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この小説はこれからたくさんの恋をして、たくさんの恋を失っていく人に贈りたい、そう思いました。
恋の始まりのドキドキがウキウキになり、二人は世界の全てから祝福されているとさえ思える幸福感。そして少しずつ歯車が狂いだし、いてもたってもいられなくなる不安感。恋の終わりを認めたくないけど認めざるを得なくなった時の絶望感。そして終わった後の虚無感。そんないくつかの傷をとても優しく包み込んでくれるカトチエさんの小説が私はとても好きです。すべてが終わった後、涙が枯れるほど泣いて泣いて、そしてもう一度歩き始める、その瞬間に立ち会ったような気がします。透明なガラスのコップにくんだ水を飲みほした後、そのコップを日にかざして微笑むような、そんなすがすがしさがありました。
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著者初読み。
世の中に溢れる記念日にまつわる作品を中心にした短編集(そうでない作品もあると思う)。
「ひとりぼっちの記念日も悪くない」
そのフレーズに惹かれて、手に取った一冊だが、短編の名手と知らずに読んだので、実際に読んで、心に響くものはあまりなく…
ファンの人ならば良さが分かるのだろうが、正直ちょっと手に取るだけだと、良さがあまり伝わらないかも。
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20代30代の心揺れ動く女性たちの短編集。劇的な話はなく穏やかな日々の中で彼女なりの悩みや決意など色々な想いが綴られている。どの短編も自分で考え自分で決めて次に進む自己完結的な話が多かったような。自分としてはあまり印象には残らなかったのだが、きっとこういう微妙な心の揺れに共感する女性はたくさんいるんだろうなとは思う。
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20-30代の女性を中心とした日々の変化に前を向いていく物語。一般的に絵に描いたように言われる幸せな状態からずれてるかもしれないけど、進もうとする姿がいい。
一話目の日常の感情の表現が好き。不安で不確かで幸せな思い出程切なくて、でも暖かい感じ。
永遠に変わらないものはないからこそ、大切な出来事が輝くと思うお話。
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若い年代の人からは、いいレビューがあるようなので、私の年代向きではないのでしょう。
読んだけど、何も感じることもなく…
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さくさくと読めるけど、読んでいて心地の良い作品。
どの話も身近すぎて、「あ、これ私だ」とか「妹だ」「友達だ」なんて共感しながら読めた。
そしてそのおかげで、「自分だけじゃないんだな」って心強くなれた。どれも最終的には前向きに進もうとする女性ばかりなので背中も押された。
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短編集。さらりと読了。
ハッピーエンドがすきな私には、ちょっと寂しくせつない気持ちになるお話が多かった。
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どれも印象がどこか似たり寄ったりで残らず、境目も若干曖昧。やんわりとした空気とほろ苦さと、包み込むような心地好さ。普遍的な日常。失恋。ハロウィンに不慣れなおばあちゃんの正体と見た目が意外な「消えていくものたち」が全九編の中で浮き上がるように特殊で、でも共に並ぶことに違和感はなくて、お祭り的で、すき。
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ささやかな日常を切りとった優しくて切ない短編集。
その時には大切で一大事だったかもしれなくとも、後では思い出すこともないかもしれないような日々の出来事。
タイトルの『消えていく日に』は絶妙です。
結婚記念日にご馳走を作り、その日を忘れて仕事に邁進する夫を待ちつつ、過去の恋人を思い出していた『返信を待たない』、彼と同棲するためにルームシェアを解消した友達へ新年の挨拶メッセージとともに思い出の絵を送った『新しい干支』が好き。
その他の話も含めて、その後の彼女たちの長編小説を読んでみたいと思いました。
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ハグルマ。
何事もタイミングっていうから
歯車が噛み合ったり噛み合わなかったりしながら
今の自分や周りの人があるのでしょう。
そう思って前を向いて歩くのがきっと正解。
後ろ向きで歩くのは難しいしね。
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9人の女性の物語。どの話も女友達に聞いたような、それとも自分が体験したことかと思えるくらい身近で、せつないけれど前向きな気持ちになれるような話。
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カトチエは好きだけど、
だいぶ前に元彼と別れた時こんな気持ちになったなあと馳せたりしたけど、
それ以上でも以下でもない、かな。
もっと刺激が欲しかったです。
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出逢いがあれば、別れもやがてやってくる。
ひとりで過ごす誕生日、お正月…
寂しくて泣きたくて虚しくもなるけれど、それなりにその日を過ごして乗り越えていく。記憶が薄くなるということは、寂しいことかもしれないけれど、別れた辛さを乗り越えて生きてきた証。
いずれ自分にも訪れるその日に、この本からエールをもらえる気がする。
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『返信を待たない』『エアポケット』『二十七歳』 が特によかった。
結婚する好きだった人から連絡が来たり(『返信を待たない』)、
ただ怠惰があって、大学を留年してしまったり(『エアポケット』)。
美味しい料理を夢中で作ったりして、
悲しいことも、日々を過ごして乗り越えながら生きていく感じ。
あと『夏の飛び込み』の「飛び込んだら泳ぐしかない」は、ほんとにいい。人生そういう感覚が必要なときもあるね。
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消えていくものたち、と、ハグルマが良かった。
誕生日当日以外も、誕生日前日も誕生日の翌日も一生に一度だ、という一言が印象的。
その日その日は一生に一度しかないのだから。
記念日だけが特別なことじゃないかも、と思う本。
急に誕生日に読む気になった。