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久々の伊坂幸太郎、やっぱり面白い!!!
伏線回収の気持ち良さ、流石です。
でも、以前はすいすい読んでたのに、今回は時々戻って確認しながら読んだ。頭の回転が鈍ってる。
残りの積読本を読んで、頭のキレを取り戻そう(๑˃̵ᴗ˂̵)و
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前提となる大きな設定「平和警察」に最初はなかなか馴染めなくてリアル感がつかめなかった。同じありえないような設定でも、検索窓で特定のワードを検索した人を‥っていうのと訳が違う。なんてったってギロチンだから。
‥だけどもしそうなったとしたら?
怖いなぁ。平和警察が、ではなく「隣の人」が。
効率化されると、そこには意思も善意もなくなる。
平和警察は、いやありえないと思いたいけど、嫌なやつを告発したり罠にハメたりって、今も普通に起こっていることでしょう。会社で、学校で、近所で。
何かおかしくないか?って行動に移した人が、本気でバサバサと平和警察につかまるので容赦ない。金子ゼミ、蒲生くんたち捕まった時まじかよぉぉぉって叫んじゃった。
いつ、誰が告発されて捕まるかといつもヒヤヒヤしてた。
解説で加護くん(新人サイコパス)について書かれていたけど。
悪意満タンな人には感情移入しにくいように細かい描写がない、彼が身体中穴だらけで亡くなった時、読者はスッキリするだろう、それはある意味、作中で広場の処刑を見て興奮しスッキリする民衆と同じではないか?っていうやつ。
私は、どんな人が死んでもスッキリはしないけどね。
彼が目の前で生死の境目にいるとしたら、私は助けると思うよ。きっと大多数の人がそうだと思うし。
ただ、世の中にはそういう真っ黒いやつが、本当にいる。なるべく避けて関わらず生きていたいけど、不運にも出会ってしまってどうやっても逃げられない時、余計なことは考えず、行動に移すしかない。 「余計なことは考えず」。それだと思う。
重力ピエロのラストだと思う。
マリアビートルのラストだと思う。(他にも多数)
あと、正義の味方が100%善意で決意でやってるわけじゃないのでは?ってやつ
これでいいのか自問自答したり、迷ったりしている。
結果的に正義のヒーローになってはいるけど。
まっさらで一つもシミのない、穢れないヒーローなんてテレビの中だけで。
グレーでいい、グレーがいい。
そのバランスが大事なんだと。
無意識に動く集団をはるか遠い宇宙から見てみたら、何に見えるかってやつほんと好き。
鈴木光司のループ(?だったかな?)の最後みたいだね。自分は何かを構成する集団の一つで外側にメタ的な生物がいて観測していると。
百億の昼と千億の夜みたいだぁああーー
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筋が巧妙でどんどん読み進めてしまいました。正義 とか善 とは何だろうと考えさせられる小説です。困っている人を全員助けることはできない、では誰も助けなければいいのか?人を助けるのは誰のためなのか?
最後に希望があるのがいいです。
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正義の味方のはなし。
最初はね、もー読むの辛かったよ。
平和警察の横暴さと傍観者の人間の悪意の連鎖に。
最後は怒涛の展開でさすが伊坂って感じだけど、
ハッピーエンド大団円っていうにはあまりにも失われたものが多すぎて、完全に喜べない。
せいぎにはぎせいがつきものって誰かが言ってたけど、
こんな狂った世界が10年もあったっていうのに驚き。
あとゼミ生の教授ともう一人の人が、あの人とあの人ってのはわかったけど、もう一人いた床屋の常連じゃなかった人はどうなったの???
う~見落としたくさんありそう、もっかい読む!
あ、あと初めて解説をまともに読んだんだけど、
ぼくりりの加護エイジに対する批評がしびれた。たしかにあれは悪意の塊で死んでもしょうがないしむしろスカッとしたもんな。わたしも噂に踊らされる一市民だった。
2018.05.18
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平和警察という組織が日本の一部を選び(今回は仙台)危険人物をあぶり出し、情報操作や拷問を駆使して見世物として危険人物を処刑する、そんな世の中を舞台にした作品。 様々な登場人物が出てきて、それぞれの視点から伏線を張り巡らせながら進んでいく作品は伊坂さんらしさ抜群。 怖いのは苦手なので楽しくは読めなかったけど、ゴールデンスランバーやモダン・タイムス系のハラハラ&現代社会へのアンチテーゼを含んだ内容。 群衆てこわいよね、これをきちんと発信している人がいるから大丈夫なんじゃないかと思うよね。 スピード感があって一気読み、伊坂さんらしいし読後感も悪くはない、好きな人はきっと好き!な一冊。
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架空の日本的な国では、平和警察が市民からの密告などを受けて危険人物を捕まえて、拷問で自白をとっては公開処刑をしている。処刑されること自体が危険人物の証であるから、冤罪は存在しない。架空の国の話ではあるが、昨今のフェイクニュースや犯人の家族と間違われてネットで大炎上したという話を考えると、全くの絵空事ともいえないかもしれない。ネット上では、裁判もなく、証拠もなくても有罪にできる。
胸くそな展開で、ゾッとしたり、イライラしたり、ドキドキしたり。処刑をイベントとしてみる国民も、誰かを助けようとする正義の味方(?)も、結局は自分の満足のためにやっているのか?でも、それだけじゃないはず、というなんともいえない気持ちにさせられた。ページが少なくなってからの怒濤の展開にまさかのバッドエンドかと思ったが、そうでなくて良かった。鴎外君の名前が大味でよいのは解説のとおり。
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2018040
危険人物と見なされたものは、群衆の目前で公開処刑されるという過激的な社会。舞台は日本の仙台。
人を酔わせるのに正義という言葉以上のものはないのかもしれません。特に国家がそれを使った場合には、最終的に選別されるのは画一的な金太郎飴の様な、ひとしか残らないと思う。
作中には、それに立ち向かうツナギとキャップの出で立ちの人物が登場して平和警察と戦う。それがゴールデンスランバーやモダンタイムスの様な普通のひとであることが伊坂作品ぽくてホッとします。
権力VS反権力。正義とは、勝ったものが声高に言えること。そこには少数派の意見は、反映されない。民主主義も似たよう所があるから、ひとりひとりの感受性が麻痺されない様に心掛けていたいと思いました。
虫好きの捜査官が良い味を出してました
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なんて言うのかしみじみ怖い話。
世の不条理に立ち向かうのが何故個人なんだろう?とは思う。その方がお話的にはまとまりがあって良いのかもしれないけれども他の人達は何やってるんだ、と思わなくはない。
いや、ここまでの組織だったら反乱分子が出てこないとおかしいでしょうと思うけれどもそう言うレジスタンスを書く話ではないからって事なのかなぁ。
ビッグブラザーはここまで酷く無かった気がするけど… 最初の方の平和警察の尋問と処刑が読んでいて非常にムカムカしたので最後こう終わったか~と思ったのですが爽快感は無かったです…
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正義とは何か?を考えさせられる。
誰にとっての正義なのか?
一見、現実離れしたパラレルワールドの話のように思うが、危険人物を揶揄する集団心理は今の時代のどこにでもある風景にも感じられる。
だからこそ読み進めて行くうちに、なんとも言えない不快感に支配されていった。
極限状態にある時、みんなを助けることは出来ないという思いは誰しもが抱くのではないか。
そんな時、自分は正義を貫くのか、それとも他大勢の傍観者となるのか。
正義とは何か…。
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ゴールデンスランバー以降社会派に転向した印象の強い伊坂氏ですが、これはとてもバランスのとれたディストピア小説です。
バランスのとれたディストピア小説、という響きもアンバランスですが。
仙台には「平和警察」という、危険人物を取り締まる機関が存在していて、彼らに目をつけられるとそれは有罪を意味する。拷問にかけられ、民衆の前で「公開処刑」されてしまう。
危険人物をあぶりだすための金子ゼミ(反乱組織をうたい、偽の情報を流す集団)等の入り組んだ罠がはりめぐらされた社会のなかで、ツナギに磁石のヒーローが現れた・・。平和警察の二瓶や、東京から派遣された真壁はツナギの男を追うが・・!?
というのがざっくりあらすじ。
前半は金子ゼミにハメられた市民たちがヒーローに助けられるパートまで、中盤は平和警察側がそのヒーローを追いかけるパート、そして後半はツナギの男の観点から物語が進む。
中盤くらいまでものすごくディストピアで胸糞悪いんですが、ツナギの男の独白パートからめちゃめちゃ面白くなってきます。最後の展開は読んでてニコニコしてしまう気持ち良さ。抜群の読後感。
伊坂氏の小説『魔王』でも昆虫は描かれていましたが、民衆はひとりひとりであれば人間なのに、群をなすと昆虫のようになる、というのが繰り返し伝えられる皮肉ですね。
かのシェイクスピアも民衆はヒュドラの頭のようなもの、と言っていましたね。どんな状況であっても、自分の頭で考え続けろ、行動しろ、と、伊坂氏は一貫して我々には伝えてきます。今回の行動した人々はいままでないほど狡猾にことをなしとげましたね。魔王やゴールデンスランバーでの敗北を噛み締めてきたからこそ、本作で慎重に裏で思惑通りに物事をなしとげた彼らの行動に喝采を送りたいです。
火星に住むつもりかい?というタイトルの通り、理想通りの場所はどこにもないことを理解したうえで
いまいる場所の振り子のバランスをどうとるか、という着地点が、伊坂氏の成熟をそのまま感じさせます。
☆4.5!楽しいです。
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伊坂ワールドな作品。
危険人物とされる人を助ける、正義の味方が
登場したり、飄々としているけど
切れ者の警察の人間がいたり。
転換場面が最後に繋がるところは
まさにワールド。
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相変わらず、伊坂幸太郎の作品に対して「伏線回収」だの「正義への相対性」などの感想を書いているレビューが多い。「平和警察というリアル感のない設定」に文句をいう感想もある。一方、私は物語が始まって直ぐに奥付を見た。単行本発刊が2015年2月。秘密保護法は執筆構想時に法案通過したはずだ(2013年末)。共謀罪法はまだ与党幹部の机の中に眠っている時だった。私は改めて伊坂幸太郎の時代に対する感度の良さに舌を巻いた。
レビュアーは他人事のように読んでいる人が多いが、「平和警察」の魔女狩りの仕組みは、間違いなく(2017年に成立した)現代の共謀罪法でも多くの部分は「理論的には可能」である。あの法律で刑法の原則は大きく変わった。犯罪を犯す前から逮捕することが可能になったのである。そして、密告をすれば共謀から逃れることができる仕組みまである(この作品はそこ迄酷くはなっていない笑)。この作品でも、「平和警察」の「本格始動」を防ごうとする人々が出現しては潰されていくが、その時に自分は公開処刑を愉しむ立場にいるのか?防ぐ立場にいるのか?を、今現在の日本を観て、考えこまないといけない作品である。
ーあなたは火星に住むつもりかい?
物語の登場人物に突きつけられたのではない。あなたに、突きつけられた言葉である。
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ジョージ・オーウェルの『1984年』のように平和警察が密告や罠に嵌めて危険人物とされる人達をでっち上げ拷問、処刑していく。
日本の現状から嫌な路線を経過する事で『そんな世の中になったら!?』と危惧してしまう世界観!
密告社会とは罪悪感が無く劣等感のある人達が蔓延る嫌な世の中だと思う。正義はないかもしれないがせめて自分だけでも正しい事ていきたいと思った。
本作に出てくる平和警察には嫌悪感しか無い!
行政機関に悪い奴がいると怖いと思う。職員採用の時にサディスティックな人は排除して欲しいと思った。
最後に、本作品は宇宙を舞台とした作品ではありません。
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なんの予備知識もなく読み始めたので、最初はいつもの伊坂ワールドとはちょっと感じが違って、やけに胸糞の悪い話だなというのが正直な印象でした。
第二部に入り「正義の味方」が登場する辺りから物語は急展開していきますが、あとは大団円に向かって怒涛の流れ。
ワクワクしながら途中「正義の味方」の正体に、意外に小粒でこんなんで物語に収拾がつくのと思いながらも、一気読みでした。
伏線もきちっと回収されて快感でしたし、作者らしいまとめ方に、この物語の終わらせ方としては好感が持てました。
○○さんの続編出ないかな。
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序盤は、痛すぎて、なかなか読むペースがあがらないが、黒いツナギの男が出てくるあたりから、楽しくなってきます。悪の組織?の平和警察にいる真壁氏のキャラが良い。そしてラストへのドキドキ感とハラハラ感もあり、後半で、かなり評価をあげてみました!そんな本でした。それにしても、人間って、そんな生き物かなぁー。確かに、そうなっちゃうかもねー。と、集団心理については、なんとなく湊さんの白ゆき姫殺人事件を思い出しました。