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タイトルの由来がデヴィッド・ボウイの「LIFE ON MARS?」だったとは。ちなみに火星は全然出てきませんでした。
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近い将来に起こり会えるかもしれないファンタジー。強大な権力組織「国家」に対する反逆を取り締まる特別な組織が編成され、冤罪など有無を言わさず疑わしきは罰する世界。
怖くてなにもできなる時代が来たら、生きていけなくなりますね。
これに立ち向かうヒーローとの葛藤も面白かった。
流石、伊坂ワールド!!
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もしも日本が一九八四年のような監視社会になったら。舞台が現代の日本であり「平和警察」が制度として未完成であることが、絶妙なリアリティを生んでいます。現実味がスリルを呼んで、読者の心を離しません。話しの流れがにわかに想像出来るようになる後半からは、ノンストップで読み進めてしまいました。伊坂さんお得意のエンターテインメント小説です。
現実的に色々な問題が突き付けられてくるものの、気難しい議論はほとんど物語の中で行われるから、読者は文字をなぞるだけで良い「楽」な小説です。自分の頭で考えかけても、誰かしらの心情や台詞として登場するものだから、早々と委ねてしまいました。正直今改めて何か思ったことを言葉にしようとしても「あれ、誰かの台詞にあったような気がする」と消してしまっています。「偽善」を巡る議論は何度読んでも飽きません。
物語自体はさておき。この作品はとても沢山の視点で描かれています。二人の視点が交互に、という程度のものはときどき見られますが、目の数が全く違います。よくある小説ならば、他者から描かれるだけの存在として、後は読者に想像を委ねられてもおかしくないような存在にも発言権が与えられていて、読者にとやかく推察させる隙がありません。その厳しいほどの綿密さに、「真実はいつも一つ!」的なものを感じました。物語は結局はフィクションだからこそ、作家が物語に余白を与えていたら読者は自由に想像を膨らましても許されるような気になりますが、「物語の中の世界の住人からすれば堪ったものではない」とでもいえばいいのでしょうか。読み方、というものについては、深く考えさせられました。
冒頭で、一九八四年のような、なんてことを言っておきながら、実は一九八四年を中断してこちらの物語を読んでいました。どうしてもアメリカ社会というものが遠くて。でも、こちらにチャレンジした後ならもう少し興味深く読めるかもしれません。改めて楽しみ。
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なんか終わり方が気持ち悪かったというかすっきりしないこともないんだけどうーんって感じがした
このストーリーで内容なら最後はもっとスカッとするのが良かったかなあ
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伊坂幸太郎作品は大好きでほとんど読んでいるが、珍しくイマイチだった。イヤーな気分になる描写が最初から続き、いつスカッとさせてくれるんだろう? と思っているうちに終わってしまった。
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伊坂さんの文章は、密度が濃い。無駄な表現も無く、的確。読む者に、集中力を課す。
伏線も、その回収も秀逸。
ご馳走様でした。
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魔女狩りをベースにした平和警察という狂気のシステム。告げ口しあう住民たち。何の罪もない者が次々と処刑されていく。前半は散漫な印象もあったが、物語はうまく収束していく。まったく予想にしていなかった展開で、またしても完全にやられた。本作も実写化してほしい。
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第一部、第二部は登場人物の多さから肝心な物語の本筋が見えて来ず、そのまどろっこしさに挫折しかけたものの【正義の味方】視点で進む第三部、散らばったピースが繋がり始める第四部は一気に加速する。最終第五部は伏線を全て回収しながらも、どこか曖昧さを醸すラストの余韻が心地良い。着地点が最後の最後まで分からないので、まるで上中下巻の大作を読んだが如き充足感。ドラスティックで絶対的な【平和警察】も作者の手に掛かれば喜劇的、かつその塩梅が非常に「らしくて」ニヤリとしてしまう。今回も巧妙に仕掛けられた作品世界を堪能出来た。
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伊坂幸太郎さんの作品は音楽が流れてる。そのリズムに合わせて読んでる気がする。タイトルから、宇宙の話かと思い込んでたら、違いました。自然科学の棚に、しのばせたい
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正義とはなんぞやという話かと思った。
ザ・正義、ゆがんだ正義、思い込みの正義、最善を目指す正義、それぞれの立場背景でいかようにでも変わる。
正直前半は読むのが辛かった。伊坂幸太郎はときに残酷な話をさらりと書くが、この作品ではそればかりが目立ってしまい行き着く先が見えなかった。
後半は多少光ある方に重きが置かれでくるため、伊坂節も相まっておもしろくなる。
極端な話ではあるけれど、単なるフィクションと思い込めないくらいの微妙な設定であるが故に感じたぞわぞわ感。
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タイトルから勝手にファンタジーものを想像していたけれど、全く違った。(作者もこういう読者は想定してたよう。。)
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伊坂さんは、仙台在住の作家だけに小説に登場する地名は馴染み深い場所ばかり。そこで繰り広げられる怖い〜場面。市井の人が突然、平和警察の者に捕らわれる…
(中世の魔女狩りや左翼を取り締まった戦前の特高警察が頭に浮かぶ場面です。)
そればかりか、仙台駅の東口の広場では公開処刑が…物見遊山とばかりに出向く人々。
こんな社会は、嫌だ!まさかこんなことないよね〜と思いつつ、最近のSNSでの炎上とか、芸能人のバッシング…手のひらを返したような揺れ幅の大きい世論の動きなど。
考えてみると例に枚挙がありません。以前読んだ本の、イワシの群れが一斉に同じ方向になびく…と最近の社会を表現した文章が思い浮かんできました。
「…気に入らないなら!国を出ればいい。…この国より幸せだと言えるのかな。それともいっそのこと火星にでも住むつもり?…」
この救いのない二者拓一の問いが、この世界に住む者に向けられるのですが、果たして彼らはどのように生き抜いて行くのでしょうか。
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伊坂さんらしさ満載の作品です。
安全地区に指定された仙台を取り締まる平和警察。
安全地区では住人がお互いを監視し、密告し、平和警察による厳しい拷問を受け危険人物と認められれば、衆人環視の中で処刑されてしまいます。処刑方法はギロチンです。大勢の前でギロチンとは魔女狩りを思わせます。これを現代のごく限られた地域のみでやってしまう設定にビビります。
そこへ正義の味方が登場し、この社会の仕組みをなんとかしようとします。すべての人を救わない正義の味方らしくない正義の味方です。
感想を書いていてよくわからなくなってきました(笑)
このスケールが大きいようで、仙台という日本の限られた一部だけのぶっ飛んだ話をどう収拾するのかと思い読み進めましたが、きちんと伏線が回収されていきます。決してスッキリとはしない結末がさすがだなと思います。
拷問系が苦手な人にはおススメできないです。
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良い意味で受容、悪い意味で諦め。唯一絶対の正義がない世界を生きる我々へ、そうしたメッセージを送る。そして、ニンゲンという生き物の恐ろしさ、気持ち悪さも描写し、読んでいて痛いところをついてくるなあと思わせてくることしばし。
伊坂氏の本らしく、散りばめられた伏線が鮮やかに回収され、クライマックスへむかっていく。実に読み応えのある一冊であった。
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平和警察という特高みたいな組織に監視され、密告が推奨されるようになった日本が舞台。その組織に睨まれたらもう終わり、あることないことをでっち上げられ傲慢にかけられ、最終的には広場での公開処刑。
という状況の中で突如現れる正義の味方。謎の武器で平和警察に挑み無実の罪で連行された人を限定的に助ける。
その正義の味方はいったい誰なのか?平和警察がそれを追い詰めていくという話。
テーマは本当の正義ってなんだっけ?で、冤罪人を助けるも限定的、しかも助ける過程で人も殺している。
最後は罪に問われないのだが、何かを守るためなら相手を傷つけても良いのなら、それは戦争を肯定することになる。ということも話の中では言っていて、それならどうすれば良いのかと言ったら、最後の最後に出てくる、世の中が良くなることは絶対にないからその時々で受け入れるしかないよね、というポジティブな諦観。
まぁ、確かにそうだなと納得するところもある。
最初のほうにけっこう続く拷問のシーンは読んでてけっこうしんどいし、読後感は晴れないものがあったりするが、得意の伏線の張り方と回収は健在。だけど今回はちょっと大味かも。