紙の本
半年かかった
2019/06/19 22:11
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
厚かった。長かった。
読むのに、重くて苦労した。
内容もさることながら、
なかなか、読むのが大変でした。
なので、
みなさんのコメント等を読んでみても、
みなさん余裕あるんだねって感じ。
なかなか評価がむずかしいです。
ネタバレしそうなので、控えます。
投稿元:
レビューを見る
とにかく生きることに必死だったんだな、と思う作品でした。
生きるだけで大変。
生きていても大切なひとも守り切れないし本当のことも知りようがない。
自分の生きる場所なのにままならないとはこんなに苦しいことなのか・・・。
投稿元:
レビューを見る
読みながら血が沸騰するのを感じた。ページをめくる指先からその、沸騰した血が滲むような。
これは、ずっとずっと私が知りたかった世界で、ずっとずっと探していた言葉で、ずっとずっと読みたかった小説。
あぁ、もうほんとにすごい。
500余ページの間、私は確かにあの時代のあの沖縄に生きていた。血を吐きながら明日を探して今日を必死に生きていた。
生きている、私の中にも、この血が流れてる。そんなはずないさ、と言われても、そう思いたい。
歴史の教科書では数行で語られる本土復帰の日。あの日までの長い時間の中でどれだけの血と涙が流され、どれ
だけの苦しみと悲しみがあの地を覆い、どれだけの命が奪われてきたか。
私たちは、知ることから始めなきゃならない。まず、あの日、いやあの日の前から、あの日の後から、どこで何が行われていたのか。それは誰が、ということにもつながる。
知らなきゃ。知らなきゃ。
あぁ、ほんと、誰かに伝えたい、語りたい、この物語を。
投稿元:
レビューを見る
何とも熱い、血が沸騰するような小説。返還前の沖縄の空気が息苦しくなるくらいに感じられる。作者は沖縄出身ではないけどなぜこんな話が書けるのかね。
投稿元:
レビューを見る
アメリカ統治下の沖縄。
戦果アギヤーとして、地元の英雄と呼ばれたおんちゃんが、基地から戻らなくなり、その後行方がしれなくなった。
親友グスク、弟レン、恋人のヤマコは、おんちゃんを待ちながら、大人になって行く。
歴史で語られることの無い当時の市井の人達の姿を知りました。
沖縄は、有数のリゾート地としての意識しかなかったことを反省してます。
現代でも、まだまだ事件が起こっている基地の問題。
遠くの出来事に感じていましたが、これからは別の目で見ることになりそうです。
すごい本に出会った、が素直な感想でした。
投稿元:
レビューを見る
戦後すぐの沖縄が舞台。
戦果アギヤーとしてオンちゃんは英雄だった。
オンちゃんを大好きな親友グスク、恋人ヤマコ、弟レイ。
戦果アギヤーの大きな仕事(キャンプ・カデナからの物資強奪)の途中はぐれて、
オンちゃんは行方不明。
レイは捕まって刑務所へ。
ヤマコはグスクとひたすらオンちゃんの行方を探し歩いた。
グスクは自首して刑務所へ。
刑務所内でグスクとレイは様々な人と出会う。
ヤマコは教師になり、返還運動の活動家に、
グスクは刑事になり、さらに諜報員としても仕事をさせられる。
レイは沖縄のややこしいヤクザの世界へ。
それでも3人の心の中には英雄オンちゃんがいた。
どこかで生きていますように。
何か小さな手がかりがあればそれぞれに探していた。
3人はそれぞれに一人の少年ウタに出会う。
顔立ちが混血で、自ずと出自も想像されるが
みすぼらしい格好をしていたためにヤマコはほっとけない。
彼の成長も物語を読み進めていくうちに
すごく気になってくる。
出会った頃は6歳くらいで言葉もろくに喋れなかったけれど
施設で成長し、読み聞かせで言葉を教えてくれたヤマコを
母のように慕い続けるんだ。
戦後から返還までの沖縄の20数年の若者たちの物語。
この時代の沖縄は日本であって日本じゃない。
アメリカに統治され、庶民は貧困を極め、
泥棒する(米軍から)のをやめたら生きていけないくらい。
米軍から受ける暴力に抗うこともできない。
それでも立ち上がり、声を上げ、前を向いて生き抜く人々。
沖縄のアツい空気が満ちみちてます。
3人が生きていないと思うけど、もしかして生きていたら、
という微かな希望のオンちゃんの生きた経緯について
後半にコザの暴動のさなかに
3人が再開し、持ち寄った手掛かりによって
明らかになっていく場面は
涙、涙で読みづらくなってくるほど。
実在の人物も登場し、
いくつかの事件やデモなども丁寧に描かれて
その中に主人公たちが自然な役割を果たして
時代の流れと人々の願いがリアルに迫って来て
感動の波が押し寄せる大作になってると思います。
語り部の口から語られてるって形なのですが
それが時々お茶目で楽しい。
(Myブログ【よくばりアンテナ】から抜粋)
2024.3.10
投稿元:
レビューを見る
沖縄を舞台にした小説はそれほど多くは読んでいないが、今までで1番共感できて、しばらく涙が止まらなかった。たくさんの人に読んでほしい。
不在のヒーローの存在感がすごく、「夜にその名を呼べば」を思い出した。
投稿元:
レビューを見る
長い話でした。第二次世界大戦が終わって沖縄に(その頃は琉球)アメリカの基地ができて返還されるまでの話。
もう21世紀になるのに何にも多分ほとんど何にも変わってないね。
先日ニュースであの綺麗な海に土砂を入れてる映像を見て、なんてことを!と思いました。これは沖縄だけの問題ではない。そういう時にこの本に出会えたのは良かった。
投稿元:
レビューを見る
戦後の沖縄の話。
どこまで創作でどこまでが事実なのかよく分からなかったけど、起きている事件などは事実みたいでした。
沖縄の人達は本当に苦労してきたんだろうな。今も、きっと他の日本人達とはちがう考え方をしてるんだろう。日本人を心からは信用してないのだろうって思った。
芸能人達の沖縄人同士の結び付きなども理解出来る気がした。
投稿元:
レビューを見る
2018/9/2〜9/13
読み応えがあった。重厚な物語。沖縄の、米軍の、日本の、沖縄における太平洋戦争後がどうだったのかを思い知らされる作品。事実に基づいたフィクションなのか、勉強不足の自分には明確なことは言えないけれども(やっぱり近代史を勉強しないとね)、この物語を知れて良かったと思う。
虜人日記のフィクションバージョンって感じか。
それにしても戦争は人をおかしくするよね。誰のためなんだろう。最前線に来る兵隊さんは、本国で恵まれていない、教育されていなかったり、裕福ではない。だから来る。そして人殺しをさせられ、頭がおかしくなって犯罪を犯す。戦争は誰のためなんだろう。
ほとんどの人が平和を望んでいる中、恐らく政治家や一握りの金持ちやらが仕掛けているのか。だとしたら彼らがほんとうの悪なのか(世の中単純ではないけれど)
それを防ごうと抑止力を実行する政治家は悪なのか。そうはではないと思うが、一般の人からは結局、十把一絡げとなって非難され…。本当に考えさせられるね。
登場人物の個性や取り巻く環境の変化や、恋沙汰なんかも絡み合って、面白かった。
ギブサーは怖かったなぁ。オンちゃん、ウタ、生きてて欲しかったよ。心の中で生き続けていくということなのか。
本は自分が経験できないことを教えてくれると改めて思った。感謝。
投稿元:
レビューを見る
戦果アギヤーたちの生き様を、返還までの沖縄を舞台に描いた物語。
伏線の張り方が見事だった。
沖縄という島の翻弄されて来た歴史の深さに打ちひしがれる。
投稿元:
レビューを見る
沖縄問題は深い。こんな歴史があったんですね。本土返還も地元の人は喜ばしいことばかりではなかった。世界に戦争なんてなければ基地問題もないのに。みんなが平和に暮らせる世の中になってほしい。
投稿元:
レビューを見る
あきさみよう!めちゃ面白かった。
沖縄をめぐる問題の見方が変わる。
悲劇的な状況なのに登場人物たちがどこか明るく楽天的。「あがひゃあ」「あがあ」という悲鳴もなんだかいい。沖縄の人たちのおおらかさやたくましさが伝わる。語りもいい。グスクというキャラクターがいい。嫁はんとのやりとりも最高だった。
投稿元:
レビューを見る
「キジムナーkids」を薦めてくれた友人に読了を知らせると、さらに推奨されたのが、この本。「キジムナーkids」の青春版、リアル版でもっと圧倒されたと。しばらく手を付けていなかったら直木賞受賞したりして、どんどん大きな作品になっていきました。同時に今年2月24日の普天間飛行場についての県民投票、4月21日には衆院沖縄3区補選が行われ沖縄の住民の基地についての想いも表出しています。やばいやばい、友人との再会前に読まなきゃ、と扉を開いたら、あれよあれよ、物語の中に引き込まれてしまいました。いや、物語というより神話でした。「キジムナーkids」は著者、上原正三の自伝的作品でしたが、本書の著者は沖縄出身ではないのに、このテーマを選び、この作品に仕上げた能力に驚嘆しました。受賞の言葉として「戦果アギヤーのように、フェンスを越えて戦果をつかみ取る書き手でありたい。」と言っていましたが、すごい戦果を持ち帰ったものです。テーマだけでなく、( )を多用し語り手の突っ込みや囃し立てを挿入する講談師のような文体、シンプルかつディープ、シリアスかつユーモラスな主人公たちのキャラクター設定、そして英雄伝説によってすべてが駆動する神話的構造を堪能しました。基地問題をもっと多くの人に知ってもらうために直木賞受賞はよかった、とは著者の弁ですが、そういう主題をこんなエンターテイメントできるのはすごい!読了後、熱に浮かされるようにハードディスクに録画しっぱなしになっていた一昨年のHNKスペシャル「沖縄 空白の1年 1945-1946〜“基地の島”はこうして生まれた〜」を見ました。この物語の前史にあたる発掘ドキュメンタリーでしたが、マッカーサーの「アメリカ軍による沖縄占領に日本人は反対しない。なぜなら沖縄人は日本人でないのだから」という言葉に、この問題の原点を見たような気持ちになりました。また平成の振り返りで前の天皇陛下の沖縄訪問の際の火炎瓶事件の映像が繰り返し流されましたが、これも沖縄の歴史をきちんと伝えないと日本と沖縄の溝は埋まらないのだと思います。アメリカに利用され、日本にも利用され、それでも前を向く沖縄の「なんくるないさぁ」スピリットだけ賞賛するだけではイカンと痛感。その中で、ラストの手紙に出てくる「あきさみよう!」という島ならでは感嘆詞に救われました。この本を薦めてくれた友人には「宝島、あきさみよう!」と伝えます。
投稿元:
レビューを見る
センカアギヤーにつじつま合わせのような終わり方をつけて欲しくはなかった。
アメリカーの横暴さ、ヤマトゥの身勝手さがウチナーの悲しみを終わらせない。同じようにこの物語も終わらない。
いつになれば沖縄は…。