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なんだかねえ~~
面白かったんだけど
ちょっと引っかかる
無理があるんじゃない
まあ人間のやることだから、そうかなあ
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読んでてとにかく辛い。
働きたい妻の、孤独感・罪悪感・無遠慮な周囲への反発。
ベビーシッターの女性の、社会的経済的な不安・惨めさ・非力感。
両方とももよくわかる。誰も悪くない。
女の辛さは世界どこも一緒か…
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「赤ん坊は死んだ」の衝撃的な一文で始まる。
誰から見ても完璧に思えたヌヌ(ベビーシッター)、ルイーズが預かっていた幼い2人を殺めてしまう。
かけ離れた世界だと思って読み進めていたが、ルイーズの過去や貧困問題、移民問題、孤独といった背景はいつでも私たちの生活に潜んでいる。決して他人事ではない。
母親は母親の、父親には父親の、それぞれの立場や悩み、葛藤も含まれていて苦しかった。結局自分が一番可愛いということかなと。
海外小説特有の読みにくさもあり、いつの間にか話が進んでいていつの間にか終わったような。
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帯に記載の書評文「スリムな短剣のような小説」という表現がまさにピッタリ。
書き出しは切っ先鋭く、その後一定のペースで徐々にずぶりずぶりと刺し込まれるような冷たい衝撃が全身に走る。
痛いんだけど読むのをやめられない。
ヌヌがチキンの骨を組み上げたシーンが余りに怖い。
1刷
2021.4.10
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フランス人とアルジェリア人の間に生まれた母とモロッコ人の父をもち、モロッコ生まれで、フランスに移住して活躍する作家・ジャーナリスト「レイラ・スリマニ」の長篇ミステリ作品『ヌヌ ― 完璧なベビーシッター(原題:Chanson douce)』を読みました。
「モーリス・ルブラン」、「オーギュスト・ル・ブルトン」、「ジュール・グラッセ」、「ジョルジュ・シムノン」に続き、フランス作家の作品です。
-----story-------------
パリ十区のこぢんまりしたアパルトマンで悲劇が起きた。
子守りと家事を任された“ヌヌ”である「ルイーズ」が、若き夫婦、「ミリアム」と「ポール」の幼い長女と長男を殺したのだ。
そして「ルイーズ」も後を追うように自殺を図り―。
子どもたちになつかれ、料理も掃除も手を抜かない完璧なヌヌに見えた「ルイーズ」がなぜ?
事件の奥底に潜んでいたものとは!?
2016年フランスのゴンクール賞を受賞した話題作。
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2016年(平成28年)に刊行され、フランス文学界で最も権威のあるゴンクール賞を受賞した作品… 雇い主から信頼され、仕事を完璧にやりこなすと評判だったヌヌ(乳母)が、なぜ罪を犯したのかということが明かされていく、日常に潜む不気味な心の闇を描いた心理サスペンスでしたね。
「赤ん坊は死んだ。ほんの数秒で事足りた」という、ショッキングで印象的な一文により始まるんですよねー ここで、作品の中に一気に引き込まれましたね、、、
その後、物語は、女性弁護士の「ミリアム・マッセ」と音響アシスタントの「ポール・マッセ」の夫婦が長女「ミラ」を授かり、次に長男の「アダム」が生まれ、「ミリアム」の仕事のためにヌヌとしては珍しい白人の「ルイーズ」を雇うと決めるところまで遡ります… そして、子どもたちに最大限の愛情を注いで世話をし、料理や家事まで完璧にこなしていた「ルイーズ」がなぜこのような凶行に及んだのかが解き明かされる展開。
「ミリアム」は「ルイーズ」にかけがえのない子どもたちを託し、深い孤独を抱えた「ルイーズ」は「ミリアム」に心の拠り所、住処、金銭を求め、お互いになくてはならない存在となっていく… しかし、「マッセ夫婦」とのボタンのかけ違いのような誤解の積み重ね、、、
都合の良い時はバカンスに同伴させたり、プレゼントをしたりしておきながら、実は「ルイーズ」の生活や暗い過去、孤独、不安等の内面には全く興味がない… 彼らの優しい親切心を装った残酷な無関心に、「ルイーズ」は絶対的な孤独、恥の感情、理由なき罪の意識に苛まされていき、「ルイーズ」が精神的に徐々に追い詰められていく。
印象的なプロローグに比べ、エピローグにはやや物足りなさを感じましたね… 本格ミステリー的な展開を期待していたからかな、、、
本作品、2012年(平成24年)にニューヨークでプエルトリコ人のベビーシッター(ヌヌ)が子供たちを惨殺したという実際の事件から発想を得た作品で、原題は『やさしい歌』という意味だそうです… 身近にあっても不思議じゃないテーマだし、人の気持ちって、とても複雑で難しいものだと改めて感じました。
以下、主な登場人物です。
「ミリアム・マッセ」
ミラとアダムの母親。弁護士
「ポール・マッセ」
ミリアムの夫。ミラとアダムの父親。音響アシスタント
「ミラ・マッセ」
マッセ家の長女
「アダム・マッセ」
マッセ家の長男
「ルイーズ」
ミラとアダムのヌヌ
「パスカル」
ミリアムの学生時代の友人。弁護士
「シルヴィ・マッセ」
ポールの母
「ステファニー」
ルイーズの娘
「ジャック」
ルイーズの夫
「ローズ・グリンベルグ」
マッセ家の隣人
「ワファ」
ルイーズのヌヌ仲間
「エルヴァ」
ワファがルイーズに紹介した男
「エクトール・ルヴィエ」
ルイーズが以前にヌヌとして世話した青年
「ベルトラン・アリザール」
ルイーズの家主
「ニーナ・ドルヴァル」
パリ警視庁の警部
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ヌヌの存在はしっている。
情熱的と言えるほどに頼っている雇い主家族が、
突然、見知らぬ使用人に態度を豹変させる。
そんなことも知っている。
なんらかの理由はあるのだろうけれど、それを突き詰めて、とことんまで話し合う、そんな義務はない。とっとと解雇すれば良い。二度と会うことのない世界の人なんだから。
ヌヌであるルイーズの気持ちが、瓶の蓋を閉めるように、ゆっくりとぎゅーっと、さらにぎゅーっとひねられるように感じた。もう絶対に開かない。締めすぎて、瓶の蓋がガラスの瓶を破壊するまで締め付けて、壊れてしまった。壊してしまった。
分かり合えない、分かりあう必要もない間柄の、人種の、文化の、生活圏の違う人同士。
こんなことは起きてしまう。
あなたの家でも。