもジャイルズも。映画よりもスポットが当たってる。
でも半魚人とイライザは、断然映画の方が良かった気がする。イライザの靴やラストシーンの赤い衣装とエラ、半魚人の造形、映画の視覚表現がそれだけ素晴らしかったんだなあ。
もちろんノベライズのラストも味わい深く、神々しい世界観に感動した。
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海外文学は得意ではないけど、本当に得意ではないなぁ〜と改めて痛感した。
長過ぎる!
でも、表紙のジェームス・ジーンさんの絵は本当に素晴らしい。タイトルが配置されて、いっそう美しさが際立つ。もともとジェームスさんは海外のコミック雑誌の表紙を数年手掛けていたキャリアがあり、表紙に映える絵を描くのが得意中の得意なお方。昨今はイラストレーターというより画家に近くなってしまったのを少し寂しく思う。
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映画を見た後に読みました。とても読み応えのある一冊です。ストリックランドがどれだけ苦労してアマゾンから半魚人を連れてきたかが前半に書かれていましたが、映画では全くその事には触れていませんでしたよね。他にもイライザの生い立ちや首の傷のこと、イライザの隣人ジャイルズの過去、友人ゼルダのイライザを慕う気持ち、ストリックランドの妻レイニーとジャイルズの交流、研究所で働くホフステトラー博士の葛藤、などなど映画には到底収まりきれない細かいストーリーを補うような豊富な内容で、だからこの厚みか!と思いました。どうしてイライザの首に傷がなくちゃいけなかったのかとか、シャワーじゃなくお風呂に浸かる派とか、改めて納得する部分が色々ありました。そしてギレルモ・デル・トロ監督はイライザと半魚人のロマンスだけではなく、女性蔑視や人種差別、マイノリティ差別などの問題も提起したかったんだなと思いました。この本はノベライズという事で映画と合わせて読むことをオススメします。ただ一つ、血や肉の描写がグロすぎて読んでいて顔がゆがんでしまうとこが何度もありました...
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ギレルモ・デル・トロ監督の映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の原作ではなく、補完するために小説家と監督が一緒に作った小説(だよね?)。
めちゃくちゃにぶあつい!!!!!! でも映画を観てハマるものがあった人は絶対に読むべき。
様々な人物の行動・心理描写が圧倒的に描かれている。 特にサブキャラ。
映画はそんな心理描写じゃなかったよね?というところも、深みが出て良い。
世界観にどっぷりと浸れるようになる〜
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研究施設の清掃員イライザとアマゾンの奥地で神のように崇められていた彼との物語。
映画公開時から気になっていたが観れておらず、観るよりも先に読めたのが嬉しい。
かなり分厚いがあまりの面白さに2日で読めた。
訳者のあとがきにあるギレルモ・デル・トロが「子供のまま大人になった最高のお手本のように思えてくる。」という文がすごくしっくり来た。
『大アマゾンの半魚人』を観て恋が成就しなかったことに心を痛め、自らモンスターとヒロインの恋が実る物語を描くという。
人間以外と恋という恋愛作品は幾つもあるけど今作は雰囲気が違う。多くの作品が人間では無い方を人間に寄せてしまうような作りだけど今作は彼をとても大切にしているように感じた。
『美女と野獣』であれば野獣は何故か王子様に戻ってしまうし、『人魚姫』は泡になってしまう。これらの作品を観たり読んだ時のモヤモヤ感を今作は払拭してくれている。
イライザは生まれつき口が聞けないのだが、人魚姫から着想を得たのか気になった。考察ではあるが彼女の首の傷は元々エラで、その名残のような気がするし、声を奪われる代わりに人間の姿で現れたのではないかなと思ってしまう。
今作は登場人物は口の聞けないイライザ、黒人の女性ゼルダ、同性愛者のジャイルズなどマイノリティーの登場人物が多い。イライザの職場も他の職業には不向きゆえ、この仕事を失うまいと真面目に仕事をするという理由でマイノリティーの人々を雇っている。
物語が進むにつれ人間と彼の境目がどんどん薄くなって行ったように感じた。ストリックランドのほうがイカれたモンスターである。
彼の描写がとても美しく、水の滴りや鱗の煌めきを感じられた。
・登場人物
イライザ:主人公。
ゼルダ:黒人の女性。イライザの同僚。ブリュースターという夫がいる。
他の同僚:(ヨランダ:メキシコ人、アントニオ:寄り目気味のドミニカ人、デュアン:混血で歯がない、ルシール:アルビノ)
デイヴィッド・フレミング:イライザの会社の偉い人。
ボブ・ホフステトラー博士(ディミトリ):科学者。実はスパイ。
上司:(バイソン、レオ・ミハルコフ)
ジャイルズ(64):イライザの部屋の隣。
ブラッド(35より上はない):名札がよく変わるカフェ店員。
バーナード・クレイ(バーニー):ジャイルズが働く広告代理店の人。
リチャード・ストリックランド:ギル神を捕まえた。ホイト元帥の部下。レイニーという妻とティミーとタリーという2人の子供がいる
レイニー・ストリックランド:リチャードの妻。バーニーの会社の受付嬢に誘われる。
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大好きな映画だったので、観賞後に読みました。
悪役の葛藤など、映画では描かれなかった細かいところが書かれていて、すごく良かった。