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ブルーオーシャン戦略を読了し、続けて理解を深めるために読んだ。全書の要点を再度説明しつつ、ブルーオーシャンシフトの5つのステップの解説に重点を置いて述べられている。実際にBO戦略に着手する際に、本書の手法に沿って実践することで、スムーズにBO戦略を実行できるように思える。
【メモ】
・ブルーオーシャンシフトとは、マイケルポーター「生産性フロンティア」を右上方向シフトさせ、差別化と低コストの両方を追求すること
・アイデアや変革努力がいかに創造的であっても、「人をどう動かすか」という問題に対処しない限り、ブルーオーシャンへの移行は果しえない
・BOSを成功へと導く3つの鍵
1.BOの視点を取り入れて視野を広げ、事業機会の所在についての考え方を改める
2.商業的にうまみのある新製品や新サービスを開発し新市場を開拓するための、実用的なツールと適切な指針を持つこと
3.人間中心のプロセスを持つこと
・市場創造を破壊的創造や錯乱と同一視、イノベーションの問題とするのは間違っている面もある。ブルーオーシャンは新市場を創造する。
・サイバーセキュリティ、肥満、生涯教育、仮想現実、医療サービスの分野は非錯乱的創造の新しい機会に満ちている
・技術イノベーターは技術の卵を産むが、孵化させて商業的な成功へ導くかに重点を置くべき。技術イノベーションのバリュー・イノベーションへの転換
・グラミン銀行、スターバックス、イラク国立ユース管弦楽団は最先端技術をほとんど用いずに新規市場を創造した。買い手に愛される理由は技術ではなく、シンプルさ・使いやすさ・楽しさ・優れた効果である
・業界成長期は、既存顧客に重点を置くが、需要が停滞した際はそれが逆に足枷になる。業界外に新規需要を開拓する機会があってもそちらに目が向かなくなってしまう。
◆適切なツールと指針
Step1:準備に取り掛かる
・PMSマップ(パイオニア、安住者、移行者)で実現可能性が高い分野に重点を置く
・BOSにふさわしいチーム(各事業ユニットの責任者含む)10~15人を築く
Step2:現状を知る
・戦略キャンバス(テンプレートあり)で競争要因や重点対象、顧客価値、主力企業の戦略を図表に表す
・戦略転換の必要性を悟り、合意に至る
Step3:目的地を思い描く
・買い手の効用マップ(テンプレあり)で顧客経験全体を通しての苦痛や不安をあぶりだす。
・非顧客層の3つのグループで開拓可能な需要全体を把握する
Step4:目的地への道筋を見つける
・6つのパス(代替業界に学ぶ、業界内の他の戦略グループ、別の買い手グループ、補完財、機能志向と感性思考の切り替え、外部トレンドの形成に加わる)で市場の境界を引き直す
・4つのアクション(取り除く、減らす、創造する、増やす)でBO施策を考案する
Step5:戦略を絞り込み実行に移す
・ブルーオーシャン見本市を開催し、どの施策を実行に移すかを決める
・自社と顧客の両方に恩恵をもたらすビジネスモデルを構築
・製品やサービスを市場に投入し、展開していく
・市場シェアは遅行指標。映し出すのは将来ではなく過去の実績。
・市場シェアと業界の魅力度に代えて、「価値」と「イノベーション」に着目する
・財務部門を味方につけるには、最初から財務スタッフをチームに加えておく
・相談相手にふさわしい人物は、社内情勢に詳しく、社内政治に熟達している。サポーター、妨害者、支援者の目星がついている、人望の厚い部内者。
・取り組みで明らかになった知見は幹部層への報告を徹底する。期待内容を明快にして、突拍子もない期待を持たれるのを防ぐ。
・現場調査のルール。現場に飛び込んで自ら購入者と同じ経験をする
・ブルーオーシャン戦略の実践者は「非顧客第一」がスローガン。非顧客層向けに新しい効用を引き出すこと
・自社製品に備わっていないが、業界では特に新しくない要素を「創造」対象にする罠に陥る例もある
・却下されるアイデアは、①アイデアは優れているのに込み入ったちぐはぐな説明で価値を判断できない②一見素晴らしいアイデアも差別化のための差別化を目指しており、顧客価値を高めるものではなく、利益提案に欠ける
・うまく説明するのに5分以上かかるような戦略は複雑すぎるか、平凡すぎて長所が無い
・人間中心の手法とするため、尊厳を重んじる肩書を用いる
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「ブルーオーシャン戦略」の実行法をまとめたもの。
・ブルー・オーシャン・シフト実行の三つのき基本手法
・業界の長年の懸案を打開する解決策を示す
・業界の長年の懸案を再定義したうえで解決する
・真新しい問題を見つけて解決するか、真新しい事業機会を掴み取る
・市場創造を成功させるために重視すべきは、技術イノベーションそれ自体ではなく、買い手にとっての価値を飛躍的に増大させることなのだ。
・実のところ、優れた市場創造戦略は往々にして、技術的イノベーションには全く頼らない。
・ブルー・オーシャン戦略家は、買い手にとっての価値を飛躍的に高め、価値とコストのトレードオフを打ち破るために、何を増やしたり創造したりするかだけでなく、何を減らしたり取り除いたりするかも同様に重視する。
・ブルー・オーシャンの創造に乗り出すに当たっては、必ず「何から始めるか」が問題になる。「まずは対象を絞りこむことから」が答えである。つまり、どの事業または製品・サービスに挑むかを見極めるのだ。
・結局のところ、業界とは創り出すものである。心躍る何かやイノベーションを実践すれば、業界に活気が溢れる。
・PMSマップの三つのセグメント
・パイオニア(pioneer):バリュー・イノベーションを体現する事業や製品・サービスを指し、その購入者や利用者は顧客ではなく愛好者と呼ぶにふさわしい。かつてない素晴らしい価値を提供し、新たな価値コスト・フロンティアを開拓する、ポートフォリオ刷新のカギを握る存在である。戦略は競合他社と一線を画し、利益を伴う力強い成長が見込まれる。
・安住者(settler):パイオニアの対極をなし、顧客にもたらす価値は二番煎じによるものである。製品や価格を少しずつ変える競争手法を取り、戦略は同業他社と横並びである。業界自体が成長し利益を上げていない限り、大きな成長は見込めない。
・移行者(migrator):パイオニアと安住者の間に位置する。競合他社よりも優れた価値を提供し、業界内で最高水準かもしれないが、「革新的」と呼べるほどではない。
・ブルー・オーシャン・シフトの取り組みに参画して、新しい価値コスト・フロンティアの扉を開くアイデアの素晴らしさを目の当たりにしない限り、人々はそのアイデアをいとも簡単に的外れだと無視し、有効性を否定する。そして、業界のいわゆる「最良の慣行」に反するとして拒否してしまう。たとえ、そのベストプラクティスが時代遅れか、まったくとんでもないものであったとしてもである。
・競争要因としてのブランド
しかし、ほとんどの場合、ブランドは戦略プロフィール―つまり購入者や利用者に何をもたらすか―によって左右される。…要するにブランドとは、事業活動の結果であり、独立要因ではない。
ブランドを手がかりに競争要因を掘り下げるなら、ブランドが顧客にもたらす魅力的な要素は何かを探るとよい。…チームが「ブランドのもたらす価値」と見なすものの根源を探り当てるには、自社の製品やサービスを顧客が購入する理由の上位三つを、メンバーに考えてもらうとよい��
・顧客経験の六つのステージ
購入、納品、仕様、併用(製品を使う際に必要となる他の製品やサービスとの併用)、保守管理、廃棄
・効用を生み出す六つのテコ
顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リスク低減、楽しさや好ましいイメージ、環境への優し
・現場調査のルール:購入者と同じ経験をする
現場に赴く際には可能な限り、みずから顧客の立場になるか、既存顧客の家庭や職場での様子を観察するかして、顧客経験のサイクル全体を通してどのような苦痛や困難が生じるかを注意深く記録するよう、強く勧める。
・もし、ブルー・オーシャン・チームが引き出した知見を幹部層が軽視しているようなら、一般の顧客が経験している苦痛を懐疑派にその目で見てもらう機会を、忘れずに設けよう。
・非顧客層の3つのグループ
潜在的な需要全体≠関数(業界の既存顧客)であり、むしろ
潜在的な需要全体=関数(業界の既存顧客+非顧客層の第一グループ+同第二グループ+同第三グループ)
第一グループ:潜在的な非顧客層
第二グループ:断固たる非顧客層
第三グループ:未開拓の非顧客層
・業界の非顧客層
?業界の縁にいて、仕方なく製品を使っているか、使用を最小限にとどめているのは、どのような人々だろう。
?この業界の製品やサービスを検討した結果、あえて背を向け、別の業界の製品やサービスによってニーズを満たすか、完全に諦めてしまったのは、どのような人々だろう。
?この業界が提供する効用から大きな恩恵を受けるが、現状の提供形態がふさわしくない、あるいは価格が高すぎるといった理由により、購入を考えたことすらないのは、どのような人々だろう。
・新たな価値コスト・フロンティアを開拓するための6つのパス
パス1:代替業界に学ぶ
同業他社に着目する→代替業界に学ぶ
パス2:業界内のほかの戦略グループから学ぶ
戦略グループ内における競争上のポジションに焦点を当てる→自分達の業界ないしターゲットとする業界の戦略グループを見渡す
パス3:別の買い手グループに目を向ける
業界の既存の買い手グループに焦点を当てる→複数の買い手グループを見渡して、業界の買い手グループを再定義する。
パス4:補完財や補完サービスを見渡す
業界が定義する製品やサービスの価値をもとに、その最大化に焦点を当てる→顧客が求めるトータル・ソリューションを見渡して、製品やサービスの価値を増減させる補完財や補完サービスについて理解する
パス5:機能志向と感性志向を切り替える
業界の機能志向ないし感性志向の枠内で費用対効果を高めることに焦点を当てる→自業界ないしターゲット業界の機能志向/感性志向を問い直す
パス6:外部トレンドの形成に加わる
外部トレンドへの適応に焦点を当てる→自業界やターゲット業界に間違いなく影響を及ぼす外部トレンドの形成に加わる
・ブルー・オーシャンの開拓機会 4つのアクション
業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か
業界標準と比べて大胆に減らすべき要素は何か
業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
業界でこれまで提供されていない、今後創造すべき要素は何か
・ブルー・オーシャン戦略案のプレゼンテーション
時間制限は5分
・製品を説明する
・理想の戦略キャンバスを紹介する
・ERRCグリッドを説明する
・顧客にとっての効用を簡潔に紹介する
・自社にとっての経済的便益をおおまかに説明する
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わかったようなわからないような
なんかとても恣意的な感じもするけど、実務の上ではそれでいいんだろうな
この本の通りに進めてみると発見はありそう
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初読なら「ブルーオーシャン戦略」で内容カバーできる。新しい内容は含まない。
・前著の反響でできた誤解を解く
(創造的破壊との違いなど)
・経営層へのメッセージ
・実践企業の成功例