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2015年に発売された「孤狼の血」の続編。
「孤狼の血」の事件から、約2年後と思われる平成2年の暴力団抗争事件を軸に、前作で大上を失い、所轄から駐在所へ「飛ばされた」日岡が「凶犬」となっていく様子を描く。
実は続編とは知らずに、読み始めた。すぐに広島が舞台の暴力団物と言うことで、続編であることには気づくが、正直前作のラストがどうにも頭に浮かばない。
この作品だけでも、十分楽しめるかもしれないが、前作をきちんと理解して読んだ方が、もっと楽しめたと思う。
内容自体は、最近、この作家さんの作品の傾向に多い、男同士の絆を扱ったもの。大きな事件が起こる訳ではないが、警察とヤクザと言う水と油の関係の中にも、お互いを信用する絆を丁寧に描いている。
「孤狼の血」を読み終わった時には、「こんな作品も描けるんだ」と思っていたが、今はすでにこの作家さんの代表的な作品傾向になっている気がする。個人的にはデビュー作ぐらいの頃の作品が好きなのだけれど…
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「孤狼の血」に続く物語。
暴力団と警察組織、双方の闇を腹に呑み込み殉職した大上巡査部長のノートを託された日岡は、警察組織に背いた結果、山奥の駐在所に飛ばされていた。
田舎で無為の日々を送っていた日岡の前に、かつての抗争事件で知己となった尾谷組の組長・一之瀬と、心和会傘下の北柴会の若頭で、指名手配犯の国光が現れる…
底が知れない大上と暴力団、警察組織の暗部を見つめるルーキー・日岡という物語から、「知っている」日岡から見た物語へと視点が変わることで、かなり違った印象があるが…
それでも、ヤクザにも警察にも義があり、野望があり…というヒリヒリした世界は続いている。
このあと、大上のノートを、日岡は使うのか?
続編がありそう。
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映画化もされた「孤狼の血」の続編。
山一抗争を題材にアウトローな警官と仁義を背負って生きる任侠ヤクザの交流を描く。
ドライな筆致は女性作家のものとは思えないほどシャープ。新作が出ることが一番楽しみな作家だ。
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内容(「BOOK」データベースより)
所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく…。警察VSヤクザの意地と誇りを賭けた、狂熱の物語。日本推理作家協会賞『孤狼の血』シリーズ最新刊!
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孤高の血の続編、大上の後輩の日岡が
田舎の駐在所に左遷され悶々ととした日々を
送っていた所に、新たなヤクザの抗争
が始まった。
日岡もまたその抗争に巻き込まれて
国光と言う器の広いヤクザに出会い、
抗争の件で隠れる事の片棒を担ぎ何とか
穏便に争いを止めようとする。
国光と兄弟の盃をついに交わし大上と
同じ道を辿る事になる。
この続編での日岡の変わり様は凄い。
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『孤狼の血』続編。田舎の駐在所に異動になった日岡。田舎ということもあり事件らしい事件はなく前作のような空気はない。だけど次第に重く張り詰めたものが漂いだす。前作では大上という悪徳警官がいたけれど、今作では日岡が少しずつ大上に近づいていく。ヤクザと懇意にしヤクザのために動くようになる。正義より仁義。そうした変化と、だけど変わらないもの。命を賭けて守っているものは何か。今作ではまだ終わりそうにない物語。日岡は堕ちていっているのか、もっと大きなものを掴もうとしているのか。今後が楽しみ。
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ガミさんの後を継いだ日岡巡査は、駐在のお巡りさんとなってしまう。女子高生祥子の家庭教師などし、慕われたりするなど、平穏な勤務を送っていた。そんな中、敵対する組長を殺害し、全国指名手配となっている国光を見つけた日岡は、刑事への返り咲きを目指す。しかし国光と話し、付き合いを深めるうちに、彼の心意気にほだされた日岡は、国光と杯を交わす仲となる。約束どおり国光に手錠を掛けた日岡は、ガミさん張りのマル暴となっていく。
国光が祥子のタレこみで発見され、日岡と一芝居打ち、手錠を掛けられるくだりが最も盛り上がる場面だ。
広島には未だにこんなヤクザも残っているのだろうか。
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『虎狼の血』の続編。正義より仁義が優先される世界。松坂桃李君の役者っぷりをイメージしながらの読書になってしまったけどストーリーがメッチャ面白いので問題なし。日岡役の松坂君をまた見たいし国光役は誰がやるのか楽しみで気になる。第3弾『暴虎の牙』も執筆されてるらしい。早く読みたい♪
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「孤狼の血」の続編。
前作で大上にみっちり仕込まれた日岡は、上司に逆らったことによる懲罰人事で広島県北の山あいの地に駐在として飛ばされている。その地に、暴力団抗争の火種であり指名手配犯である国光らが潜入していた。「まだやりとげなければならないことがある」という国光に男気を感じ、ことを成し遂げるまで隠避するという選択をする日岡。
日岡と国光の職務を超えた信頼関係。その結果、日岡は信じられない行動に出る・・・
前作よりももっと、ヤクザ目線に立った作品に仕上がっている。そのため、それでいいのか?という疑問もあるが、古き良き任侠の世界を見せてくれる国光にはどうも肩入れしてしまう。
正義と仁義。正義のために命を懸ける警察官と、仁義のために命を張るヤクザの物語は、今回も仁義偏重に終わった。警察は飲み込まれ気味(笑)
本作でも、プロローグが後になって効いてくる仕掛けになっていて、ラストあたりでグッとくる。
第3作ももう決まっているらしく、気になるが、柚月さんには佐方弁護士シリーズも新作を書いて欲しいところ。
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すごい喪失感。国光の人間の魅力が凄い。悪い人なのに。日岡も立派にガミさんの後を継いだけど、そこに仕立て上げたのは国光な気がする。極道の世界は本当に不便。近くにあったら困る。でもこの作品を読むと肩入れしたくなる。国光みたいなヤクザばかりじゃないし、国光だって違う視線から読めば極悪非道なのに。ガミさん、あの世でニヤニヤしてるんじゃないかしら。そして兄弟を失った日岡はどう動くんだろう。続編熱狂希望。祥子はまぁ、大人の世界には早すぎました。読んだーという達成感と驚きの喪失感。この世界にどっぷり浸れて幸せでした。
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『孤狼の血』の続編
日岡巡査は田舎の駐在所に左遷されるが、明石組組長 武田を殺し指名手配中の 義誠連合会 国光を見かける
国光は
『少し待ってくれ 時間がくれば 必ずあんたに手錠をはめてもらう。 約束する!』
と言い残し去っていく。
日岡と国光の友情! いやそれ以上か・・・
しかし、この国光は凄いな! 狂犬の眼も映画化されるらしいが、国光は誰が演じるのか楽しみです
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大上亡き後、日岡の物語。
『孤狼の血』のラストでは、たっぷりと大上の悪さを受け継いでいたような印象だった日岡だが、何故か中盤あたりまでは熱血漢。
なんとなく違和感を感じながら読んだが、中盤あたりからは大上のDNAをしっかりと受け継いだ男として描かれている。
『孤狼の血』があまりにも面白かったので、大上がいない今作は物足りなさは否めないが、それでも国光という、漢気溢れるなんとも魅力的なヤクザが登場する。
国光は敵対する組長を殺し、指名手配中のヤクザ。国光はやり残したことがあり、それが済めば日岡に手錠をかけさせると約束をする。駐在所に飛ばされている日岡はそれを足掛かりになんとか県警に戻ろうと画策するが・・・。
日岡が国光に手錠をかけるシーンは胸が熱くなる。どうか国光には生きていて欲しいと願わずにはいられない。
柚月さん、続編を強く希望します!そして、出来ればガミさんが生きている頃の物語をもう一度描いてください!
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何とも熱い、仁義に生きる男の話。なぜ女性作家がこれを描けるのか不思議。まだ続くのか、出来れば続けてもらいたいが。
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図書館で。面白くて寝る間も惜しんで読了。『正義と仁義』大上を亡くして、今回、国光に会った日岡。何が悪で何が善なのか、このシリーズを読んでいると深く考えてしまう。国光に惚れ込んで(信じて?)いた日岡を、そして国光を応援しながら。この先の日岡の物語も読んでみたいな。
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映画を観て原作読んで、勢いで次作狂犬の眼を購入。ガミさんが出てこないのはとても物足りなかったけど、日岡が頑張ってた。やくざの世界、仁義、面白かった。