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ハウスメーカーにしっくり来ない方&建築を志す高校生大学生へ
2018/09/01 04:04
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投稿者:sak - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了して最初に考えたのは「ぼくらの家」を読んで、何年後かに一番読んで良かったと体感できるのは誰か?ということ。それがレビュータイトルになっている。
「家を買う」に違和感ある方、ハウスメーカー回っても回ってもしっくり来ない方、注文住宅なはずなのになんかパッケージぽいなぁと感じてる方、土地はあるのに形や場所が悪い方、拘りと予算のバランスが取れてない方、建築家と対話したい方などパッといくつも思いつくこんな方々は読む価値ある。
また建築を志す高校生大学生はP.246の「おわりに」だけでも目を通してほしい。
「家を手に入れる」ことは多くのクライアントにとって人生で一度きり。著者であり建築家の光嶋はクライアントからの依頼を人生の”ハレ”の舞台で仕事し「幸福のおすそ分け」してもらってると感じると書いている。そんな”ハレ”の8つの家と未来の自宅が構成となっている。
そんなこの本の特異なところのひとつめ、各クライアントからAnswerが章末にあること、ふたつめ各章で目線が変わること。建築家目線ではなく「家」「ネコ」「石」「娘」「息子」「炎」目線である。
ひとつめがあることで建築家からだけな書き方にならなくクライアントの本音が分かること。
ふたつめは敢えて目線を変えることで客観性を担保しつつ建築家として伝えたいことを代弁させることで腑に落ちやすくしている。
「家」が漠然とでも頭にある方は、もし本屋で手に取れるなら、各章末のAnswerSong(特に第二章にあたる祥雲荘から)だけでも読んでみて欲しい。(第一章の凱風館は思想家内田樹自宅兼道場で別枠)そこだけでも読めば買って読む価値があると分かるはず。
そして「家を買う」のではなく建築家と二人三脚で「家を建てる」ことに興味を持つはず。
建築家や個人の設計事務所はネットの普及したこのご時世ではそんなに敷居が高くはない(ちゃんとホームページで家を公開してくれてる建築家が多い)
「家」は《ハウスメーカー》や《建売》で間取りを見て「買う」のではなく「自分で建てる」という選択肢を持てたならこの本を読んだ価値は十分にあると思う。
建築を志す高校生大学生は、受験や卒論修論、資格試験の先にこそ学ぶことがあるのが伝わると思う。それを明記することなく伝わるのは本書の良いところだと感じる。
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