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おもしろい
物事の裏側を描くのが好きな著者が、人の生死にまつわる本当の物語りを引き出す小説に仕立ててくれた
自殺や不審死など、周りの者にもなかなかたどり着けない想いや実情を突き止める
全く探偵などではなく、その人が暮らした部屋に入居する男が、生前の人の想いまで明らかにしてくれる
探偵や警察などではないのでミステリーっぽくもない
むしろヒューマンドラマだ
自殺があった部屋などの貸し部屋は、事故物件とか言われる
不動産業界では瑕疵物件と呼ばれるのだろうか
この瑕疵物件を一旦借りて、入居者が使えばその部屋も その後はもう事故物件ではなくなる
こんな対応を仕事のように引き受ける、瑕疵物件専門の賃借人が主人公だ
なんだかグレーな悪どいイメージがあるが、この小説の男はどうもヒューマニズムに寄っている
笑うセールスマンのモグロフクゾウにイメージが重なる
4つのエピソードで構成されている
◆土曜日のアパート
福島原発事故処理の現場作業員が白血病で死んだケース
◆保証人のスネップ
家に居て仕事してない男が、ネット上で小遣い稼ぎに、賃貸入居時の保証人として名義貸しをした話し
34才以下がニート
59才以下がスネップ だ
入居していた女性が行方不明になって家賃滞納の請求が来て、ストーリーが進む
この女性の物語が描かれる
そして女性が交通事故死していて、行旅死亡人として無縁仏になっていたことが判明する
◆百尺竿頭にあり
会社勤めをしていた長男が首吊り自殺したと父親に連絡が入った
息子は家族への負担がかかる前に自分で命を絶つと言っていた
そして小さい時から長男だから自分が大きくなったら家を建て替えてあげると言っていた
自殺でも生命保険が降りるように計画してもいたことが判明する
父親の涙は尽きない
◆転機のテンキー
パティシエになりたかった女性は両親の反対で短大に進んだ
親への不満も抱えながらシステム会社の内定も取れた
その矢先、母親が突然死
事件性は無いと確定したものの傍目には変死扱いだ
千葉ニュータウンから勝田台の賃貸に父娘で引っ越しした
娘の頭から離れないのは母が倒れていたキッチンの光景
行ってみるともう瑕疵借りの男が入居していた
男はこの娘と父に話を聞く
そして亡くなった母が娘のためにパティシエの夢を叶えられるようにしっかりと用意をして来ていたことを娘は知るところとなる
人の心の内側の想いを文字で描いてくれていて素晴らしいと感じる
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瑕疵物件というのは4種類あるようだが、瑕疵借りというのは存在しないと思われるが、実態はどうなのか、知りようがない。小説として面白かったが。
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一気読み。
松岡作品は苦手だけど、
これは面白かった。
前住居人がナゾの死を遂げる
藤崎は瑕疵借りの立場で
その経緯を明かしていく、って感じ。
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事故物件に住む「瑕疵借り」の藤崎が、瑕疵の原因を突き止めて行く短編集。もっとミステリ寄りかと思いきや、結構なヒューマンドラマでかなりグッときた…
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フォローさせていただいてる方の本棚にあってちょっと気になったので(そちらは続編の方でした)図書館で。
瑕疵借りという特殊な職業?と瑕疵の出た物件の住人に関わるお話の連作集。
全体的に面白かった。謎が解き明かされて、ちょっと心温まる感じで。
でも、どうしてもそれぞれの住人の関係者、それぞれのお話の主になる方がどうしても好きになれないし、イラっとしてしまって。
ああでも、世の中の人間ってこういう嫌な部分持ってるかも、結構リアルな人間像なのかもしれないな、と思った。
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いわゆる事故物件に一定期間住み告知義務を執行させる事を生業とした瑕疵借りにまつわる短編集。
変死、自殺、失踪などにも原因や理由がある。この本はそれを紐解いて物件の根本的な瑕疵を取り除いていくのが大筋。
個人的には最初の話が1番好きかな。
2つ目はやるせなさとそっと背中を押して頑張ってみようと思える絶妙な読後感。
3つ目と4つ目は家族でもきちんと話合いはするべきって哀しくなった。
続編があるらしいのでそちらも読みたい。
藤崎がどういう経緯で瑕疵借りを始めたのかは明かされるのかな?
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賃借人が死んだり事件事故が起きたりして、瑕疵説明責任が生じた物件にあえて住むことを生業とする藤崎は不動産業者やオーナーたちの最後の頼みの綱。
ただ瑕疵物件に住むだけではなく、その問題を根源から解決してくれる不思議な瑕疵借り藤崎。
ミステリーかと思いきや、切なくて心温まる中編集。ちょっと無理があるかなという設定もあるけど、世の中の不条理にも触れられていて複雑な心境になる。