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暗号ミステリってちょっと腰が引けちゃうというか、あまり考えずに読んで「へー」ってなりがちなタイプなんだけど、これは凄かった。いろは歌は日本人には馴染みのもので、読んでいて「なるほど」と思うことも多くどんどん没頭した。
それにしてもこの怒涛のいろはには圧倒された。どんな頭脳の持ち主なんだろう!だいたい旧仮名遣いやら古語やら、こんなに自在に操れるなんて凄すぎる。
小1のこどもに普通にオセロで負けてしまう私にはとても考えつけそうにないけど、チャレンジしてみようかな(笑)
黒岩涙香については、たぶん高校時代に日本史で軽く教わり、萬朝報を創刊した巌窟王や噫無情の翻訳者であるということくらいは知っていたけれど、こちらも読んでいて圧倒された。すごい人だ。だいたい最初の新聞社で24歳で主筆、30歳で萬朝報創刊。こういう若くして活躍する人がいたのが明治の時代なのかな…と思ったりもした。
牧場智久を探偵役とする小説はシリーズものなんだね。
類子ちゃんと智久くんの可愛いカップルのシリーズなのかな。囲碁も将棋もさっぱりだけど、他のものも読んでみたい。
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★★★☆☆ 3.6
もはや天才すぎて凡人にはついていけない(笑)。「かっこわら」が付くくらいの圧倒的才能の前に僕ら読者は口をパクパクさせて読むことしかできない。本当に天才的な暗号すぎてまじで全く意味わからないけど、overwhelming genius boy は素晴らしい。
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うーん。全体の3分の1ほど進むまで全然面白いと思えなくて、途中でやめようか悩んだくらい。いろはが出てきたあたりから少しずつは楽しめたのだけれど。
帯にやられてしまった感はある。だって、「空前絶後の謎解き!」「このミス2017 第1位!!」「ミステリが読みたい! 2017 第2位」「第17回 本格ミステリ大賞 受賞」「第40回 週刊文春ミステリーベスト10 第3位」と書かれているし、「綾辻行人氏 恩田陸氏 京極夏彦氏 絶賛!」とまで言われたら期待しない方が無理だよねーー。
いやでもよく考えれば、帯は合っている。すごいとか本格とかは言っているけど、面白いとは言ってないもん。確かにすごかったから、間違ってない。
「いろは」の数がまずすごい。これを全部考えたのかと思うと驚いてしまう。そして、その暗号もすごい。「聯珠」の暗号も、聯珠のことはわからないけれどすごいということはわかった。
智久の謎の解きっぷりはスムーズで、どんどん解明されていくので気持ちがいい。ただ、物語に没頭できていないのに話が進んでしまうような感覚があって、謎が出てきては解かれていくのを何となく追いかけているうちにラストを迎えた、という感じ。
「いろは」は本当にすごいと思ったけれど、お話としてはそれほど楽しめなかったな。
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完全に主役は「いろは歌」。その狂気じみた圧倒的ボリュームに呆然。
黒岩涙香については山田風太郎作品で触れた程度の知識しか持ち合わせていなかったので、その多芸ぶりと破天荒な経歴に驚いた。
冒頭の殺人事件と涙香といろは歌。とても自然な流れなのに、おそらく配分の問題だろうか、奇妙なアンバランスさを感じてしまったことは否めない。
そこに面白さを感じられるかどうかで好みがわかれそう。
水平思考クイズの答えが気になる…。
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なんといっても空前絶後のいろは歌暗号に尽きるでしょう。あとがきによると、本作のために用意されたわけではなく、作者さんが趣味で作っていたいろは歌暗号が先にあって、ということのようだけれど、それはそうだろうね。どこかで作中でのいろは歌に対する賛辞、つまり自讃が過ぎるというような批評を目にしたのだけれど、これだけのモノを作ったら、少々自讃したところで罰は当たらないと思う。正直、ここまで最初から解いてみる気にならない、ミステリの謎もないが、謎解きの過程でのカタルシスはまれに見るもの。いやー面白かった。
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牧場智久シリーズ。前半、読むのがしんどいからって、途中で辞めたら後悔しますよってタイプの本。黒岩涙香、囲碁や連珠についてのアレコレで埋め尽くされた前半を読むのは辛かった…。ようやく事件が動き始めた後半からは、涙香の隠れ家、台風の中のクローズドサークル、いろは歌に込められた暗号と、面白さ目白押し。犯人の動機もやや弱いが、連珠が好きな人ならもっと楽しめたのかな。とにかく、暗号を仕掛けた、作者作の大量のいろは歌は圧巻!しかし…最後の推理ゲームの答え、全然分からないんですけど…
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竹本健治の涙香迷宮を読みました。
囲碁、将棋、トランプ、匣、涙香と5冊目になります。
どれもハズレがありませんでした。
まだ未読未入手のものを読みたいと思うばかりです。
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2022.5.7読了。
恥ずかしながら黒岩涙香という人を存じ上げず、タイトルの文字面の美しさと作者が竹本健治だということ(信頼感)で購入した一冊。
とにかく蘊蓄がすごい。
黒岩涙香の名前すら知らなかったのに、読了後は偉人伝を読んだかの如く彼の人の功績や趣味幅の広さを知ることに。
同時にこの本を書く種になったと思われる、大量の作者創作いろは歌に引くほど驚いた。
ジャンルはミステリなのだけど、涙香の仕掛けた謎の部分&殺人事件よりも涙香についての蘊蓄の方がボリュームが上。
読み物としては知識も増えたし頭も使ったけれど、ミステリとしては捻りもどんでん返しも無くシンプル。
もちろんドキドキもワクワクも無し。
へぇ〜なるほど〜な一冊だった。
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蘊蓄部分はよく分からず、流し読みしました。しかし、日本語ってすごい。こういったものを作れる言語センスが素晴らしく、信じられない。
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イヤーー前置、伏線が長い作品かなぁって感じです、ミステリーなのだけど、それに至るまでがとにかく長くですね、ようやくミステリーっぽくなったのが残り100ページでしたーー
でも天才ってかっこいい^ ^
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竹本健治の長篇ミステリ作品『涙香迷宮』を読みました。
ここのところ国内の作家のミステリ作品が続いています。
-----story-------------
明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰!
いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。
そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。
日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。
こんな小説を書ける作家は世に1人、竹本健治しかいない! ──ような気がする。
──綾辻行人
セカイを再編集する悦び。
言葉の総てがセカイになる驚き。
堪能できます。
──京極夏彦
・第17回本格ミステリ大賞 小説部門 受賞
・「このミステリーがすごい!2017年版」(宝島社)国内編第1位
・第40回「週刊文春ミステリーベスト10」 国内部門第3位
・「ミステリが読みたい! 2017年版」(ハヤカワミステリマガジン)国内篇第2位
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2016年(平成28年)に刊行された、IQ208の天才少年囲碁棋士・牧場智久が探偵役として活躍するシリーズ作品です。
■発端
■もうひとつの発端
■経緯
■発掘調査
■嵐の前
■嵐
■暴風雨の底で
■解読
■真相
■解放
■あとがき
■解説 恩田陸
囲碁界では有名な老舗旅館で発生した怪死事件… IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久は謎を追いかけるうちに明治の傑物・黒岩涙香が愛し、朽ち果て廃墟になった茨城県の山荘に辿りつく、、、
そこに残された最高難度の暗号=日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」48首は天才から天才への挑戦状だった……。
面白かったですが… それ以上に「凄いっ!」という印象の強い作品でしたね、、、
48語を一度ずつ、全て使って作られる、日本語の技巧と遊戯性を極めた「いろは歌」に何重もの暗号が仕掛けられているのですが… これだけの数の「いろは歌」を考えて、その中で暗号を仕掛けるなんて、想像を絶することですねー ホントに驚きです。
そして、国内ミステリの始祖であり、優れたジャーナリストであり、数多くの趣味娯楽で一流の腕前を持つ黒岩涙香を絡めた展開も印象的でしたね… ホントに凄い暗号ミステリでした。
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学生の頃、様々なジャンルのミステリーを漁っており、そんな人間が必ず惹かれるのが「暗号」である。
トリック等に使われていても読みながら解読する事はほとんど難しいが、ミステリー好きが「暗号」にときめく事はホームズが登場する有名な「踊る人形」の時代から変わらない。
ただし、あまりにも凄すぎる暗号は、作品のバランスを壊してしまう。
涙香迷宮においても、作者が人間の枠を超えた、とんでも無い暗号を提示し、僕の頭ではその解読で一杯になり、結果、ミステリー部分の記憶は曖昧になってしまった。(この暗号を楽しめる脳が羨ましい。)
作中において、イロハ歌を用い(しかも複数)更にその中に暗号を潜ませており、作者の能力に感服してしまった。
タイトルの涙香は黒岩涙香という実在した人物がモチーフであり、彼の生き様や人となりについても本作に彩りを加える魅力的な要素のひとつだ。
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いろはの謎解きのクオリティが高く超大作ともいえるかもだが、
囲碁、将棋のくだりは自分には難しくてよくわからなかった。
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★5 暗号ミステリーの名作! 明治の鬼才作家、黒岩涙香が残した「いろは歌」の暗号を解け #涙香迷宮
■あらすじ
囲碁の世界では有名な老舗旅館で殺人事件が発生した。主人公であるトップ囲碁棋士の智久は、刑事とともに事件解決を図っていく。
一方、明治時代の作家、翻訳家である黒岩涙香の山荘が発見される。そこには「いろは歌」に関する暗号が隠されたいた。主人公、暗号解読の猛者、研究者たちが難解な暗号に挑戦するのであった。
■きっと読みたくなるレビュー
こいつはすげぇ… 暗号ミステリーの名作ですね。
バケモノ感が満載、しかも楽しく読めて勉強になる、素晴らしい作品です。
まず本書の特徴としては、文学、ミステリー、いろは歌、囲碁や連珠など、様々なウンチクが盛りだくさんなんです。古いアナログゲームや文学の研究書を読んでるみたいなの。
暗号ミステリーは『黄金虫』や『踊る人形』あたりは有名で読んでますが、他の作品についてもいろいろ紹介がされていて、興味深く読ませていただきました。
また『五目並べ』は知ってはいますが、『連珠』なんて名称は知りませんよ。しかもこんな深いルールや歴史があったなんて勉強になるなぁ。そして昔の人はスゴイ。
最近話題にもなっているは『ウミガメのスープ』も登場します。今はデジタルゲームが主流ですが、アナログな遊びやゲームも、残り続けてほしいですね。
そして本書のメイン「いろは歌」ですよ。
マジかよ、おいっ!て内容で、もう驚愕でしかありません。天才なのか変態なのか、あまりのすばらしさにド肝を抜きます。しかも終盤に出てくる奴なんてね… もうなんも言えねぇっす
なお、物語としてもミステリーファンが納得する内容になっていますね。
少しずつ不穏な空気になり、ついにはクローズドサークルに…
特にお気に入りは、犯人の動機ですね。この作品だからこその動機で、すっかり感服しました。
■きっと共感できる書評
現代はAIの時代で、これからもどんどん発展していくでしょう。
チェスや将棋などの戦略ゲームの解析はもちろん、言語生成、画像や映像生成まですべて機械処理で可能です。
それは素晴らしく便利で画期的ではあるのですが、どんなに情報整理が巧みになっても得られないものがある。人生を豊かに生きるには、個々人の経験や体験に勝るものはありません。
いろは歌でも、囲碁でも、将棋でも、なんでも夢中になれることはホントに幸せですね。さて、今日も本を読もう。
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感想
言葉が織りなす世界。世界と言葉の関係はここにおいて逆転する。人は太古から遊戯を求め競い合う。迷宮の主人はミノタウロスではない。