紙の本
マーケティングは心理学
2018/12/08 12:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.インサイト起点のマーケティング
レッドオーシャンにはまることなく、新しい需要を開拓する。
今までユーザーでなかった人々の気持ち、使用シーンをどう捉えて製品を開発するかを見極めなくてはならない。
〇 消費者インサイト
消費者に潜在しているニーズで、その企業がマーケティング活動に「ひらめき (インスピレーション)」を与え、事業に成功をもたらすもの。
〇消費者ターゲット
・・誰に買ってもらえそうか
・・誰の心を掴めば市場を拡大できるか
〇キーインサイト
「カテゴリーインサイト」
なぜ、その商品カテゴリーやブランドを使うのか、使わないのか?
モチベーションとバリア(心理的抵抗)
「ヒューマンインサイト」
特定の商品カテゴリーやブランドと関係なく存在する“人としてのニーズ”。
夢や希望、恐れや不安、自分はどうありたいか、どう見られたいか?など
「キーインサイト」
企業やブランドが捉えるべき潜在ニーズ(未充足ニーズ)。
これを押されると思わず買ってしまう“心のホットボタン”とも言える。
マーケティング活動に“ひらめき”を与え、消費者の最も強いニーズは何か、企業に最も相応しいモノは何か、に絞り込む。
多くの場合、ヒューマンインサイトとカテゴリーインサイトのギャップに着目する。
「そもそも、こういうことがしたい」根源的ニーズと「でも、今ある商品はそうじゃない」既存品のギャップから導き出す。
〇プロポジション
企業やブランドから、消費者への「提案」。
消費者潜在ニーズであるキーインサイトを捉えるため、企業からどのような提案を行うか?
具体化したものが「製品」や「ブランド資産」。
2.市場機会を見出し「成長戦略シナリオ」を描く
〇行動は定量的に、理由は定性的に把握する。
どういう消費者層が、どれくらい買って、どのように使用しているかは、消費者調査等で定量的に把握。
なぜ消費者はそれを買うのか?
なぜこのシーンでは使用するが、別のシーンでは使用しないのか?
といった「なぜ?」は定性的に把握する。
〇成長戦略のシナリオ
現状分析のシナリオ
市場⇒消費者行動⇒消費者意識⇒マーケティング活動
成長戦略シナリオ
マーケティング活動⇒消費者意識⇒消費者行動⇒市場拡大
3.インサイトからマーケティング戦略を開発する
〇肌感覚が大切
現地での生活、製品の使用方法を掴むこと。
そうでないと、データを大きく読み違える、勘違いする危険がある。
〇「いいモノ」の定義を見直す
今までは、技術的なスペックが優れているモノが「いいモノ」
消費者にとって価値あるモノ・・「いいモノ」(知覚品質)
4.製品を超えた「ブランド」戦略を持つ
・ブランドは利益の源泉であり、資産である。
・消費者へのブランドイメージのゴールを設定する。
〇ブランド・プロポジション
ブランドの核であり、消費者のそもそものニーズである「キーインサイト(ヒューマンインサイト)」に応えるもの。
ブランド・プロポジションを要素分解して補足しているのが“製品特徴”“機能的ベネフィット”“情緒的ベネフィット”“パーソナリティ”の4要素。
4要素は、バリューランダリング(はしご)的に繋がる。
〇インサイトを起点にブランドの価値を見直す
ブランドの資産・強みをテコにブランド拡張する。
製品は、市場機会を見出し、目的や役割りを明確にして開発する。
〇海外のグローバル企業の目線で、日本を捉え直すマーケティングアプローチが必要になってくる。
投稿元:
レビューを見る
うーん…イマイチ。
同時期に読んでいたザ・ファースト・ペンギンズなど他書のほうが腹落ちする内容で実際にも使ってみようと思うものが多かった。
投稿元:
レビューを見る
メーカーにとって良い品質のものを作るというのは重要だが、それが売れるかどうかとなるとそれだけでは難しい。
その為には消費者に潜在しているニーズ、つまりインサイトを捉える必要があるということ。
企業の事例等がわかりやすくて面白かった。
投稿元:
レビューを見る
『戦略インサイト――新しい市場を切り拓く最強のマーケティング』(桶谷 功著/ダイヤモンド社)vol.460
http://shirayu.com/blog/topstory/strategy/6990.html
投稿元:
レビューを見る
消費者に潜在しているニーズは何か?
カテゴリーインサイト×ヒューマンインサイト
カテゴリーインサイトは商品を使わない理由は?
ヒューマンインサイトはセルフイメージやシチュエーションニーズ;人がそもそもどうありたいか?
使ってない人が使うとしたら?
新しいシーンはないか?
新しい目的はないか?
投稿元:
レビューを見る
ある程度必要なものが行き届き、消費者のニーズも充足されている今の世の中で、世の中の「困った」に気付くための頭の使い方や方法論を紹介した一冊です。
以下、抜粋:
新たな市場を創造するとは、消費者行動に置き換えると、次のように要約することができます。
1. 今まで使っていなかった消費者が、使用する(新たな消費者セグメントの開拓)
2. 今まで使われてこなかった使用シーンで、使用する(新たな使用シーンの開拓)
3. 今までの使用目的ではない、新たな目的で使用する(新たな動機付けの開拓)
4. 今まで使う習慣がなかったか、新たな習慣が生まれて使用する(新たな使用習慣の開拓)
消費者の生活を肌感覚で理解する。そのためには、現地で生活をする、現地の消費者と同じように生活することが一番です。
・・・・・
最近のマーケティング理論で言われることですが、「モノ」ではなく、「コト」。「機能」ではなく、「体験」。
おもしろかった分析は、以下。
『最近の若い世代は、「新しい」ことよりも、「失敗しない」「外さない」ことを重視するようになってきました。バブル時代を経験していない、物心ついた時から、ずっと右肩下がりの日本を見てきた世代です。・・・「昔からあるブランドは、長い間、たくさんの人々から評価をされてきたものだから間違いがない」とリスペクトします。・・・このように市場が変化してきたことで、日本企業でも「ブランド」が大事なのではないか、という機運が高まってきました。』
投稿元:
レビューを見る
■感想
著者の本は他にも2冊読んだが、一番勉強になったと思います。体系的でしたし、繋がりも分かり易かったです。ブランドプロポジションで語られていたのに、ブランドコンセプトということばがいきなり出てきたり、そこは混乱してしまいました。
■要諦
・カテゴリーインサイト、ヒューマンインサイト→キーインサイト&プロポジションのフレームワーク
・キーインサイト&プロポジションはセットで開発する
・インサイトを核としたマーケティングが生み出す効果。①新たな市場創造、②既存の商品カテゴリーを革新、③消費者と絆を持ったブランドを構築、④
・売るを買うという行動に変換する。良いものを作って売るというのは一昔前。消費者ニーズを効果的に見出すためには、それを作り出す領域を定めることが重要。そのコツは売上を購買という消費行動に変換すること。
・現状分析のシナリオと成長戦略のシナリオを使い分ける。成長戦略とはどう行動を変えると売り上げを変えられるか。
・グローバルインサイトワークショップ。事前に①マーケティング目標の設定(データからどういう市場機会をとらえるか明確に)、②イノベーションレベル及び時間軸の設定、③消費者ターゲットの設定(当初は具体的に考えつつ、インサイト&プロポジションが明確になればより広いセグメントに通用するよう普遍的なものにしていく)、④ワークショップには誰が参加するのか
・ペルソナの危険性。あらかじめ自社に有利なペルソナが設定されていることがある。つまり、製品から逆算してペルソナを設定してしまう。消費者を起点にして考えることができなくなる。また、既存ユーザーからペルソナを作り出している恐れもある。さらにペルソナはいったん決まるとそれが所与の前提条件になってしまい思考停止を招く恐れがある。
・ワークショップでは拡散(インサイト抽出)と収束(有効なインサイト&プロポジションの選択や精査)のステージに分けて取り組む。
※これは捕捉:ベネフィットとインサイトは表裏一体。ベネフィットは商品を使った後に得られる満足感、未来の期待感。つまり、商品を買う目的になるもの。お客さまはドリルではなく、(それによってもたらされた)穴を買う。メリットは商品を買う条件。例えば、ダイヤモンド時計だったら、ダイヤモンドでできている、世界に100個しかないなど。ベネフィットはお客様中心のメッセージで、メリットは商品中心のメッセージ。
・日本はあまりブランドを意識してこなかった。新製品が売り上げを作ってきたから、
・・ブランド構築について
・ブランドフルーツ。キーインサイト→プロポジション。プロポジションの周りに、機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、ブランド・パーソナリティ、ブランド資産製品特徴がある。
・ブランド資産製品特徴が、機能的ベネフィットをもたらし、それが情緒的ベネフィットをもたらす。そして、ブランドにどのような人格的価値を見出すかが、ブランド・パーソナリティで定義する。
・キーインサイト:消費者そのもののニーズ。ブランド設計、定義では、特に情緒的なニ���ズであるヒューマンインサイトから抽出することが多い。
・ブランドプロポジション:ブランドから消費者への提案。キーインサイトをとらえていること。市場で際立ったブランドになるためには、このブランドプロポジションがユニークで強いものであることが欠かせない。
・ブランド資産製品特徴:ブランドプロポジションの根拠となる製品の特徴。また、ブランドの表現上の資産を明確にする。
・機能的ベネフィット:ブランドプロポジションは機能的にどのようなベネフィットを提供するか。
・情緒的ベネフィット:ブランドプロポジションは情緒的にどのようなベネフィットを提供するか。
・ブランドパーソナリティ:ブランドプロポジションはブランドを擬人化した時、どのような性格を際立たせるか。人の性格をし表すときの形容詞を使って定義する。場合によってはビジュアルで。
・ブランドコンセプトはブランドプロポジションのこと。ライザップだと「結果にコミットする」ということ。
投稿元:
レビューを見る
新たな知見を得ることができました。
消費者目線とただ言っている段階では企業側の目線である。消費者の目線の理由を把握しなければ、インサイトは掴めない。
投稿元:
レビューを見る
・消費者調査は、各メーカーのマーケティング活動の結果が現れてしまうので、潜在ニーズとは異なる
・商品カテゴリが成長するための、どんな余地・機会がありそうか仮説を持つ
.....
ヒューマンインサイト(どうありたいか)
+
カテゴリーインサイト(製品カテゴリへの既存イメージ)
=キーインサイト(こうありたいけど、既存では叶わないので使わない)
↕︎
プロポジション(こうありたいから、新商品を使う)
=ブランド資産(イメージ)+製品特徴
マーケティングによってキーインサイトを叶え、消費者の行動を変える→売上が上がる=成長戦略のシナリオ。これを結果論ではなく事前に描く。
.....
・ヒューマンインサイトに着目すると新しい軸を開発できる。そうでなければ同軸競争に陥る。
・消費者行動は定量的に(でないと、購入者数or購入頻度、どこに市場機会があるのか読み誤る)、その理由は定性的に(理由は消費者自身も把握していないから)
・消費者が求めてるのは「形」か「機能」か見極める。意外と、スペック至上主義でなく、最低限の機能で低価格やニーズにあった要件を求めるケースもある。
・「知覚品質」もとても大事。品質を感じさせるための工夫。(ベンツ、ドアを閉める音の重厚感)
・ターゲットの感覚とシンクロすることを、属人的な感性に頼らず組織的に運用しようという試みが、インサイト。
★部門横断的インサイトワークショップ
◉ターゲット設定
・複数案設定。
・また、デモグラフィック特性(性・年齢)、使用状況、使用シーンから細かく設定するが、それはあくまで議論がブレないようにするためで、最終的な取り込みユーザーはより広く、普遍的なインサイトを見つける。
・ここではまだ心理特性で狭めない。ターゲットを決めてからインサイトを開発する順でないと、開発されるインサイトの幅と掘り下げを阻害する。
......
★キーインサイト起点のブランド構築をし、そのブランドをテコに製品カテゴリや軸を拡張する
全社的に明文化されるべきフレームワーク
キーインサイト
↓
ブランド・プロポジション=
①情緒的ベネフィット ②機能的ベネフィット ③ブランド・パーソナリティ ④ブランド資産、製品特徴
投稿元:
レビューを見る
インサイト自体の理解も完璧ではなかったこと、
後半は組織における実践的な内容だったこと、から
インサイトを先に読めば良かったかもしれないと思った。
投稿元:
レビューを見る
インサイトに関する本。
事例多くてわかりやすいとともに海外の文化の違いはとてもおもしろい。
後半の具体プロセスは個人的には少し冗長だった。
メモ
・インサイトとは、消費者に潜在しているニーズ。マーケティング活動へのひらめきを与えるもの。その企業にふさわしい、絞り込まれたもの。
・インサイト起点のマーケティング戦略では消費者がもつインサイトと企業ブランドがもつバリュープロポジションを結びつけるもの。
・カテゴリインサイトはその商品カテゴリらブランドを使う真のモチベーションを解き明かすこと。なぜ使わないかのバリアを明らかにすること。
・ヒューマンインサイトはそもそも人は何を求めているのかを表す。商品やブランドに関係なく存在する人としての感情やニーズ。夢願望やセルフイメージ、シチュエーションニーズなど様々。新カテゴリを生み出す場合非常に重要となる。
・キーインサイトはヒューマンインサイトとカテゴリインサイトのギャップに着目して導き出される、企業やブランドが捉えるべき潜在ニーズ。
・カテゴリインサイトの勝負では限界があるため、ヒューマンインサイトに着目することが重要。
・事例。中国 衣服の汚れを落とすものから子供をケアするものに。ポケットドルツ女性用オフィス用の開拓に。
・インサイトマーケにより新市場創造、既存商品カテゴリ革新、消費者との絆を持ったブランド構築につなげられる。、
・フレーバーウォーター。オフィスでの飲用シーン。スタイリッシュだが甘いものを堂々と口にしたいニーズに応えるもの
・成長戦略シナリオ マーケティング→パーセプション→購買→売上
・ブランドプロポジション 機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、ブランド資産製品特徴、ブランドパーソナリティから構成。
投稿元:
レビューを見る
前半のインサイトの見つけ方や事例は大変勉強になった。
後半はインサイトを結果につなげる方法が組織論の視点から書かれていたが、管理職ではないためにいまいち実感がわかなかった。
投稿元:
レビューを見る
インサイトについての重要性と、手法がわかりやすい。また、ブランドについても掲載され特にブランドフルーツのフレームワークはシンプルでとてもわかりやすい。
投稿元:
レビューを見る
『#戦略インサイト』
ほぼ日書評 Day412
図書館の開架(返却本用)で見かけて手に取った一冊。マーケティングにおいて、適切な仮設構築と検証を重ねることの重要性を、初中級者向けに解く。内容も記述もわかりやすく、事例も悪くない。
最後の「フィルムマスカラ」なる商品カテゴリーは日常馴染みのないものなので、いわゆる付け睫のことと誤認しそうになったが、これは笑い話。
ただ、そのレイヤーがターゲット読者なのであれば、後段の全社でプロジェクト化するためにといだた内容は、ややtoo much。意欲のある「若手」に「ウチは上が意識低いから」と諦めさせる後押しをしているようにしか見えない。
著者は「インサイト」というテーマで他にも著作があるようなので、ちょっと読んでみたい気がする。
https://amzn.to/2S8OG9G