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紙の本
ドイツの哲学者ハイデガーによる「内存在そのもの」についての解説が始まります!
2020/05/10 10:25
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの哲学者ハイデガーの代表作です。光文社古典新訳文庫では全7巻シリーズで刊行されており、同巻はその第4巻目です。同書は、前巻に続き、現存在の基礎分析として、「内存在そのもの」について解説しています。「われわれは世界の中にいる」という現象において、「中にある」ということは一体どういうことなのか?ということを突き詰めていくのです。ハイデガーによれば、一般に中にあるとは、例えば、コップの中に水があるという場合、コップという「空間」の中という「位置」に水があると理解されますが、内存在における中とは、一義的にはそのような空間的関係を示すものではなく、世界「となじんでいる」という現存在の存在を表現するための形式的な実存論的表現であり、それは現存在が世界=内=存在という本質的構成を持っていることに由来すると言います。それは、二つの客体的存在者が中間において会同するという誤った存在論的な見積もりを予防するために明らかにされなければならないもので、現存在は各自「現」に存在しているというのです。「現」とは、「ここ」、「あそこ」という「ありか」を定める現存在の空間性なのですが、「ここ」や「あそこ」が可能であるのは、「現に」あるからであり、そのような意味で「現」は、現存在が本質的に閉じていないこと、言い換えるならば、可能性を本質とする「開示態」であることの表現であるとしています。この難しい考察ですが、読んでいくうちに、だんだんとハイデガーが言おうとしていることが分ってくるから不思議です!
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