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怪物清原の自伝ともいうべき本。インタビュアーが1年かけて2週間に一度、「壁の白い部屋」で幼少のころから現在に至るまでを聞き取り、清原の人間性を深堀している。他のスター選手と違うのは、血のにじむような努力はしなくとも、恵まれた体格、体力、野球センス、強運により頂点を極めたというところか。イチロー、松井、桑田などの努力の天才とは対極をなす。それに加え、純粋な高校生のまま大人になってしまい、天狗になった彼を適切な方向に導くメンターに恵まれなかったことは不運と言えるのか。夢を失った時に何をしていけばよいのかわからず、どん底に落ちて行ったことは今となっては周りにいた人間は予測できたのではとも考えてしまう。常に第一線で報道されてきた清原なので、読んでいてさまざまな場面の映像が頭に浮かんでしまうところは他の本と一線を画している。なぜか、栗本薫のグインサーガに出てくる「イシュトバーン」と重なるようにも思えた。
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才能あるパフォーマーには自己評価型と他己評価型があると思う。清原和博はあくまで後者で、輝かしい光と喝采を追い求めた。巨人と言う舞台で・・・。
「ファンの歓声が僕のパワーの源」そう言い切る彼に歓声が絶えた後は、喝采を浴びた過去の多幸感に執着し覚醒剤に手を染める。
もっと覚醒剤に手を出した経緯など詳しく描いてあるのかなと思ったらそうではなく、少し記述があるだけでやんわりとスルーしている。
結婚した時のことも描かれてなくて、残念な選択が多かったねと同情せざるを得ない内容だった。
もし彼に野球の才能もなく、居酒屋の大将であったら幸せな人生を送っていたのではないか。
才能とは試されるために与えられたものなのかな・・・と思わずにいられない一冊だ。
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清原ってすごい繊細なんやね。結局あのドラフトが最後まで付きまとってしまったんだよね…でも 復活して欲しい
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読み物としてすごく面白く一日で読破。
ただ内容はこちらが哀しくなるほど繊細で幼くて純粋で自分が知ってる清原のイメージとかけ離れていて知らなきゃよかったと思ったりもした。
歴代甲子園球児の4番は清原(ちなみにエースは松坂)と信じる自分には何か裏切られた気分。
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野球をやっていなかった自分にとって清原和博という人物は英雄でもなんでもない
ただ、野球は日本ではメジャースポーツ
スポーツニュースでも未だに毎日取り上げられる
そういった中でどんな感じの成績を残した選手かはなんとなくしっているという感じ
選手として、人間としての興味はほぼないのだが、やはり薬物で捕まったというのがあるので、そこの部分についてどういう「告白」をしているのかに興味があり手にとった本
まず、幼少期からPL学園時代の思いを吐露
幼少期はそんなだったんだと思いつつ、テレビなどでも見られる清原のキャラクターから「あー分かる分かる」という感じ
PL学園時代は少し意外と言えば意外
一年からレギュラーだったと思うが、それでも上級生から相撲界で言うところの「かわいがり」があり、それなりのスター選手だったのではないかと思うが、特別扱いは全く無かったとの事
ただ、桑田は特別扱いされていたという印象を持っているようだった
PL学園の異常さなのか、日本の高校野球の異常さなのか。。。
個人的には全く理解できない部分だが
そしてドラフト
ここは未だにわだかまりというのか気持ちがある部分のようでした
桑田ではなく虚人軍に対しての気持ち
西武時代
個人的には清原に対して「騒がれていい気になりやがって」というような感情しか持っていなかったが、自分がそう思っていた時に彼がどういう思いで野球に取り組んでいたかを知るとなんというか感慨深いというのか
虚人時代
ドラフトの事もあるけれども、虚人の自分の扱いについてよく思っていなくて、虚人軍には良い印象は無いようでした
野球選手としては肉体改造をしていった経緯などについて触れられていましたね
仰木監督からの誘いとオリックス時代
ここはもう晩年
虚人からは戦力外となっている事もあり、力も衰えつつ怪我も増えつつ
その時の思いを吐露していました
引退後
ホントに野球だけやってきて、引退後の事もイメージしていなかったのでしょうね
戸惑いながら来る仕事をこなしていた
野球をやるというよりも、男と男の勝負がしたかった
ホームランを打つことよりも、ボールを誰よりも遠くに飛ばしたかった
そういう事だけに充実感を持つ人間だったので解説やらテレビの仕事をしていても充実感は全く無かったようです
そんな中で漠然として将来への不安だけがあるみたいな
そこで酒に逃げて、悪い人間との付き合いが始まって、覚醒剤を使うようになって。。。と転げ落ちた
それが疑惑として記事になる
その辺りで奥さんも離れていったらしい
この本の中では酒はのんでも、クスリはやっても家庭には影響が無いようにしたというように書かれていた(Numberの記者との対話を文書に書き起こしたとの事なので、対話の中でそのように語った事が書かれていると思われます)が、その内容で強い違和感を感じた
奥さんが離れていったのは家庭内で何かがあったからだと思う
何も無く離れていく事はない
おそらくだが本人が覚えていないだけで、お酒の影響、クスリをやっていると思わせる行動といった事が日常生活内にいくつかあったのだと思う
そういった影響は無かったと語っているという事は、そういった客観的事実に全く気付いていないという事でしょう
最後まで生々しい告白で読み応えがありました
清原の薬物報道があった頃、「彼は自分に甘い」というような指摘が多くあった
そこは間違いない
ただ、この本を読んで感じたのは「自分を認識してほしい」「自分を認めてほしい」という承認欲求が人よりもかなり強い人物なのではないかという事でした
小学校3年生でリトルリーグのチームの入団試験を受けたところ、他の4年生や5年生よりも高い成績を残し、すごく嬉しかった
リトルリーグでは親御さんが見に来ると良い結果を出せなかった
→いい成績を出して認めてもらいたかったが、力が入ってダメだった
プロに入ってからはエース級ピッチャーが「相手が清原だから」と本気を出して投げてくるボールをそれなりに打ったりしていたが、敗戦処理投手のボールはあまり打てなかった
虚人に移籍する時、自分に対して特別な扱いをしてくれずに「来たいなら来れば」という態度だった
球場の応援が止まった事は耐えられなかった
同じように松井敬遠で清原勝負というのも耐えられなかった
球場の応援でいつも以上の力を出せた
→観客が認めてくれてないとダメ
などなど、、、とにかく気持ちのムラがある人物
そこは自分でも認めていて、王さんや松井のメンタルはスゴいと書いていた
単純に野球能力だけでプロになった人
どこかでメンタルを矯正されていればもっと上に行けた人
ただ、おそらくメンタルを矯正される事は無かったのではないかと思わせるくらいの人間臭い人
そして、気持ちは整わずに能力だけでプロになって並ではない成績を残した人
読む前よりも人物に興味を持ちました
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あれだけすごい能力を持っていても、人をうらやんだり、自信を無くしてしまったりする。そういった弱さがさらけ出されていた本でした。
やはり、相対感でものを捉えてしまうと、一時の快楽はあるかもしれないけど、どこまで行っても充足感が得られない。そこが、後の薬物とリンクしてしまったのかもしれません。
そのような意味では、イチロー、松井などは、相対感を抑制し、自分のやるべきことに集中したところが良かったのだと感じました。
依存症やうつ症状の回復を願ってます。
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謙虚と傲慢、純粋と狡猾、率直と欺瞞…。
清原さんが全身から発していたものは、少なからず私自身の心にも巣食っているものでした。あなたを破壊したものは、私の中にもありました。
これは極端な人間らしさの記録です。
どうしようもなさ、ままならなさの記録です。
取材・構成の担当者鈴木氏の後書きの抜粋です。
この本はこの後書きに尽きると言えるのではないか。
同世代のスター清原。野球にそんなに興味がなかった私にさえ、その輝きは眩しかった。
色々あって、番長などと言われている清原氏は、なんだか胡散臭く、不潔に映った時期もあった。
しかし、この本の中で語る清原氏は、華やかな才能と大きな欠落を抱えた、自分と違う地平にいるわけではない人だと感じられる人だった。
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『男道』の時から比較して、当然ながら勢いの無さが非常に目立つ内容。語り口は違うが、話す内容はおおむね同じか。文中、清原氏を過去の遺物のように感じた、というライターの感想がさしはさまるが、まさに内容後半に進むにつれて、彼は「一番良かった」と感じていた時との比較で、物事をずっと見ているのだな、ということが読み取れるように思う。スターは一度味わった栄光を忘れられない、というのは良く言われるが、どうもそれとも違うような。清原の尺度(男気とか人情家と言われる所以もそこにあるが)は厳然としてあるのだが、それが緩やかに世間と乖離していき、自身、すり合わせることをしなかったために、覚醒剤事件を起こしたということなのだろう。そして、その原因を自身に求めず、王氏、桑田氏、松井氏など、その時々で周囲に求め、「自分は悪くない」と無意識に自己防衛しているようなところが、「大人になり切れない」とか「不器用」と言われる理由にも繋がってくるのではないか。子供の頃に憧れた大スターであっただけに、なんとか社会復帰できればよいのだが……。
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『告白』(清原和博)とタイトルがうたれれば、覚醒剤事件をきっかけにした、彼の自分を見つめ直した心境が語られのかと思いきや、そこはあっさりで、肩透かし感が強く残った。
内容も全体的に読む者をどうしようもない深みに誘い込むような強いものは感じなかった。それは、最後に書かれているように、このインタビューの聞き手が清原に寄り添い過ぎたからなのかとも思ったがそれだけではない。
もし、ここに辣腕のインタビューアーがいて、清原和博の今の心境を綴ることで、読者の共感を得ようとプランを立てれば、もっと迫真に迫る本を作りあげることはできた。
ただここでは、この本をとおして知った清原和博を私の感じているままに伝えてみよう。
世の中に生を受けて成長し大人になっていく過程で、多くの人はその場、その環境のなかで、自分が影響力をもてるように、せめて生きてきたことを肯定できる安住の世界に住めるようにと変わっていく。純粋に野球が好きで「ホームランを沢山打って、王貞治の記録を抜きたい」と思って、高校野球で活躍し、プロ野球でさらに花開いていくと、本人が意識するとかしないとかにかかわらず、野球界という“界”に取り込まれていってしまう。あの純粋な長嶋茂雄だって、肩で風切ってオレ流を貫いた落合博満だって、自分の人生の活躍の場をその“界”の中で想像し、築いていく。
これは、野球界に限ったことではない。スポーツでも、芸術でも、会社でも、学問でも同じだ。若さに任せてガムシャラにやってきた報いは、そんな自分の実績が生み落す果実の収穫にあるのだから。
岸和田生まれの体格の良い少年は、馬鹿がつくほど純粋過ぎた。この本を読んで感じることだが、“自分を見つめる“といっても、浅い。50才を過ぎたオッサンがこの程度の自己洞察力しか持っていないというのが辛くなるくらいだ。
しかし、私はこんな清原和博が好きだ。
多くの大人が“界”という実績をもった人間たちが築くナワバリの中で、見通しの利く人生の後半戦を生きようとするが、大人へのなり方を知らないかのように、いつまでも、『真っ向勝負』に拘った野球小僧から抜け出せないでいる清原。
たまに、こういう人生の選択をする人がいる。
昭和の野球はそれで良かったのだし、見ている人もそれを美しいと思っていた。だから、その美しさを求めている人に清原を好きな人が多い。
仰木監督は違う時代に出現し、モガキ苦しんでいる清原のことが手にとるようにわかっていたのだ。
『俺が2年後に、清原和博の心境を掬い取って本を出したい』と思った一冊。
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読みたかった告白とは違ったけど、ちょうどオンタイムでずっと見てきた側としては、想像してた以上の苦労があったことを知って、同じ人間としてホッとしたような、残念なような
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過去に向き合うということは、なかなかできないことだと思ってる。インタビューの内容に驚くようなことは感じられなかったけど、過去の自分から逃げずにいる様子は窺える。このままで終わってほしくないと、心からそう思う。
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野球にあまり興味がない私でも清原選手のことは知っていますし選手としてのスゴさも理解しています。私は清原選手はいわゆる天才なのだと思っていましたがこの本を読んで全くそんなことはなく、自分のできる最大限の努力をしてきたゆえに私達一般人にはわかり得ないような壁に何度もぶつかってきたんだとわかりました。確かに麻薬で捕まってしまったことにより世間からの扱いが180度変わってしまったと思います。ですが自分はそんな清原選手がそれでもと勇気を振り絞って出したこの本を読みたいと強く思いました。そして厳しいとは思いますがまたテレビに出て麻薬になんか負けない強い清原選手が見れるのであればそれは私だけでなく多くの人を励ますことになるでしょう。これからも応援しています。
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スポーツグラフィック「Number」による
清原救済策第1弾(だと勝手に思ってます)
少年野球から引退までを赤裸々に語る。
あとがきは涙なしには読めません。
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清原和博の栄光と挫折。
スーパースターの階段を駆け上がった人間は、同時に心の強さを兼ね備えておかないと、その"特別感"に自らを蝕まれてしまう。
スーパースターの、モラルを欠如した行動。
いつの世も、世間を騒がせる。
内容は薬物依存の人間を生々しく表現しており、栄枯盛衰が痛いほど伝わってくる。
そして、筆者のあとがきがすべてを物語っている。
人間誰しも持ち合わせている巣窟に気付かされるインタビューであったと。
これからも心を強くしよう。
心が強くないと、先には進めない。
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3.5点
清原選手が充分凄い選手なのに、覚醒剤関係なく他の薬にもいっぱい頼り過ぎだと思った。そして、上目指し過ぎてボロボロにしてまった。
覚醒剤後の話は『何でしちゃったんだよ』何回も思った。