紙の本
古風で可愛らしい子どもの神さま
2019/02/08 12:44
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投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とある田舎の村を舞台にした、古風でお菓子が大好きで、人懐っこく、鈴をとてもきれいな音で鳴らす子供の神様の物語です。過去から現在までの色々な時代においても変わることなく、村人たちに愛され、見える人だけに姿を現し、無邪気な子どもとして接する神様がとても心地よく感じました。昔出会った神様に大人・年老いてから出会っても、昔と変わらず、そばにいて話をしてくれる子供の神様は、成長するにつれて失ってしまった気持ちを思い出させてくれるようなそんな気がしました。
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鈴守なる子供の神様を巡って繋がれる様々な人間模様を描くファンタジー小説だ。神様は人間の住む世界のすぐ隣りにいながら、別の秩序、時間の中で生きている。でも、一部の人間とは交流が可能であり心を通わせることもできる。神というより、精霊とでも言うべき存在であるが、それが最後には時間と空間を超えて人や場所をつなぐ鍵となっているという話だ。
構成がうまく、引き込まれる内容である。日常とは別の世界で生きる存在を軸にするモチーフは他にも色々あるが、いつまでたっても成長しない子どもの神様をそこにおいたことによって緩和をもたらす存在として機能しているのがこの話の特徴だ。
産土神の信仰がどんどん薄れていく中にあってこういう物語はむしろファンタジーの素材になっていくということを痛感した。日本の神々は別の形でわたしたちの精神世界に棲み着こうとしているのかもしれない。
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やさしい想いに満たされる、ほっこりファンタジー!
疲れた心にじんわり効きます。
四国の山間にある小さな町・高野町を舞台に、さまざまな時代に生きる人々と、
愛くるしい男の子の姿をした鈴の神さまのふれあいを温かく描いた短編連作。
中学生の冬弥は春休みに訪れた四国の祖父の家で、不思議な男の子・沙耶に出会う。
甘いものが大好きな可愛い子どもにしか見えない沙耶は、実は「鈴の神さま=鈴守」だった。
ずっと続けてきたピアノとの向き合い方に悩んでいた冬弥は、沙耶と過ごす時間を通して
やわらかな気持ちを取り戻していく――表題作「鈴の神さま」のほか4編を収録。
おじゃる丸を想像しちゃう笑
最後泣けます。゚(゚´Д`゚)゚。
ブックサンタに♪
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心がほっこり。おじいちゃんが急に亡くなったときは、その後の展開がとても不安でした。でも、神様の時間と人の時間の歩みの違いが、最後に楽しい時をもたらせてくれる。それが、とても嬉しかったです。私も沙耶様に会ってみたいです。
出来れば、冬弥と沙耶様の過ごした夏休みを、読んでみたいです。