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「来年、みんなが勘違いをしないようにしないといけないと思いました。負けて悔しいとか、惜しかったな、もっとこうやりたかったとか、そんな感情よりも先に出てきたのは来年のことでした」
2017年11月4日。
日本シリーズに敗れた瞬間、横浜DeNAベイスターズのキャプテン筒香嘉智はこう考えたのだという。
万年Bクラスの球団がポストシーズンで大健闘した。よくやった。次は優勝だ。
皆そう思っていた。
だが彼は冷静に、その先の先を見据えていた。
キャプテンとして誰よりもチームのために行動する彼は、その思いをこう表現する。
「常に矢印は外に向けていますね」
「あのDVD(2017年のシーズンドキュメント『FOR REAL』)のなかでチームのことを語ったのはパットンと監督だけ。びっくりするくらいに、みんな自分のことしか言ってなかった。それは自分にしか矢印が向いていないからでしょう」
仏典に「人のために明かりを灯してあげれば、自分の目の前が明るくなる」とある。
指揮官やキャプテンだけが「明かりを灯す人」であってはならない。
人の思いは通じ合う。
皆が互いを思い合い、矢印を外に向けていったときに、人は成長し、想像もつかないような力を発揮していくことができる。
監督、選手、スタッフ、そして熱き声援を送る我々ファン。
みんながファミリーだ。
頂点を目指しての戦いが、いよいよ始まる。