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親の手伝いて行った先でデッサン画を見つけた真。
美術部で同級生の珠美。
フリーライターのパクさん。
伊音ちゃん。
自己防衛本能。
辛くて嫌なことがあった時に こうしたフィクションの世界へ逃げることはあると思う。
フィクションの世界と本物の世界をつなぐ ちょっぴり切なくて、ちょっぴり嬉しくなる素敵なお話でした。
今までに読んだことがない宮部みゆきの世界観がここにあった!!
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冒険活劇を期待して読み始めたのだが、良い意味でも悪い意味でも裏切られました。
良い意味という点は、宮部さんの得意な土俵にストーリーが展開して行ったこと。
悪い意味という点は、宮部さんが描く『現代の冒険活劇が読みたい!』という思いが消化不良としてくすぶってしまったこと。
短編としては面白かったですが、もう少し伏線や捻りも欲しかったですね。ただ、キャラの設定は良かったです。
中学から高校へ、成長していく時期の二人がとても身近に感じられました。
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再読。絵の中に入っていくというファンタジー。いくら現実が死にたくなるほどで辛くて、異世界に逃げる手段があったとしても、結局は現実世界で何とかあがきながら生き延びていくしかないのだ。とゲーム好きの宮部さんに語られると、妙に説得力があるな。
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巧い作家だ。
世界を変えられるのは、世界を捨てる覚悟がつく者だ、ということが私が普段見るのとは別の面から見えてくる。
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強く感情を揺さぶられる小説だった。
ストーリーはそこまで起伏があるわけではなく、かといって平坦でもなくといった感じで、仕掛けとしても、ファンタジー要素やSF要素などちょっと詰め込み過ぎかなぁと思ってしまった。絵に入り込めるというギミックが既にあるのに、別世界の話を持ってこられると少しがっかりした。
ただ、主人公以外のキャラクターの設定が重たく、かといって非現実的というわけでもなかったので、すごく心を揺さぶられた。
また、文章もとても読みやすく情景も想像しやすかったのでそのあたりはよかった。まぁ、宮部みゆき先生という大ベテランに対して書く評価ではないと思うが…。
久しぶりにブレイブストーリーを読み返したくなった。少年が少し成長する物語というのはいつ読んでもいいものだ。
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伏線の回収やラストのあっと思わせる感じがあまり感じられなかった。物語の真相も、ある程度予想できてあまり目新しい感じはしない。SFとはいえトリックに無理がある感じも否めない。物語のほとんどが絵との接触と城の世界の探索のくだりで占められているので、謎解き部分があっさりと終わってしまったのも少し消化不良だった。
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中学3年生の真が偶然目にし、手に入れたデッサン。不思議な体験をし、さらなるステージに進むため同級生の城田珠美の助けを借り、そして大人のパクさんと知り合い、3人でデッサンの世界に入りこむことになります。それぞれがそれぞれの事情を抱え、デッサンの中の少女を助けるべく行動をします。前回の「ソロモンの...」でもそうでしたが、中学生の世界はなかなか大変。そんな中学生ばかりではないでしょうが、スーパー中学生でない彼らが頑張る姿に励まされます。
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冒険するようなお話なのかなと思って読み始めたら、そこまでがっつりではなくちょっと行ってきました程度からのスタートで、ブレイブストーリーとはまた違うお話でした。
たまたま見つけた絵に入れると知った主人公。
最初はどうやって城の中のお姫様を救うのかわくわくしていましたが、だんだんとこのままがいいのではと思いながら読み進め、最終的にはタマちゃんグッジョブなハッピーエンドに収まったので最後まで読んでよかったと思えました。
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私的に主人公が中学生や高校生とかの宮部みゆきさんの本が好きでさらにありそうなファンタジーが好きだから面白かった。
なんで宮部みゆきさんは中学生の気持ちだったり悩みだったり考え方だったり、こんなにもわかるんだろうって不思議になる程主人公に共感したw
友達とのなんとも言えない友情もほっこりして面白い
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宮部みゆきが2015年に発表した作品の文庫版。主人公の真が拾った一枚の絵をきっかけにクラスメイトの珠美や同じ絵の探求をしているパクさんとともに現在の自分たちの置かれている不条理な状況の打破とパクさんが遭遇した過去の事件の解決を目指します。推理小説ではなく、SFファンタジーです。いじめや虐待など現実世界の描写はかなり壮絶です。途中まで読んでいてラストはアンハッピーかなと思ったのですが、ハッピーエンドで良かった。フィクションとはいえ子供が不幸になるのは嫌なので。池澤春菜さんの紹介していた作品もチェックしたい。
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絵の中の世界に飛び込んで、モンスターと戦い
様々な困難を乗り越えて、お城に囚われた少女を救う
という王道ファンタジー
ではなかった!
しかも一回行ってくると、エネルギーを吸われて
ゲロゲロになってしまう(笑)
この物語の鍵は
囚われの少女をどうやって救うのか
あるいは救わないのかということ
そこには現代社会の不幸な子どもたちの事情があり
必ず明るい未来が待っているという
保証は無いから
謎のお城の世界に
少年と少女とおっさんが挑む
ちょっと新しいファンタジーかな
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ファンタジー、冒険、友情、家族愛、いろんな要素があって、最後は哀しさ、寂しさが残るものの、ぐっとくるものがあって面白かった。さすが宮部みゆきだなぁ、という感想。
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序盤、あれ?宮部さんも今時の異世界で冒険活劇、ロールプレイング?と感じてしまった。
が、そんなわけがありませんでした。やっぱり一筋なわでは終わりませんでした。
中学三年生、ものすごい成長段階の世代、個人差も激しい。
子供と大人がないまぜになっている世代を違和感なく想像させてもらった。
宮部作品、ハズレなし。
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そこは、なかったはずの世界。
何もかも平凡で目立たない真は、銀行で古城のデッサンを拾う。その絵に入り込めることに気付いた真は、絵の上手い孤高の美術部員・珠美に協力を依頼し、二人は絵の中に入る。そこで出会った漫画家アシスタント(今は休業中)のパクさんと、お城の中にいる少女を救い出そうとするが――。絵が入り込む人間のエネルギーを吸う。絵を描いた人物の意図はどこにあるのか。
登場人物が少しずつ広がっていくところ、現実世界と絵の世界のリンクが面白く、ぐんぐん読めた。解決方法と結末に救いがあるので、後味は良い。もっと非現実世界に重心を置いたファンタジーだと思ったので、やや違う方向に転がったけれど、この結末には満足。
夢の世界でも、人は現実の問題を抱えて、そして解決方法もしくは納得いく結果を出そうとする。パクさんと珠美の抱えていたものは、真には理解しきれなかったものかもしれない。真の抱えていた、無個性とでもいうものも深刻な問題ではあるけれど。そうして、世界を変えてしまう決心をして、たどり着いた結果が大きいのか小さいのか。
良くも悪くも、世界をひっくり返すなんて、一人二人の力ではできないから、まずそこにある現実を見つめて生きることから始める、というメッセージを読みとった。
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久しぶりにちゃんとした人の作品読んだから、やっぱ小説家の書き方ってすごいな~って思った。ネタはありふれたものだったけど、設定はすごく好きだった。