紙の本
ミステリー作家の皮肉とユーモア溢れた日常
2018/07/08 15:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもとても面白かった!予想以上に主人公の性格がツボに入ってしまってたまらなかった。
物事を常に静かに冷静に、時に不本意ながら我慢強く対処している姿に、我知らず「フヘッ!」と気の抜けた笑いを禁じえず。じわじわ染み入る愉快な気持ちにしみじみ読書の醍醐味を満喫しました。
どのお話しもとても気に入っていますが、特にいいなあと思ったのは、タクシー運転手に対する謎解きのラスト。
改めてですが、上質で上品なミステリがこんなにも魅力的だとは…!ああ、本当に楽しかった!またシャンクスの活躍が読みたいです!続編切望いたします!
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タイトルが本当に秀逸だと思うけど、正に日曜の午後にちょっと一息ついて、お茶など飲みながら読みたい感じ。ミステリ作家のレオポルド・ロングシャンクスを主人公にした連作短編集。殺人事件もあるけれど、読み終わった後に嫌な気持ちが残ったりしない。14編あるので、忙しい合間に少しずつ楽しめます。
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50代のミステリ作家シャンクス。
恐ろしい事件が起きるわけではなく、日常の謎解きです。
とても力の抜けるいい感じです。
夫婦共に小粋です。
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翻訳者の持ち込みによって出版された短編集。ミステリ作家の主人公は少しばかり皮肉屋で、読んでて「作家ってみんなこんな感じなの?」と苦笑してしまいました。どの短編も後味良く、楽しく読むことが出来ました。
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最初の1-2篇を読むと意外性が足りない気がするが、読み進むにつれ、控えめなユーモアとそこはかとない品のよさを感じるようになる。
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本書の主人公・シャンクスはミステリ作家。
ロマンス小説家の妻に持ち,結婚して二十余年という中年の作家夫婦である。
そんなシャンクスのモットーは次の通り。
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」
シャンクスはミステリ作家であって,探偵ではない。
それなのに事件の話を少し聞いては,たちまち謎を解き明かしてしまう。
ユーモアと知性のあふれる作家夫婦のやりとりも読んでいて心地いい。
そんな軽妙な味わいの物語が詰まった短編集です。
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作家が探偵になる(わたしは探偵ではないといいながら)日常の謎系の連作短編集。ユーモアたっぷりでほのぼのしてて、でも作品によっては殺人もあったりして、ミステリらしさもたっぷり。とても読みごごちがよかった。
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【収録作品】シャンクス、昼食につきあう/シャンクスはバーにいる/シャンクス、ハリウッドに行く/シャンクス、強盗にあう/シャンクス、物色してまわる/シャンクス、殺される/シャンクスの手口/シャンクスの怪談/シャンクスの牝馬/シャンクスの記憶/シャンクス、スピーチをする/シャンクス、タクシーに乗る/シャンクスは電話を切らない/
シャンクス、悪党になる
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ミステリ作家が事件に出会ったらというシチュエーションでの短編集。
シャンクスが偏屈で頭が良くて皮肉屋で楽しい。
そしてミステリ要素満載で、短編なのに気を抜いて読むと伏線がわからなくなるほどである。短いのに濃密だ。
解説で「黒後家蜘蛛の会が好きなら」というくだりがあり笑った。ああ、好きだよ。
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それぞれ短い中で謎とその解決がユーモアを散りばめらながら語られています。趣味の良さが感じられる小品集。
小品とはいえ、14話それぞれ事件と解決のバリエーションが豊富でワンパターンにならず最後まで飽きることはありませんでした。
それぞれのストーリーは完結していますが、14話を通じて登場人物たちの関係性や環境の変化が感じられて読み込むとまた違う面白さもあります。
続編を期待してしまいます。
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図書館司書のロバート・ロプレスティによる、ミステリ作家シリーズの第一弾!
ミステリ作家のレオポルド・ロングシャンクス(通称:シャンクス)が、身近に起こる様々な事件を解決していくという短編集です。
いや~、おもしろい!
なんというかクセになるシリーズです。
全体的に物語に流れる空気はスローテンポで落ち着いた感じ。
これは主人公シャンクスが50代で、落ち着いた大人の男性だからかもしれません。
実は読み始めたときは、このリズムがなかなかつかめなかったので、少しずつ読み進めて慣らすという作戦をとりました。
そうやって読み進めていくうちに、シャンクスのキャラクターと物語の空気感が好きになっていきました。
基本的に落ち着いているシャンクスですが、物語の中では喜怒哀楽もしっかり表現されていて、その人間味に好感が持てます。
妻のコーラとの関係も、お互いを知り抜いているという感じでとっても素敵。
扱われている事件は詐欺や窃盗、殺人など、多岐にわたりますが、無駄に劇的じゃないというか、単純にミステリとして楽しんで読めるという感じです。
その中に、シャンクスの日常もうまく織り込まれていて、しっかり生活感があるのがまたいい。
おだやかな読書時間を楽しみたい方におすすめのミステリ作品です。
◇おすすめポイント
・主人公シャンクスの人間味
・物語に織り込まれた生活感
・ミステリ作家あるあるも楽しめる
◇こんな方におすすめ!
・ミステリが好き
・短編集を何か読んでみたい
・心穏やかな読書時間を楽しみたい
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ミステリ作家が身の回りでいろんな謎に遭遇し、推理力で解決していく短編集。直感で解く軽いものから、フェアプレイなフーダニットまで、出来にバラつきはあるが面白かった。タイトルの様にお茶でも飲みながらサラッと読める一冊になっている。
一話ごとに「著者よりひとこと」があり、手の内をさらけ出していて良かった。最後のあとがきすら書かない日本人作家がいるけど、こういうサービス精神が欲しいね。
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作家が探偵役の小説は多いが、この主人公のミステリ作家はでしゃばることなく謎を解いているのが気持ち良い。ロマンス小説作家の奥様には逆らわないところも良い。
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まさにお茶をしながら読めるようなかなり短い短編集。題材も身近なものが多く、文体も読みやすかった。
主人公もなかなか魅力的。
ただ、短編ごとにあるあとがきはいらないかな。
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そこそこ名の売れた?推理小説家、レオポルド・ロングシャンクス。
妻のインタビューに付き添った喫茶店の窓から、とある立食パーティーの会話から、タクシー運転手の相談で、シャンクスは謎や事件に巻き込まれて、解決してゆく。14話が詰まった短編集。
殺人事件、ポニー誘拐、特殊詐欺、強盗、それぞれがコンパクトに語られて、最後にニヤリとして終わる。
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」なんて言いつつ、警察に助言したり。
50代の余裕を見せつつ、作家仲間へは皮肉な視線をむけて、妻の顔色を伺うシャンクスがリアルで、アメリカの作家の私生活が垣間見えるのも面白かった。
一話一話の最後にある作者のあとがきとか、シャンクスが時々みせる偏屈ぶりにヘゲーとなりつつ
「あなたってときどきいけ好かないわね。だけどその話をぜひ聞かせて」という気持ちに。
もう少しカルフォルニアへはお手柔らかにお願いします。