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橋本治の遺書。
彼はこれで、この国の歴史を神話時代から現代にいたるまですべて書き終えた。方法は美術史であり、古典の翻訳であり、芸能論であり。戦後社会の解析は小説という形式だった。「桃尻娘」から50年。この仕事の山をたどり直すことをできる人は二度と出ないだろう。偉業といっていいと思う。小説の最後に「始まりの予感」を記していることに涙がこぼれた。冥福を祈る。
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62歳を筆頭に10歳ずつ異なる男たちのそれぞれの歩みに時代背景をあてがうことで近代の日本史を垣間見ることが出来る仕掛けになっている。まさに走馬灯みたいな感じで昭和から平成を見せてくれる労作小説ですね。物語性は希薄ですけど。
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自分は今50代後半だが、自分のこれまでと重ね合わせて感慨深い。生まれるのが10年、20年遅かったらかなりの確率でフリーターになっていたかもしれない。アベノミクスは低失業率を誇るが必ずしも質が高い雇用とは言えない。橋本治が亡くなった後も現代版「平家物語」は続いているのかもしれない。
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(買ってきて積んでおいたら、このタイミングで高3長女が先に読み始めた。いちおう現代史の勉強も兼ねているらしくあっというまに読了)
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10年づつ違う時代に生まれた5人の男性の人生のストーリーですが、この5人の名前が似ていて読み進めると誰か最年長なのかどの時代生まれだったか混乱してきます。さらにその主人公達の両親や祖父母の話しとなるともう、何が何だか状態ですが、橋本治の文体は素晴らしいです。難解な言葉は使わないが洗練されていて、お気に入りの作家です。
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特別じゃない人たち。
数十年間の社会を彼らの人生を通して見る。
自分に重なるところもありつつ読んだ。