投稿元:
レビューを見る
環境建築分野、とりわけ、こどもの成育環境の研究・デザインに心血を注ぎ、多くの実績を残してきた筆者。「あそびは総合的な学習」であり、あそびを通して創造性、身体性、社会性、感性が開発され育まれる。
現代は物と情報にあふれているが、結果、ITメディアでのあそびに時間を費やすことで自然との触れあいと独創的なあそびの機会が減少し、自動車やベビーカーによるライド中心の生活が体力低下を招き、高層集合住宅により日常生活が地上から切り離されていく。
こどもの成育環境を「空間」、「時間」、「方法」、「コミュニティ」の要素に分類し、劣化しつつあるそれらを改善することをテーマにまとめられている。
建築的な視点にとどまらず、様々なデータをもとに解説と提案がなされている。自分自身がこどもだったころの生活様式を振り返りながら読むことをお勧めしたい。
投稿元:
レビューを見る
こどもを育む環境、蝕む環境。仙田満先生の著書。こどもたちを取り巻く成育環境は年々目まぐるしく変わっている。成育環境の一部は良い方向に変わっているけれど、成育環境の一部は悪い方向にも変わっている。良い環境は残して、悪い環境は変えていく、そうすることでこどもたちの成育にとってより良い環境を整えることが、社会全体を良くすることに直結するはず。
投稿元:
レビューを見る
こどもを持っても、日々の選択の中で気がつくと大人の視点を優先していることに気がつく。家をリフォームするとき床は安価の塩ビでも問題ないと思い選択したがこの本を読み終えた時、とても失敗したなと思ってしまった。
実家で子供が畳の上で楽しそうに遊んでいると安心してみていられるが、自分の家では転倒したときに大怪我に繋がるのではと思い気が気じゃない。
本の中では、こどもにとって何が大切かが丁寧に書かれており、少し意識するだけでこどもの健やか成長につながると思う。
とても考えさせられる本でした。
投稿元:
レビューを見る
現代は子どもの不安要因が多すぎる。(昔は)遊びほうけられる環境があった。こどもを閉じこもらせない、追い詰めない空間や環境、子供を解放する時間、空間、コミュニティ、生活方法といった生育環境を早急に整える必要がある。
自然の変化や、美しさ、それを体験した感じを絵や造形にして表現することで、子供はより美しく、その感動を反芻する。ものを作ることを積み重ね、子ども自身がそれを表現し、制作する機会が極めて重要(はくぶつかんの活動として)。
子供は本を読む!テレビは受動的。
子供にとって床がものすごく重要。0.5mあたりの温度が子供には重要。夏場の熱中症など。
子供と光。200lx。子供と空気質。現代はうるさい(機械音など)。残響時間0.6秒以下にするのが望ましい。うるさいとコミュニケーションが取りづらくなる。1歳児の保育室。明確に空間を分離するのも一つの方法。
学童保育にあるたまご型の机の存在。お互いに教え合う。先生は声を掛ける。
子どもの皮膚は薄くて繊細。子供は行動探索の中で、触りまくりながら、感触を楽しみながら、認識していく。南洋材は雨に強く腐りに強い。乳幼児の皮膚に、棘が刺さる。子供はなんでも触り、なんでも口に入れる。時代にスキンシップがあると精神的に落ち着くが、そうでないと攻撃的になるとも言われている。
学習意欲の低下。バリバリ勉強したいという生徒が減っている。目標達成型の学びではなく、目標探求型の学習に転換。すなわち、何かを実現するための学びではなく、それ自体が喜びであるような学び。労働への準備ではなく、意味あるせいを生きるための教育。測定結果としての学力ではなく、生きたプロセスとしての学力。興味をもつ、やってみる、解いてみる、成功!という三つの段階を繰り返すことが重要ではないのか?
投稿元:
レビューを見る
学術的な視点でこどもと環境について説明されています。専門家から見た社会全体についての話がメインなので私の興味とはちょっとずれてた。