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著者の本は気になりながら結局読んでこなかった。うちの両親と同じ米寿ということだが、ここらで「~~の」つきではない社会学の本を書いたとのことだ。書店で偶然見つけてこれはと思って購入した。社会学とは世間話のことだという。その土地土地で、それぞれの文化の中で語られるものである。したがって、外国の社会学者が書いたものの翻訳を紹介しているだけでは、日本で社会学を学んだということにはならない。フィールドワークが重要だということ。普遍性や再現性があるわけでもなく、科学とは呼べないとまでおっしゃる。そうやって考えると、歴史だって、人類学だって、地球科学でさえ、一回性のものであり、いわゆる科学とは呼べないのかもしれない。もっとも、最近では、複雑系の科学として科学のなかまに入れられるのかもしれない。ひところはやりの「自分探し」は、したところで、ラッキョウの皮むきといっしょで、しんは何も残らない。あなたのアイデンティティは何ですかと質問されたとき、そんなものないですと答えればよかったのかもしれない。まあしかし、会社員として、先生として生徒に対して・保護者に対して、校長として、夫として、父親として、米寿の両親の息子として、あるいは電車の中で、スーパーの中で、勉強会の中で、それぞれの場面でそれぞれの役を演じている。それらすべての総体として自分がいるわけで、それらのしんになるものがあると考えなくてもいいのかもしれない。紹介されている英語の本はともかく、宮本常一だけは読まないといけない。
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この著者の本を初めて読んだのは、高校生の頃、40年くらい前。感化され、社会学部を受験し(落ちた)、アルバイトも社会に接したフィールドワークをし、就職も広告代理店に入り、世間のインサイトを探る仕事をしている。全てはこの人の本が始まりだったか。社会学という物を世間を研究する学問と捉え、わかりやすく解説。現社会学者への批判もあるが、第一人者として言うべきことは行っておこうという姿勢か。良書
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社会学ってどういう学問なんですか? 組織、コミュニケーション等のキーワードを切り口に、世の中の仕組みをよりよく知る方法を伝授
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読みやすいが非常に奥深い社会論。大学で社会学を専攻したが、50歳を手前にもう一度学び直し、考え直してみようかと思った。そんな良ききっかけとなってくれそうな本であると感じた。
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エッセーのような読みやすさの中にも奥深い内容がある一冊。社会学に縁のなかった自分でも楽しんで読み進められた。
集団・コミニュケーション・組織など身近なキーワードから社会の仕組みや生き方をユーモアを交えつつ解説されている。「社会学=世間話」という著者のコンセプト通り知的好奇心をくすぐるような世間話に触れられる良書。
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おっしゃられる通り。「“社会学”などという学問領域は広くて、抽象的過ぎやしないか。」といつも思っていた。
この本も、やはりそこに限界かある。〈わたしと世間〉という副題をつけているけれども、200ページという新書枠での解説では、切り込みは弱く心を揺さぶるものも、頭がクラクラすものも、目から鱗が落ちるものも描けない。
ただ、「なるほど」といった感じが漂ってしまう。
今こうやって、レビューを書くために、ページをめくっていると、ところどころに興味が惹かれた痕跡が目に飛び込んでくるが、やはりサラッと浅く清らかだ。
ちょっと辛口コメントになってしまったが、良くある普通の本である。読む人によっては良い本になるが、わたしのような捻くれた人間が手にとってしまったことがいけない。そうは言っても全部読みとおしたということはそうさせるものがあったのだろう。(普段はうっちゃってしまう)
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著者の旺盛な好奇心と「へそ曲がり」度には脱帽。軽いエッセイのような語り口で、「社会」あらため「世間」を説いている。翻訳社会学あるいはその解説(それはそれで意義深いと思うが)とはかなり違う。多くの読者に拡散希望。今年の収穫の一冊。
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社会学とはいわゆる世間話のことらしい。
生き生きとした語り口で面白かった。著者が88歳と知ってちょっと驚く。
外国の偉い学者がどう言ったとか、そういう話ではなくて自分の感性を基準にして研究をすることは、どの分野でも大事な事なんだなと思う。
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「社会学」ってつまるところ何だろう?と長年モヤモヤしていたものが、「世間についての学問なんだよ」と、更には「学問」であると同時に「文学」でもある、と言ってもらえたことでスッキリしました。
宮本常一の「土佐源氏」の異常なまでの迫力は、それが誰でもないその一個人の一世間を見事に浮き彫りにしてあるから、そしてその世間があまりにワンアンドオンリーだったからなのですね。
たくさん推薦図書がついてて嬉しい。もっと世間について知ろう。
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社会学とは?を論じた本。社会学とは「世間」についての学問であり、複雑化する現代社会において抽象的である「社会」を正確に理解するのは難しい。筆者は身の回りの社会的な事例を取り上げて、初心者向けに説明している。
入門書?とはいえ、理解するのは結構難しかった。まだ奥深さを理解できていない気がするから改めて読みなおしたい。
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「科学」でなくてもかまわない。数値は気にしない。その潔さは、長年の研究者としての生き方の反映か。とても快い。
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著者が高齢なので、文体や話題に時代錯誤を感じるが、仲間や世間についての分析は簡潔で共感できる部分もある。
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本の紹介動画;
https://www.youtube.com/watch?v=N_uyRVtln1I
関連動画;
https://www.youtube.com/watch?v=cwnatDaCj1w
内容(「BOOK」データベースより)
一五〇年前に充てた安易な訳語のせいで、抽象的で理解しにくい「社会」と「社会学」。だが、社会とは私たちを取りまく身近な世間のことにほかならない。本書では、集団、コミュニケーション、組織、自我などのキーワードを切り口に、世の中の仕組みをよりよく知るこの学問の本質、方法を述べる。半世紀以上にわたり研究を続けてきた碩学による社会学入門にして、知的好奇心を持ちつづけ、人生を楽しむためのヒント。
著者について
1930年(昭和5年)、東京に生まれる。東京商科大学(現一橋大学)卒業。京都大学人文科学研究所助手、京都大学教育学部助教授、学習院大学教授、国際交流基金日本語国際センター所長、日本育英会会長などを歴任。社会学博士。著書に『加藤秀俊著作集』(全12巻、中央公論社)、『整理学』『取材学』『なんのための日本語』(以上、中公新書)、『メディアの発生』『メディアの展開』(以上、中央公論新社)、『隠居学』『続・隠居学』(以上、講談社)ほか。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
加藤秀俊
1930年(昭和5年)、東京都に生まれる。東京商科大学(現一橋大学)卒業。シカゴ大学大学院修了。京都大学人文科学研究所助手、京都大学教育学部助教授、学習院大学教授、国際交流基金日本語国際センター所長、日本育英会会長などを歴任。社会学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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社会学とはなんぞや、社会学的な思考やアプローチを期待したが、社会学者による随筆、という趣き。これはこれで、アリなんだろうが、期待値とのギャップで、読みづらさを感じた、