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ある意味、恐ろしい物語だ。
目覚めると、そこは見知らぬ病室。
主人公、三笠南は、記憶をなくしていた。
そして、夫だという男が病室を訪れる。
夫に連れられて戻った家では、義母、義姉が、
思わせぶりな態度をとる。
誰も信じられないなかで、妹の存在だけが
南を支えてくれる。
そして、夢の中に出てくる男。
本当に愛しているのは、この男なのではないのか。
南の絶望感は、日に日に増していく…。
記憶喪失という、確かなものが一つもない状況では、
始めから終わりまで、不安な感覚に囚われ、
落ち着かない。
男と女の愛は、そもそも幻のようなものかもしれない。
記憶があろうと無かろうと、心もとなく、
不確かで、愛する心も愛される感覚も、
消えてしまえば、なかったことと同じだ。
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黒い近藤さん。晴哉は顔以外どんな魅力があったのだろう。生来の詐欺師。南より、キャラとしては、渚や祐未の方が興味深かった。タイトルから本の話かと思ったので、それは肩透かし。南の記憶喪失はやはり心因性か。愛する人に裏切られたショックの。前に進む南と、堕ちて行きそうな渚。慎也は立ち直るかもしれないが、晴哉はますます悪くなりそう。
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病室で目覚めたら記憶を失っていることに気付く。夫だと名乗る男性には愛情を感じない。夢の中で出てくる男性には心揺さぶられる。周囲の人が埋めようとする自分の空白の記憶への違和感。それが本当か嘘か判断できるもののない怖さ。
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ミステリーなのかなんなのか、ふわふわしたお話。オチはちょっと残念。うーん、サクっと読んでしまったけれど、ちょっといろいろ残念。
2018/10/4読了
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目が覚めたら、自分がだれかわからない。
自分のことを南と呼ぶ夫と名乗る男を信用していいのか、夢に見る男性は誰なのか。
南の記憶を探すように一気に読み終わりました。
とても読みやすいですが、なんていうか読後感スッキリではありません。
ある種の人を怖く感じたのと、辛くあたってたユミさんが一番信用できる人だったのかも。何もかも忘れてまだ好きでいたいのかと。
結局、記憶が戻ろうといちばんわからないのは自分。
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晴哉が秘密を握る救済者かと思ったら、ただただムカつく野郎でした。こんなヤツはどうしようもない最期を迎えてしまえ~。
南が関係を断ち切れたのは良かったけど、何となく未練もあるようだし結末がすっきりしなかった。
(渚の兄嫁さんが今後心配)
慎也も好きになれないタイプ。祐未さんが一番まともで頼れるかも。
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記憶喪失の状態で目を醒ました、そこは病室。
名前も家族も友人も分からない、という冒頭がわくわくしたのだが、もやっとしままま終わってしまった・・・
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目覚めたら、自分の名前も家族のことも
わからなくなっていたわたし。生活環境にも
夫だという人にも違和感が拭えない中、胸が
痛くなるほど好きだと思える人と出会い…。
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こんな仕打ちを受けていたら、そりゃ忘れたままでいてほしい・むしろ忘れたかったから記憶喪失になったのだろうって周囲は思うわな。実家があって良かったね。
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好きな作家だけど、この作品は好みではなかった。
もっとミステリー色が強いのを読みたかったのかもしれない。
「記憶喪失」は苦手な分野だけど、それでも読みやすいのは作者の文章の上手さだと思います。
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ミステリー仕立ての近藤史恵の長編。
読み応えのある、という本ではないがグイグイと引き込まれるように読み切った。
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*気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし・三笠南。目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。現実の生活環境にも、夫だという人にも違和感が拭えないまま、毎日が過ぎていく。何のために嘘をつかれているの?過去に絶望がないことだけを祈るなか、胸が痛くなるほどに好きだと思える人と出会う…。何も思い出せないのに、自分の心だけは真実だった*
もし自分が記憶を失ってしまったら…どれだけ不安なことか。自分自身が信じられないなんて、何をよすがに生きていけばいいのか、絶望しかない気がする。ましてや、本能的に違和感しかない状況ならばなおのこと。そんな風に自分だったら…と思いながら読み進んだので、なかなか新鮮な読み心地でした。
なんとなく全てがうやむやに終わった感もありますが、さらっと読めて、それなりにミステリー気分も味わえます。
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記憶を失った状態というものを、初めてちゃんと想像してみました。
きっとこの主人公のように、自分も周りの人も何もかも信じられなくて、夜も眠れず不安な毎日を送るに違いない
。巷に溢れている安直な記憶喪失モノ(大抵親切な美形に大切にされているw)に比べて、過酷な心情を描いている作品です。
環境の不穏さや自分の過去の断片を知ることによって次第にミステリーの様相を呈してきます。
ただ優しく接せられるだけではきっと怖い。祐未の存在が頼もしかったです。
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病院で目覚めたわたしは記憶を失っていた。夫と名乗る男に、わたしは違和感がぬぐえない。帰宅させられた家には冷たい義姉と認知症の義母。夢の中に出てくる愛しい人と思えるのは夫とは違う人で…。いきなりそんな状況になったら、何もかも疑心暗鬼になるものだろうなと思います。主人公の心の揺れが、サスペンスタッチでしっかりと伝わってきました。自己防衛で記憶をなくすと言いますが、なくしたところで、もっといい世界が待っているわけでもない。記憶が戻ればよいというものでもない。さらっと読めましたがなかなかきついお話でした。
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ちょっと入り組んでたというか、思いがけない展開で一気読み。
麻薬みたいな恋かぁ…と多少の興味もあるけれど。縁のない世界というか、本の中だけでいいかな。