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連作短編集。
若者が傷ついても、絶望しそうになっても
生きる道を見つけようとする。
その底力に勇気づけられる。
人生はままならないし、いろんなことがあるけれど
それでも、若者は大人になる。
どうか、誰のものでもない自分の人生を歩いてほしい。
素晴らしかった。
「行け、逃げろ」という翔馬の叫びが
未来にむかう背中を強く押しているようでうれしかった。
母親がもう少し早く味方になってくれればねと思った。
ただ「毒親」で片づけるのは簡単だけど
親である「人」もそれぞれの人生があることも
忘れてはならない。
智佳の父親が寂しくて悲しい人すぎた。
この父親はどうしてこうなったのだろうと
ちょっと考えてしまった。
「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞をダブル受賞。
この文学賞で知る作家さんも多くて
いいなと思います。
本屋大賞も前みたいに
まだ売れてない作家さんの作品を選んでほしいなぁ。
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ままならない。
欲しいと思っていたものが手に入ると
持っていたものを無くしていたりする
自分の感情がわからなく、
間違ってるのか合っているのか
体まで壊れそうになる。
でもまだこれでもいいと思えた。
もっと悩んで、壊して、無くして、
その先に見えたものを
愛していこうとすら思えた。
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父親が悲しすぎる。最後まであの態度とは。これが引きずってとうとう物語に入り込めなかった。共感もできなかった。
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好きだなぁ、こういう昏い熱量。
なにがいいって最後の最後までクソ親父がクソ親父のままだったところがすごくいい。
救いがないといえばないけれど、こういうクソ人間は死ぬまで変わらないから下手に改心されるとわたしは興醒めするので、クソのままだったのがすごくいい。
親父を自分の中で殺して弔って生きていこうとする智佳をわたしひっそり応援したいとおもう。
優亜も智佳も、自分で未来を切り開いて、少しずつなりたい自分になって欲しいな。
あと、女を喰い物にする男はほんとみんな去勢すればいいと思ったよ。
優亜、きみはなにも悪くない。
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自活できるまで親と家は絶対で、その窮屈さ、自分の無力さをかつての自分と重ね、読み進めました。
主人公の才能が開花して、認められて、お父さんと改心して…というハッピーエンドでないところがよかったです。
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最近のR18文学賞…レベル高いなぁ。なんかもう、こう…胸を? 心臓を? ぎゅっとつねられる感じ。ないはずなのに、身に覚えがありそうな痛み。一気に読んで眩暈がした。羽ばたけ。
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いまは、空しか見えない
白尾悠さん。
何度だって言ってあげる。
あんたはぜんぜん悪くない。
主役が変わりながら、進む。
短編集。
もがき苦しむ。
胸の痛み、気持ちの描写がとても上手くて、
痛いほど苦しいほど伝わった。
そこから、抜け出す勇気。力。
自分を信じてくれる人の大切さ。
暖かさ。
周りに、そんな人達が居てくれて
良かった。
R-18文学賞
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R-18文学賞大賞・読者賞ダブル受賞作品
「夜を跳びこえて」「かなしい春を埋めに」「空のあの子」
「さよなら苺畑」「黒い鳥飛んだ」
5話収録の連作短編集
各話がリンクし合っていてそれぞれの物語に深みを出している。
抑圧する父親と娘の智佳
過去の出来事がきっかけで男性に対し拒否反応を表す優亜
本作では父と娘、夫と妻、男と女など
その関係性に苦悩と挫折をしながら希望への道を模索し続ける登場人物達の心理描写が丁寧に描かれている。
特に印象深いのは「さよなら苺畑」
外から見ただけでは解りえない人の内に秘めた苦しみと優しさが胸に沁みて来る。
生きて行く上で哀しく苦しい事は限りなく訪れるけれど
その先の一筋の光をかいま見れる様な瑞々しい短編集。
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「家族」や「性」について考えさせられる物語でした。夢を持ち続けることも難しい、憎しみが原動力になることもある、智佳の今後は少し心配ですが、きっと母や友人が支えてくれるのかと思います。
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とても面白かった。それぞれの登場人物の視点で展開していく短編集。誰もが息苦しさの中で後悔や諦めを抱えながら、それを気づかぬふりしてやり過ごしていく。でも夢を追うことも夢を諦めることも、選択はすべて自分の手のひらにある。葛藤は前へ向くための力に変わる。希望へ向かって疾走する、空しか見えないから。