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行動経済学はキャッチーなのでお手軽本が出過ぎていてちょっと辟易していましたが流石大竹先生の本は違いますね
医療現場の具体に関してわかりやすい解説を得られました
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医師ー患者関係を行動経済学観点から紐解いていくという試み。参考になる事例がたくさん記してある。ただ、問題への解決策に関しては具体的な記述はなく即効性を期待して読むとがっかりするかも。
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学問としてみるなら良いのだが、これを使ってどうこうする気にはなれないし、人間はそんな単純じゃない。
ナッジを多用したらただの形を変えたパターナリズム。
マーケティング分野ではもっとデータを駆使して購買行動を自社に誘導していることを考えると医療分野はデータも少ない。それが倫理的とも言えない。
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医療現場でのありがちな状況を会話調と意思決定バイアスでの説明は画期的
覚書
生命維持治療の差し控えと中止が異なる医療行為に見えるのは、行動経済学的特性に大きく影響を受けている
女性医師は男性医師に比べてよりガイドラインを遵守する傾向がある
女性医師が担当した患者は、男性医師の担当患者に比べて死亡率も低い
他人を思いやる気持ちの強い人の方が看護師に向いている、とは言えない
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理論自体は、難しい、難しい。でも、医療者にとっては、ある!ソレ、ある!な話題も多かったです。P42 ナッジの選び方、P48 せっかちな人や先延ばししがちな人ほど健康的な行動をとらない、P54 金銭的なインセンティブもナッジ?P64 医師と患者の間でリスクに対する態度には大きな違いは無いが、時間割引率については医師よりも患者の方がせっかち。長期的かつ安定的に効果を発揮するナッジの開発、P65薬の服用、P80 ベスト・サポーティブ・ケアについては、担当医の多くは説明できるほどの言葉を持ち合わせていない為に積極的治療の差し控えやBDCについての説明はもっともらしくない。医師・患者だけではなく、知識や言葉を持ち合わせたMSWや訪問看護師が適任。P84 行動経済的アプローチを用いたがん患者の意思決定支援。患者が有するバイアスの理解。P88 治療を受けることに対しての損失回避の考え方。P95 がん患者の意思決定支援に行動経済学的アプローチを用いることの倫理性、P96 ナッジは、患者の意思を誘導している?P102 対策型がん検診。政策としてのがん検診とは。P113 乳がん検診受診の行動変容。P155 がんに関連する意思決定に対する後悔。P158 やった後悔とやらなかった後悔の比較。P162 がんの終末期医療において患者が直面する後悔の、3つの大切なポイント。P231 事前の意思決定はAD、ACPはある程度の役には立つが、実際にはそれですべてを急性期の意思決定と同一視する訳にはいかない。P246 ナッジで医師の診療行動を改善させる、P259 行動経済学を学んだ緩和治療医が、ACPの視点で。P262 「寝たきりになったら延命治療は受けたくない」という希望を持つ人でも、「実際に寝たきり」になってみると、それほど自分のQOLが悪いとは思わない。
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それぞれの専門家が組むことで読みやすい。やや高いが、このテーマに一貫して沿っているのでアリだと思う。
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本人の選択の自由を最大限確保した上で、より良い選択を促すような仕組みを提供することが望ましいという考えが、リバタリアン・パターナリズムであるが、その中で人々の行動変容に用いられる手法がナッジである。これらの考えを生み出したのが、行動経済学で、その特性を利用すれば私達の意思決定をより良いものにすることができる。本書は、行動経済学を医療の現場、患者さんの考えや行動だけでなく、医療従事者の意思決定や行動まで含めた研究結果を含めた本である。少しでも患者さんの意思決定に役立ち、健康水準を高めるためにも必要な考え方だと理解した。
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医療における患者の意思決定については、日々の仕事の中でなぜこうなってしまうのか?と悩まない日はない。経験則にすがって自己解決してしまうことが殆どだった。行動経済学のアプローチからこのことに挑んだ本書は一読の価値があると思う。
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医療現場でありがちなことを行動経済学から解説され、その対策の検討方法が提示されています。
エビデンスで説明しても、近所のおばさんの話に負けてしまうのは、ヒューリスティック。
また、子宮頸がんのワクチンは副反応が問題になっていますが、医師が重篤な症状として報告した症例の頻度は0.007%(約890万回接種)。
これに対して、子宮頸がんは、全国で1年間に新たに約1万人が診断され、約2800人が死亡している。
子供は接種させたいのですが、様々な行動経済的特性が立ちはだかっています。
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ノーベル経済学賞でも注目された行動経済学ですが,情報の非対称性や不確実性の要因が大きい医療現場でそうした知見を生かそうという発想は自然です。本書では行動経済学の基礎知識(プロスペクト理論,限定合理性,ヒューリスティックスなど)が具体的に解説されていますが,特に意思決定の場面で,リバタリアン・パターナリズムの立場から「ナッジ」を医療現場で活用することの意味(単なる誘導とどう違うのか?)に関する一節は,大変興味深いところです。
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行動経済学の基礎から具体例まで、端的にまとまっていた。
自分に現在バイアスがあることを自覚し、コミットメント手段を用意しておく、賢明な人になるべく、コミットメント手段、ナッジをいろいろ準備しておくべ。現在単純な人より。
→仕掛学再読してみよっと。
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医療における患者や医療関係者の意思決定を行動経済学から捉えなおした本です。人間は物事を合理的に考えるものだという常識を崩したのが行動経済学です。損失を避けようとするあまりおかしな選択をしてしまう損失回避や同じ内容でもその表現方法で選択が変わってしまうフレーミング効果など、行動経済学の解説し、医療現場で患者や医療関係者がしてしまうバイアスのかかった選択に関して、行動経済学的に解説しています。隣の家の人がその手術をして死んだので、その手術は絶対受けたくない(利用可能性ヒューリスティック)、長く抗がん剤治療をしてきたが、効果がなくなり、抗がん剤治療を止めた方が、副作用に苦しまず、QOLの良い余生を過ごせるのに、抗がん剤治療にこだわってしまう(サンクコスト・バイアス)など、腑に落ちる部分が大きいと思います。ただそれにどのように対応すべきかは、書かれてはいますが、まだまだこれから研究される分野だなという印象で、回答は書かれていない印象です。でも行動経済学的考え方を持つだけで、個々で対応を試行錯誤することは可能かもしれません。頭の整理になる本です。
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日々の臨床現場で、医者の思惑と患者の思惑が食い違ってしまうことはしばしば経験する。どうしたらいいんだろうと悩むことも多いが、いつの間にか慣れてしまって仕方がないかと諦めてしまっていうとも多い。そんな問題を行動経済学という立場から読み解いて行く本。筆者は医師ではないようだが、参考に挙げられている具体例は、よく体験する事象ばかり。今までは、どうしようない患者、と切り捨てて考えがちだったことを、ちょっと違った方面から考えることができるようになった気がする。患者よりは医師が読むべき本だろう。
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行動経済学の考え方を医療現場に当てはめた本。この本のなかで書かれている行動経済学の考え方に、これといって新しい主張はないが、実際の医療現場の事例・データが豊富に掲載されており、より実践的な内容になっている。
医者:知識がある、患者:知識がないという構造から、長年、医者の言うことを黙って患者が聞くというパターナリズム(家父長制)であった医療現場も、近年は本人の納得・同意が重要視されてきた。一方で、患者の行動は、必ずしも合理的ではない。行動経済学の知見を応用することで、患者の意思決定パターンがある程度見えてくる。また、非合理的な行動を取るのは、患者だけでなく医者にもあてはまる。
バイアスを理解し、ちょっと後押し(ナッジ)することができれば、本人の意思に沿ったより賢明な選択ができるようになる。
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ケーススタディが豊富で、実践的な上に、思った以上に温かみのある内容だった。前半は教科書的で味気ないものの、学部で学んだことのrefresherとしては程よい。