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紙の本
部活動の意義
2018/06/05 17:55
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一巻で一都四県の名所を探検したアウトドア部に所属するさぐりちゃんは、第二巻の後半では高校二年生となり、他の部員と共に更に遠くまで足を伸ばし、充実した部活動を行っている。
遠足や修学旅行でも触れる機会があるかもしれないアウトドア部での非日常的な体験の数々は、まだ部に加入していないツムという昔馴染みの男子がさぐりちゃんに常に寄り添う事で、引率する女性教師や部長が傍にいても、二人だけの秘密の時間を過ごしている錯覚を、当人にも、読者にも、感じさせる。それは部活動以外の課外活動とは異なる雰囲気の中で行われる、部活動の最中でしか味わえないものである。
第二巻の末尾の時点で、アウトドア部の部員数は五人である。
新入部員の勧誘に消極的な部長と二人だけで始まったさぐりちゃんの高校での部活動は、さぐりちゃんの人徳のなせる業か、一年間で三人の仲間を得て、活動範囲を広げつつある。
初出時に読者の目を惹いた、単行本にも収録されるべき、作中のカラー頁は、第一巻と同様にピンナップとしてスナップショット風に纏められて巻頭に収載されている。この事を残念に思う読者の気持ちは理解するが、本作は、各回の数頁のカラー頁の有無のみで、話の内容に対する評価が左右される作品では決してなく、モノクロのストーリーを読み終えてから、過去を懐かしむかの如く、カラーピンナップを見返す、という単行本ならではの読み方が可能なのだと、知ってほしい。
ツムが入学祝で貰ったカメラや趣味のゲームを通して、さぐりちゃんや他のアウトドア部員と仲良くなる、男子高校生の日常の場面と、病弱だったさぐりちゃんが読書だけでは知り得なかった世界に対する好奇心を満たす場面とが混在する探検コメディーは、泥まみれになる事だけが探検ではない事を証明する。
本巻では、探検で重要となる食糧問題についても話が及ぶ。
アウトドア部にはグルマンがいる。
その恍惚とした表情は、探検の定義を揺るがしかねない危険なものである。
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