紙の本
これで分かった。
2018/10/24 16:06
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投稿者:まーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ人が、みんな帰国するのか、この本を読んでわかりました。いつも最新情報をいただきありがとうございます。
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日本では最近、安倍首相が自民党総裁選挙で3選を果たし、安倍政権は長期になりそうですね。長期政権になって良い事と言えば、国際会議で存在感が増すということでしょうか。今はかつて以上に、アメリカ以外にも欧州や中国との関係にも気を付けなければならないので、ご高齢で大変とは思いますが、日本のために頑張ってほしいと思います。
さて、この本は私が社会人になってから長年お世話になっている、アメリカ在住の日高氏により執筆された本で、今年(2018)五月末の出版で、内容はオバマ大統領の後を継いだ、トランプ大統領がアメリカがどのようにしているかを紹介・解説した本です。日本の場合は総理大臣が変わっても日本の変化は少ないと思いますが、アメリカの場合は180度変わると言っても過言ではないようですね。
オバマ大統領時代には禁止されていたこと、またオバマ大統領が政治生命をかけてまで導入した保険制度は変わってしまったようです。エネルギー関連の企業に勤務している私にとっては、この変化は良い方向のように思いますが、これらを含めて現在アメリカで起きている変化は、果たして日本にどのような影響をもたらすのでしょうか、この本を読んで考えされられました。
一つ言えるのは、トランプ大統領は政治家の経験が少ない代わりに、長年ビジネスの世界で、ジェットコースターのような人生を過ごしています。何をすれば国民にとって得なのか損なのか、それをかぎ分ける能力は最も優れているのではないのでしょうか。
マスメディアの報道や、私の勤務している米国本社の同僚からは得ることができない内容が、この本には含まれていると思いました。これらを踏まえて、残りの社会人生活を過ごしていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・財界人のトランプ政策に対する評価として、1)素朴な自由主義経済に立脚している、2)社会主義的政策を否定している、3)実務的である(p16)
・2017年12月20日に、大型減税法が成立して、減税の成功とアメリカ経済の将来を楽観する演説を行った。これは1980年代のレーガン減税をしのぐ大幅なもの、特に今まで異なり、投資した資金に減税が認められた(p24)
・オバマ時代の8年間、CFPBという機関のため金融機関は活動ができなかったが、トランプはこれを実質的に解体してアメリカ金融機関の活動を自由にした、アメリカにとって良い仕組みは、TPPなど加盟国の多数決によるのではなく、政府間の個別の話し合いと取り決めにより運営するもの(p27)
・石油生産に関する規制、天然ガス・シェルオイル輸出の規制も廃止した、カリフォルニア州の海岸線を通過して、テキサス州のタンカー・ガス輸送船が運んではいけないという古い法律を全廃した(p28)
・オバマケアの仕組みを変え、強制的に保険加入させるための罰則も廃止、保険に入れない人に対する国家援助も廃止した(p29)
・新しいアメリカの核戦略によれば、核兵器を抑止力ではなく、現実に敵に対して使えるようになった、これは大変換である、2018年1月19日に調印して、小型核兵器製造にとりかかった、こ���は日本を守ってきた同盟体制が消滅することを意味している(p47、52)
・リアリスティックストラテジーとして決められた原則が幾つかあり、その第一は、海外に駐留するアメリカ軍基地を全部撤廃して、アメリカ軍を本土に引き上げる、更には軍事同盟をすべてやめてしまうこと、これはオバマ外交軍事戦略と変わらない、また海外派兵を行わない(p67、69、71)
・アジアの地勢的範囲として、アメリカ西海岸からインド洋、それにアフリカ大陸の東海岸までをひとまとめにしている。日本は、この地域にひとまとめにされている(p73)
・現在は、クリントン以来の合わせて24年間分の軍事的失敗がトランプ政権にのしかかってきている(p76)
・オバマはシリアの内戦への対応でも大失敗をおかし、ロシアに地中海への重要な出口を奪われた、これによりロシアはウクライナから黒海、そしてシリアへという欧州大陸を南北に横断する軍事体制を確立した(p79)
・2018年の中国のGDPの伸びは1-2%程度であろう、原油や天然ガスの消費伸び率がほぼゼロに近いことから(p94)
・中国はアメリカ連邦債の大半を借金の支払いのために売り払ってしまっているので、ドル体制を弱体化させることはできない(p96)
・1995年アメリカ議会はエルサレムをイスラエルの首都と認め、アメリカ大使館をテルアビブから移転することを決めたが、それまでの大統領が先延ばしにしてきた(p114)
・ブッシュ時代と違って労働者が安心しているのは賃金が上がった事だけでなく、雇用が安定したこと、健康保険・個人年金の積み立てなど、起業から援助を受けられる(p176)
2018年9月23日作成