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ただのセルフビルド日記ではなかった
意外にも建築を真摯に考え出された答えが蟻鱒鳶ルだった
建築に対する深い考察から裏打ちされたセルフビルド
建築を学んだ者としてはほんとに羨ましい
あと沢田マンションの沢田夫妻との邂逅が素晴らしい
建築の業の深さを感じる一冊
ぜひ蟻鱒鳶ル見に行きたい
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自力でビルを建てている男の自伝的記録。
現場で生まれてくるデザインを形にする「即興の建築」には鉄筋コンクリートが適しているのだという。設計と施工が分断されてしまった現代の建築では作る楽しみが生まれて来ない、と人の手を借りながら自力で少しずつ作っている。自分が作るものに自分のすべてをこめようとしている。
文章はわかりやすいし、著者の行動から溢れるパワーを感じられる本だった。
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自力で鉄筋コンクリートの自宅を建てる、いや、建て続けている男が書いた本、っていうんでもっと狂気的なものかと思いきや、これかもう本気で本気の本だったよ。
コンクリートのプロだし建築のプロだし、いやはやすごいな、蟻鱒鳶ル。建ってしまう前に見にいきたいね。
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この本の面白さは、
①「蟻鱒鳶ル」というプロジェクトを通して、今まで知らなかったコンクリートの話や建築の裏話を知れること。
②『岡啓輔さんが、いかにして「蟻鱒鳶ル」を建てるに至ったか』のストーリーを通して、現在の建築業界の問題点や向かうべき未来についての一つの考え方を知れること。
以上の2つにあると感じました。
①に関しては、建物の作り方やそもそもコンクリートがどういう物質なのかなど、知らないことだらけだったので、非常に興味深く読むことができました。
一方で少し引っかかったのは、読み進めていくにつれて、「蟻鱒鳶ルがどれだけ素晴らしいか、正しいことをやっているか」を、ただ躍起になって証明しようとしているだけのように感じられてしまったことです。
特に前半は、岡さんのことも建築現場の現状のこともよく知らないままに「蟻鱒鳶ル」の素晴らしさが語られていくので、なんだか結論ありきの文章を読まされているようで、違和感を感じました。
後半になるにつれて、岡さん自身や現場の状況が説明されていき、「蟻鱒鳶ル」が何を象徴しているのかを理解できるようになり、前半の疑問はだいぶ解消されますが・・・違和感を持ったまま後半まで読み進めるのは、かなりモヤモヤした読書体験でした。
②で描かれる岡さんの考え方に関しては、共感できる部分もあったのですが、理解しづらい部分も多くありました。
なぜ理解しにくいかと言うと、ひとえに「語り方」というか、「文章の書き方」のような気もします。
例えば、前半に出てくるローマのパンテノンのくだりなど、論理が飛躍してるにも関わらず、自分で勝手に納得して決めつけているような文章がチラホラあるため、共感しづらかったし、考え方が狭い人間のように感じられるので、もったいない部分だと思いました。
同様に、紋切り型の「スーツ姿の会社員」批判とかには、辟易しました。スーツの人間を皆一様に「生気がない」と評するその姿勢こそが、現実の人間をきちんと見ようとしない、一人一人の思いとか独自性を理解しない狭い了見だと感じました。
また、さんざん「建築オタク」だという割に、「海外旅行には興味なかった」という描写が出てきたりしました。建築オタクなら、海外の建築をその目で見たいと感じるのが普通なんじゃないか、と思います。
同様に、「影響を受けやすいから勧められた建築を見ないようにしていた」という描写にも同じことを感じました。
書いてあることと実際の行動が一致していないので、「岡さんという人間が信頼できる人なのかよくわからない」という思いを抱き、そのまま本が進行していくため、やっぱりモヤモヤしながら読み進めていくことになりました。
もう少し、住宅メーカーで働いていた頃や高山建築学校で学んでいた頃に「具体的にどう葛藤し、その都度どう乗り越えていったのか」というエピソードがあれば、岡さんがどんな人間なのか理解することができ、共感しやすくなったのではないかと思います。
そんなこんなで後半まで読み進めたところで、にわかに「本としてグッと��白くなった」と感じられようになりました。それは、「建築は消耗品なのか?」という問題提起の章になってからです。
岡さんが抱く問題意識の根幹が描かれていて共感できるし、問題の根本にある原因にも触れていて、納得感もありました。建築現場での現実の話も、そこでの経験が岡さんの理念につながっていることが分かりやすく感じられ、前半に語られた「蟻鱒鳶ル」の存在意義を理解しやすくなりました。ここに来てようやく、モヤモヤした気持ちが晴れていくのが感じられました。
文章自体も、後半になるに従って、素直な文章になっていくというか、自分を大きく見せようという意識がなくなってるように感じられ、どんどん面白くなっていきました。
ただ、最後の最後、幼少期の「バベルの塔」の思い出のところで、また共感しづらいエピソードが出てきてしまったのが残念でした。そのエピソードを、本の中の前半で取り上げていれば、「一つの道筋として繋がった」という感動が生まれたかもしれませんが、唐突に出てくるだけなので、後出しジャンケン感が否めません。紋切り型の会社員批判が最後にまた出てくるのも残念。
「最後の締まりはちょっと悪いな」と思いつつ、全体として語られていること自体はとても面白いです。文章の書き方や、本自体の構成をもう少しブラッシュアップすることで、より広く深く理解される作品になったのではないかと思います。
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最近建築とセルフビルドに興味があって、そんな中見つけた一冊、手に取って2時間半、面白く一気に読了してしまいました!
前にタモリ倶楽部でやってたのを見たのですが、改めてすごいなあと。読んでてワクワクしてきました。コンクリートについても色々知見を得られ、なるほどと思いました。三田という土地がまた、このビルにマッチってるなって思いました。
家族で一生懸命頑張ってやっと手に入れた土地、再開発か何かの妨害に負けず是非完成させて欲しい!そして200年残るアーキテクチャーになってほしいなと思ってます。
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<目次>
序章 坂の上のバベル
第1章 激闘!セルフビルド
第2章 人がつくる魔法の石
第3章 即興の建築
第4章 夢のはじまり
第5章 船出の日
第6章 建築武者修行
第7章 悲しい現実
第8章 絶望からの大どんでん返し
第9章 単純な真実
終章 世界を変える建築
<内容>
東京の三田にセルフビルドでビルを建てている人の話。私は文中にも出てくる「タモリ倶楽部」で知った。そして、その数年後建物の前を通ったが、その日は施工していなかった。本は、著者の半生記であり、コンクリート建築の夢を語り、現実の建築業界の闇を記している。さらにこの本の出版期には地域の再開発にひっかった話で終わっている。今も建物は建てかけであるようだが、どうなっているのか?気になるし、確かに地震国日本で、強いはずのコンクリート建築の耐用年数を30年に設定し、そのレベルで立ててしまう「効率性」に疑いを持つべきだろう。
逗子市立図書館
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こだわりが強すぎて読んでて胃もたれを起こした
面白くないことないけど
しっかり時間を設けて一気に読んでも
情報量が多すぎて処理しきれない感じ
片手間で読んでたらダメなやつ
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21世紀美術館で蟻鱒鳶ルの原寸展示を見た時の衝撃は今でも鮮明に覚えている。
あの展示に影響されて建築の道に進むことを決めた。
理想と現実のギャップが辛くて悔しくて、八つ当たりみたいに蟻鱒鳶ルのことを避けていた気がする。
やっと余裕ができ始めて?自分を変えようとするエネルギーが出てきたので、この機会に読んでみようと思った。
岡さんの建築に対する情熱が伝わってきて、うっとなりつつも読了。文字通り「設計施工全部俺」を実現す
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蟻鱒鳶ルや岡さんのことはこの本で始めて知りましたが、すごいエネルギーを感じる人だな、と。自分一人でビルの設計施工、10年以上経っても継続中と、これだけ見ると狂気としか思えない。ただ、本の中から感じるのはそれとは真逆の意思とか希望とか、プラスの印象ばかり。なんて人だろうか。
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Almost alright の言葉が凄く刺さって、動かす手と世界が繋がっているもどかしさと強さを感じました。
建築が今とても大切だと言われている中で、苦しみながら楽しみながら動き続けていて、グッと来ましました。
中身としては、RCコンクリートの話を丁寧にそして興味深く綴られており、何が課題なのか、その可能性がすごくわかりやすかったです。
つまりはホームセンターに行って材料を手に入れて、コンクリをこねたい!という気持ちにさせてくれます。
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自分だけで鉄筋コンクリートビルを建てようとする人とは一体どんな人なのかと思って手に取った。
やはりというか、とにかく熱い!そしてポンコツな部分も隠さず語り切ってるので信用ができる人ですね。
でも自分は多分こういう人とは合わないだろうな、とも思う。素養が無いんですよね‥