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ほとんどないことにされている性暴力についての問題提起。男だから・女だからではなく、個々の人間が生きやすい社会になってほしい。
世の中には、なんのために教育があるのか。
私たちは、なんのために教養を身につけるのか。
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著者の日常に沿ったエッセイ。
痴漢する人の認知が「痴漢されたい人がいっぱいいる」と思うまでに歪んでいるのか、と知って衝撃だった。
その主張のソースも一緒に記してくれていたから追いやすかったし、ツールが普段使うようなありふれたものだったので、聞いてばかりいないで自分でも調べようとするきっかけになった。
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様々な立場の人が読み、「ほとんどない」とされてきたことを知ることで、ほんの少しでも社会が良くなって欲しいと思う。
ただ、最も知ってほしい、加害者側に近い精神を持った男性がまずこの本を手に取らないであろうことが残念でならない。タイムマシンで時代を改変するチャンスがあったとしても、石器時代にさかのぼらない限り、いやそこまで戻っても、弱い立場の女性に対する性暴力被害をゼロにするのは困難と感じる。
弱い立場の人に優しく。みたいなフワッとした綺麗事ではなく、加害者を増やさないための具体的な取り組みが必要。幼少期からの教育と、被害者をださないために危険人物の監視、取締り強化。さらに女性を守るためにできることは何でもやって欲しい。それこそ駅に女性専用ホームを設け、まるごと女性しか乗車できない車両を用意するぐらいしたほうが良いと思う。それでも、職場や学校での危険は無くならない。ホントこの国に絶望してしまう。
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主観的な意見や感情的な意見が多かったので、期待以下であった。
短いトピックごとに分かれているので読みやすい。
学ぶことも非常に多かった。
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今までずっと感じていた得体の知れないもやもやを言葉にしてもらった感じ。誰も教えてくれない日本社会の現状。私たちは声を上げることをやめてはいけない。こんな世の中を変えたい。
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タイトルからLGBTQの話と思って買ったが、「ほとんどない」ことにされている側とは性犯罪の被害者のことだった。すいすい読めるので、途中まで性暴力がテーマだと気がつかなかった。
軽めのエッセイ風にしているからだと思うが、それにしても最近のエッセイなのに、聞いたことあるような話が多い。10年以上前に学校で習った「強姦神話」の話題のような浅瀬でぴちゃぴちゃしているような印象を受けた。
世代交代しておじさんがいなくなれば良くなるんだろうと思っていたが、ずっとこんなレベルで日本の男女差是正が進んでいないのかと驚いた。退行しているんじゃないか。
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日本は、旧態依然として男尊女卑が強く、ジェンダー指数は世界の149カ国中121位と順位を下げ続けている。著者は、学生時代の自らの性被害体験を押し黙ってきた事などから、女性に対する性差別、性被害の多様な取材経験などを通じて、だまり続ける女性に「私は黙らない」と励ます。その彼女の軌跡が、日記形式のエッセイ風にまとめられている。ここ数年で#metooや#kutoo運動へとジェンダー平等の大きなうねりへと変化してきた事など、「黙らそうとしている側の人」にこそ読んで欲しい一冊だと思う。
2020年9月、杉田水脈(みお)議員が、自民党の合同会議の場で、「女性はいくらでもウソをつけますから」と発言したことが、この間大きな問題になった。当人は当初発言を否定していたが、その後、実際に発言があった事実を認めて謝罪した。この問題に対し、オンライン署名は一気に13万6千筆以上を超え、本書の著者である小川たまかさんは声をあげ続けている。
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読んでいて胸が苦しくなることばかりだったけれど、この感覚こそが私たちが今いる社会で「なかったことにしてはいけない」ことそのものなのだと思う。フェミニズム初学者にもおすすめだし、そうでなくてもぜひ読んでほしい。
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うんうん、はっ!としたところメモメモ
「きっと、泣く子どもをあやしながら、持ち寄ったお菓子を食べたりしながら、服を並べたりお釣りを数えたりしていたんだろう。
無数の人生があって、その先に私たちがいる。人生はいつか終わってしまうけれど、その場所にその人は確かにいた。」
「若い人でも高齢な方々でも、タコツボの中にいる私には想像もつかない外来種がいる。ときどき出会うとびっくりして上から下まで観察してしまう。正義は人によって違うから、私は自分のタコツボが正義だとは思わないけど、自分の仲間が増えればいいとは思っている。」
「同じ罪を犯した人でも、一人一人その背景にあるものは違うでしょう。その話を聞くのは加害者の言い訳を認めるためではない。性暴力の背景にある複雑な心の問題、対人関係の問題を世に知らしめ、類似事件を減らすことにつなげたい。」
「自分の加害性を認めて語ること、類似の加害性を持つ人に警鐘を鳴らし「やるな」と言うこと。それが事実を認めた人の役目なんじゃないか。加害者が自分で罪を認めて、なぜ自分が罪を犯したのかを真摯に分析して語ることが一番難しくてツラいことだと思うし、類似の加害性を持つ人への警告になると思う。早いうちにカウンセリング行けよと、罪を犯す前に言ってくれる人がいるならこれが一番いいだろう。」
「加害性は誰の内にもあるものだと思うから。そこから目をそらしてはいけないから。」
「自分らしく生きているって思っているかもしれないけれど、本当にそう?自分らしいってどういうことだろう?と、もう一回自分に問いかけてみて欲しいと思います。家庭環境、情報、社会、教育、知らず知らずのうちに刷り込まれたものを「自分」と思って生きているのではないですか?ってね」
「歳をとったら、歳相応の服を着なさいとか、妻や母親、祖母という役割に自分を合わせないとか、周りの人と同じように振る舞いなさいとか。そんな窮屈な常識はもういらない。あなたはもっと、個性的であっていい」
「ドイツでは、人と自分との境界がはっきりしているり公共の場で他人が何かしていても気にする人がいない。逆に、ベビーカーの乗り入れとか助けて欲しいときには「手伝って!」って臆さず言う。周囲も当たり前のように助ける」
「主語を省略することで、自分と他者との境界を曖昧にすふ感覚。」
「共通するのは「みんな」からどう見られるか、だ。無言の圧力。」
「対話はお互いへの誤解を解くために必要なものであるのだなとも思った。炎上ばかりの現代でら覚えておきたい歴史。」
「それが常識、それが「大人の世界」に合わせることだと私たちは思っていた。誰かからはっきり教えられたわけではないけれど、世の中に散らばる情報の断片を繋ぎ合わせて常識を読み取っていた。
でも、その常識って誰が決めたの?誰が誰の都合のために作り上げた常識なの?その常識が歴然としてあるとして、それを変える話を今の私はしている。私の体は私のもの。その言葉だけを足掛かりにして。」
「美というものには思ったほど絶対的な基準はない。当たり前のことだけれど、10代で、家と学校の往復しかしていない頃には、なかなかそれに気づけない。」
「いろんな人の趣味嗜好を知るたびに、いろんなカップルに出会うたびに、人の受け入れられ方、受け取られ方は多様なものだと気付く。それも成長のひとつ。」
「外見を褒められた時に必死になって否定する、あの文化があまり好きじゃないり素直にありがとうでいいじゃん、と思う。ほめてくれたその人がそう思ったという事実なんだから、自分が自分のルックスをどう評価しているかは関係がない。ほめてくれたその人の気持ちをありがとうとかで受け取ればいい。」
「小中学校の頃に女子の間で言われて一番怖い陰口は「あの子、絶対自分のことを可愛いと思ってるよね!」だった。今になってみると、自分で自分のことをかわいいと思っていて何が悪いのか、まず自分を愛してこその平和だろうが!」
「「ルックスなんてほめたい人はほめればいいけど、大したことじゃない」という外見に対する程よい距離感」
「社会問題について問題提起し、改善していくためには対個人、対社会、対政治へのアプローチが必要だ。難しいのは、その3つに対するアプローチがそれぞれ異なり、ときとして対立する動きになりかねないのと。
大切なのは、各ポジションが向き合っているのが誰(どこ)かを理解し、それぞれの立場を尊重することだろう。同じ問題意識を抱える人同士で対立してしまうのは本当にもったいないことで、その対立はその問題に関心のない人からは怖いものに映り、「なんだかあの問題に関わるのはややこしそうだからやめておこう」になってしまう。
同じ問題に取り組む上でお互いに肯定的無視が必要な局面もたぶんあって、でもいずれさ手を取り合えるようになるといいな」
「働きづらさや生きづらさという、ある立場の人から見た世界の不均衡。それを口にしなければ、世の中は平和だし、誰も怒らない。けれどいったん構造に物申し始めたとき、世界は一変する。」
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本書はジェンダーの問題に焦点をあてて書かれたコラム集。解決策を提示するものではなく、問題提起するための本になっている。
人間というのは、とても視野の狭くなりやすい生き物だ。このような本に出会わなければ、ボクらはこんなに大きな問題すらも認識できないほど忙しい社会に生きている。いや、正確には『認識できないフリをしている』と言った方が正しいのかもしれない。
そう。「ほとんどない」ことにしているのは他でもないボクら自身なのだと思う。
これはもちろん、男性だけに限定しない。女性だろうとLGBTだろうと、ほとんどの大人たちが今の社会では同様に、ほとんどないことにしてやり過ごしている。
ちゃんと直視しているのは、もしかしたら幼い子どもたちだけかも知れない。
そう思うことが、3人の息子たちと過ごしているとたびたびあったりする。
読み終えて思う。
正直、情けなくて仕方ない。なぜか涙が出るほどにそう感じさせられた。
ここまでモノで満たされた文明の中にいて、確実に文化的発展は途上国以下なのが現状の日本だと思う。
問題を認識するのはスタート地点に立ったに過ぎない。本書を読んで次にやるべきこと。それは、個人として出来ることは何かを考えることだと思う。
本書はそのきっかけにはピッタリな本であり、多くの人に読んでもらいたい。
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社会への問題提起。
実際に起きているけれど多くの人が関わりたくない、無かったことになりかける現実社会。
センシティブな内容も多いけれど、リアルでもある。
綺麗な社会しか見えないことにするのでなく、せめて知るだけでも何かが変わるかもしれない。
無かったことにしてきた、されてきたことこそ変わらなければならないのかもしれない。
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「男尊女卑」こんなこと本当に起きてるの⁈
そう思ってる人が読んだ方がいいかもしれない
声をあげることの大切さ_φ(・_・
2021/03/05 ★4.0
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本当にそうだ、と思う事が満載でした。何が問題なのかわからない人のために、こういう本をもっと出版してほしい。外国にも翻訳して日本の現状を知らせてほしい。
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女性である自分でさえ、ほとんどないことにしてしまっていることに気付かされた。
もう物知り顔の傍観者ではいられないなと思った。
何ができるだろう?知ることはやめない。
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性暴力の取材を続けている著者がnoteへの投稿した記事を、加筆修正・一部書き下ろししたもの。時系列にも沿っていて、その時々の時事も絡めた内容になっている。
学術的ではなくあくまでもエッセイ的なもので、だからこそ日常に『ほとんどない』とされてきたことについて、しっかりと眼差しが向けられていると思った。見方が変わったり視点が増える内容で、読んでよかった。男性でシスでヘテロの自分として、それらをどう受け止めてどう振る舞うかをこれから継続的に考えていかなくちゃならないと思った。
「痴漢」とか「レイプ」での検索結果は当時(2016年)から変わっているかもしれないけど、アダルトビデオでは相変わらず痴漢やレイプのジャンルで新作が出続けている。もちろん冒頭でフィクションであることの注意喚起はされているけど、認知が歪んでいる人に対しては、「これで十分だろうか」と怖くなってしまった。