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最初、読みにくいな、と感じたが、それは多分、ことば、表現の細部に至るまで、著者独特の考えがあり、それが文章に現れていると最後の方は思えるようになった。こうしたライターは今時珍しいと思う。著者の苛立ち、怒りなどが無骨な形で現れており、読み手はそれを丸ごとそのまま
受け止めることが必要ではないか。
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とりあえず考えてみること安易に決めつけないこと
誰かに自分の主語を渡さないこと
違和感と自分の感情を大切にして見過ごさないこと
とりあえず言葉にすること
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空気を読むということの怖さや周りに合わせる風潮を風刺している1冊。この本を読んで思ったのが、自分の考え方が世間の空気に左右されている感が強いこと。自分で考えたつもりでもどこかで誰かが発したコメントが軸になっていたり。何かを判断するときは自分の軸をしっかり考えていこうと思う。
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読んでいるとだんだん辛くなってくる箇所(日本の政治家について)もありましたが、後書きの「今、いちいちこんなことを言わなくてはいけないのだ」という一文に納得しました。
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いま、最も勢いのあるライターさんではないでしょうか。
3年前、「紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす」を読んで、結構打ちのめされました。
本作も楽しく読みました。
山本七平の「空気の研究」は有名ですが、空気以前の「気配」を読むというのですから尋常ではありません。
切れ味鋭い文章で、常人ならスルーする諸問題に突っ込みを入れていくのが痛快。
政治家や著名人、それにコミュニケーション至上主義に、独自の切り口で「それは違うぞ」と異議を唱えます。
たとえば、トランプの数々の女性蔑視を放置してきたイヴァンカの講演を聴いた後、安倍首相は「世界中の女性たちが立ち上がれば、世界のさまざまな課題はきっと解決できる」と述べた件。
「この方々の女性活躍のイメージが、引き続きドリーミングであることがわかる」とは、何という皮肉でしょう。
既に忘れ去られた存在になってしまいましたが、ショーンKについては、こんなふうに述べています。
「私たちが日頃眺めているものは、常に『ショーンK』状態であると認識する必要がある。流行りの『マスゴミ』批判をいくつか覗くと、そこで規定されている正しいマスコミ像があまりにもピュアで、その理解のほうが危ういのではないか、という気にもさせられる。ショーンKは異分子ではなく、分子が可視化されただけなのである」
卓見と思います。
個人的なことですが、自分は、いつ、どこで、道を踏み外すか分からないといつも考えています。
だって、世に数多ある小説を読めば、いつ自分が道を踏み外すか分かったものじゃありません。
どんなに自分が気をつけていても、環境によっては容易に転落します。
ですから、SNSなどで「自分こそ正義」みたいな投稿を読むと、ひやひやしてしまいます。
武田さんは、通信傍受の拡大が盛り込まれた刑事司法改革関連法について、こんなふうに言います。
「なぜ『あ、どうぞどうぞ、監視してください』と体を差し出すのか。自分は絶対に正義の側に居続けるという自覚を捨てるべきである。そんなものは些細なきっかけで反転する。『どうぞ監視してくれ』は誰にとっても稚拙な態度である。」
我が意を得たりです。
このたび、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑さんではありませんが、「簡単には信じない」ということを、今一度、肝に銘じたいと、本書を読んで思ったのでした。
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すっきり する!
「快刀乱麻を断つ」という言葉が
そのまんま 鮮やかに当てはまる
なんだ こいつ!
もおーっ ええ加減しろ!
あんたは 何様だ!
この国に存在する
魑魅魍魎のような輩を
ばった ばった と
なぎ倒していく感じが
たまらなく 快感である
ームカつくものに
ムカつくというのを
忘れたくない
本当に その通りだ
ー個人が物申せば
社会の輪郭はボヤけない
「記憶は弱者にあり」
マルセ太郎さんがよく
おっしゃっていた言葉だ
この時代だからこそ
ますます 黙ってしまっては
いけない
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いろんなことにいちいち違和感や怒りを感じ、「ちょっとおかしいのではないか」といちいち言うことは、もしかしたらうるさがられるのかもしれない。
でも、日々違和感や怒りを感じるセンサーみたいなものを研ぎ澄ませておかなければ、この国で自分の生きたいように生きられなくなってしまうような気がする。
わたしはわたしの生きたいように生きたいし、わたしにとって大切な人たちにも生きたいように生きてほしい。
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さまざまなことについての評論。
一見、読み易そうなテーマ…と思いきや読むのにけっこう頑張らないとだめだった。
でも、ほとんど理解できなかったかも…。
著者が秋元康が嫌いってのはわかったけど。
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主張的に私の思うところにかなり沿っている……んだけど、なかなか読みにくい文調だった。 あとがきによれば武田氏は「ズルい」って言葉をよく使うといわれるとか。「うまいことやってる奴」が嫌いだとか。やっぱり自分とよく似てる。そして屁理屈こねるところも。そんな私の近親憎悪(?)というか自分を見ているような恥ずかしさが読みにくくさせていたのかなあ。
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誰しも、うっすらと感づいている日本のおかしさ。こうやってひとまとめになっていると、とんでもない人達によって日本は「経営」されているのが分かる。目をそらさずに意見し続けることを諦めないのが大事だとおもうが、その声は確実に消去されるんだろう。
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著者の本は初めて。
人々が空気を読む社会から、気配を感じる社会に変化した。
この国のコミュニケーション能力って、正直、主体性・積極性を持たないことによって最高値に持っていくことができる能力。
著者の感じている違和感や主張には、共感します。
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日々ニュースを見ていて思う、嫌な・ムカつく感じに、なぜそう感じるのかという過程を書いている。かなり共感できる。
全体として政治に関するものが多い。ここ数年でどれだけのめちゃくちゃが通ってきたか(そしてそれを忘れてきたか)を再認識することになるので、読んでいてムカムカしてくるが、ちゃんとムカつくこと、おかしいと言い続けることは大切だと思う。
僕はこの人のもっどどうでもいいことに関する文章の方がすきかもしれない。
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日本の気配 武田砂鉄 晶文社
あまりにスラスラと流れる言葉にのまれて
まるでエッセイでも読むように軽く読み流していしまうけれど
内容に気づくと空恐ろしい環境にしてきた自分に愕然とする
〜「空気」が支配する国から「気配」で自爆する国へ〜
忖度という空気を大事にする利他的な国だった筈のかつての日本文化が
その高い教養と倫理観を自由勝手な競争原理と呼ばれる経済闘争主義に
むしり取られ
今や利己的に分断された個々が気配を先取りして自縛する時代に驀進する
本来ならば国民を忖度するボランティア精神であるべき公務員が
空気を悪用して開き直る政治家を筆頭とする公務員に成り下がり
そのメッセージの気配に依存するメディアを鵜呑みにする国民に陥る
こうした姿をあぶり出すフィールドワークがここに集約されている
暴力的でえげつないお笑いに落ち込んでいるテレビを見ない私のは
知らない名前や流行り言葉が沢山出てくるので浦島太郎気味になるが
この本が現状を垣間見るチャンスともなる
全てが建前社会で見え透いた本音が隠されていることを前提とする環境
建前とした民主主義を忘れて資本主義の自由勝手な競争が
民主主義の対等性から成る自在性だと思い込んでいる現状に唖然とする一方で
蜘蛛の巣のような依存心が蔓延してしる社会で
身動きが取れないことに悲鳴を上げるしかない恐ろしさ
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メディアで流布される情報に違和感を感じる時、まぁいいかと受け流すか、間違ってるよと声をあげるか、空気を読むか、読まないか、忖度と奥ゆかしさが混同されたまやかしによって一部の力ある者が社会が支配する。自己責任でごまかそうとする共助なき世の中は必ずや崩壊する。目に見えるもの・理屈で、世界は動いていない。見えざるもの・訳の分からない現実が自然の中で変遷していく。驕るなかれ、必ずや私たちは死を迎える。己を誤魔化していくか、素直になるか。自然は誤魔化さない、空気を読まない。私たちも自然に習うべきであろう。そして助け合えば答えが自ずと出てくる。言葉にならなくてもいい、一瞬の笑顔でもそれが答えのひとつであるはず。それはメディアでは到底伝えられない真実でもある。腑に落ちる。
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ラジオで砂鉄さんを知りすっかりファンになり紋切型の次にこの本を読んでみた。相変わらずネチネチとしつこく、もし身近な人だったらとにかく面倒臭い人。今の世の中、いろいろつっこみたくなることが満載の政治や社会の問題でもすぐにわすれないようにこれぐらいしつこく考え続けなきゃいけないかも。
マンションのゴミ出しで管理人とのコミュニケーション能力の話がそこまで飛躍する!?と思いつつそうだよなぁと思う話の展開で面白かった。
前作に続きけっこう疲れる読み応えなんだけど砂鉄さんのようなしつこさを持ち続けたい。
また再読してみよう。