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最終章は涙が止まらなかった。☆4.5といったところか。こういう東野圭吾もいいな。
脳死、臓器移植。自分の子どもが同じ状況になって、すぐさま受け入れられるわけがない。最新の技術を使ってまで子どもを生き永らえさせ、自分の人形のように操っている薫子の行動は、狂気とも感じられた。最終章を読むまでは。
少しファンタジーの要素も見受けられるけど、親にとって子どもの脳死/移植を受け入れられるのに、3年もかかったということだ。薫子にとって3年は無駄じゃなかったんだ。必要な時間だったんだな。
宗吾の話もよかった。みんなが納得のいくハッピーな終わり方で良かった。
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--内容紹介--
「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた―。病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。
臓器提供の意志がないと脳死判定は行われない。脳死判定が行われないと死とならない。とても難しい問題。
薫子は半分狂っていると考えてたけど最後にそうではなかったとわかった。
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いちばん刺さったのは
子どもの臓器提供を望む江藤氏が言った
「臓器は提供して欲しいが、
他の子どもに脳死になってほしいと
願っているわけじゃない」
的なとこ。
葛藤ですね。
ウチも今現在瑞穂ちゃんと同じぐらいの子がいますが
どちらかの立場になったときに…と考えると
中村氏同様
「なってみないと分からないし
そもそもそうなることを想像したくない」
と言うしかないね…。
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東野圭吾ということで、あらすじも読まず、勝手にミステリーだと思って読んでみたら違った。
娘がプールで溺れ、「おそらく脳死」という診断を下された夫婦の話。彼らは一度は臓器提供に同意しようとする。しかし直前で翻意し、生命維持装置を使った状態で娘との生活を続けることを選択し、娘にできることはなにかを苦悩しながら模索していく。
周りからは奇異な目で見られても、自分達が納得できると思ったことを信じ、選択していく夫婦を通じて、死に対する多様な価値観について考えさせられる。同時に人に価値観を押し付けるのではなく、異なる価値観の人もいることを受け入れることの大切さも。
重たく悲しいテーマの小説だが、決して読後感は悪くない。
一点、私が買った本の帯には、「答えてください。娘を殺したのは、私でしょうか。」というセリフが引用されていた。確かにセンセーショナルなシーンからの引用だが、少なくとも私は本の内容を間違って想像してしまった。むしろ帯の裏側で引用されていた、「生きています。死んでなどいません」の方が、この本を良く表していると思う。
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脳死というテーマに挑んだ小説
「自分の置かれた待遇に不満を持つと他人の生活が羨ましく思えてくる。しかし、実際に相手の立場になってみると、それなりに苦労や悩みがあることがわかる」
人のことを羨ましく思うことと、その人になりたいと思うことはイコールでないことは意外と多い。
「この世の中には、意思統一しなくていい、むしろしないほうがいいということがあると思うのです」
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死とは……
心臓死と脳死、臓器移植
いろいろ情報は見ているけれど改めて、家族の身がどちらかの状態になったらと考えてみる。悩ましい問題だ。
健康保険証の裏に臓器提供の意思表示の印刷があるのに見入ってしまった。
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脳死判定は家族に委ねられているようなもの。
目の前では眠っている(様に見える)のに
まさか我が子が死んでいるなんて認められないだろう。
ただでさえ人の死に関して素人なのに。
この本を読んでおけて良かったと思う。
今までより価値観が広がった気がする。
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小学校受験を控えた最愛の娘が突然の事故で脳死状態に…。悲しみの末に現実を受け入れ臓器提供まで考え始めた矢先、夫婦は偶然にも娘の体の反射を目の当たりにする。娘は生きているとしか考えられなくなった母、薫子は…。
脳死を巡っては、特に身近な人に起こった場合を想像すると、永遠に正解の出ないテーマだろう。一度出した結論にも逡巡がつきまとう。
本書の場合はさらに、選択したあとに狂気ともいえる日々が続いていく。誰も薫子を非難できず、彼女が正気なのか誰も確かめられずにいる。
一家は一体どこへ向かっていくのか。恐怖と切なさがないまぜになって深く考えさせられた。
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またとんでもなく難しいテーマを。どうするのが正しかったのか、誰に言えるだろう。何を選んでも選ばなくても、必ず後悔は残り、同時に喜びもまた。
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東野圭吾の「生きることは」と言う事へのQ&A集。
考えさせられるテーマだった。
榎田と宗吾が最初に出たきりで、忘れられているのかなと訝んだが、そこは東野圭吾。綺麗に着地させた。
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作家の力はすごい、と思った。
問題提起ができ、それに関するいろいろな考えを伝えることが出来る。同じ問題に関して、学者や政治家がテレビで喋ったところで、なんならお涙頂戴、と思ったりするが、読ませる文章を書く人が書けば、伝わる。
無銘の作家ではなく、有名な、本を出せばとりあえず売れるし、読まれる、という人が書いたのもよかったのではないだろうか。
街で募金活動をしている人を見て、「信じて募金しよう」とは思わないが、疑うぐらいなら調べて確認しよう、と思うし、大金を募金すること等ないだろうから、それならそこまで考えなくてもいいかな、とも思う。
人に語りかけるときは、直接ではなく間接的に話すのも一つの方法。ただ、又聞きになったり、マイナスな感情を伝えたりするのは良くない。
映像化が割りと愉しみ。
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「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた―。病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。
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最初のプロローグがなかなか思わせ振りだが、娘がプールでの事故で生きてはいるが意識が戻らない状態なった時、親はどういう選択をするのかという、なかなか重たい出だし。
とは言え、この作者、重たいばかりではなく、科学の力を借りていつ果てるともしれぬ命を長らえさせる仕掛けを施す。
そうした科学(BMI=ブレイン・マシン・インターフェース)の最新の知識や、あわせて脳死や臓器移植についての日本の法律の課題などについて丹念に語られる一方、『こんな物語を自分が書いていいのか?今も悩み続けています』との作者自身の言葉のままに、テーマに引っ張られて物語が生硬な感じも。
子供を生きながらえさせたいという親の気持ちは分かるけど、意識がない娘を最新技術を使って生を取り戻したように見せるのも最後はいささか狂気じみて、最後は作者お得意の展開と言うか、どこかで見たような話になったような…。
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脳死は人の死か?
終始重いテーマだった
脳死をめぐる親・親戚・近所の人の目…
介護と言えるのか?
親の愛なのか ただのエゴなのか
生かしたいと奇跡を願う親と
周りを巻き込んで、お金をつぎ込んでいく姿に賛否両論。
確かに重篤な症状が出た場合、脳死のまま生かしておくのが親にとって幸せかどうかは分からない。
何も解決にならないまま、最後までストーリーは進んでいく。
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深く深く考えさせられる話でした。
何を以て「死」なのか。
私は臓器提供の意思を示しているけど、これが自分の家族だったらと思うと答えが出ない。
この作品は綺麗事だけで終わらず、移植手術に関する法律の問題点を提起し、読者に投げかけている。
医療関係者と法律を作る政治家に読んでもらいたい一冊。