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【心と脳に強烈な影響を与える史上最強のメディア】VR内での体験を脳は「現実」として処理する。人類史上初めての刺激の数々に、我々の脳は対応できるのか。VR研究のトップが語る。
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バーチャルリアリティーと脳との関連や、その利用法に関して最前線を歩み続けている著者の解説本です。製品を売り儲けたい企業家ではなく、科学者の批判的な目でも見られています。具体的にVRを利用してアメフトのトレーニングを行い、大きな成果をあげた例や温暖化問題の教育のVRを作り、第3者ではなく、当事者として、温暖化で生物などがダメージを受けるのを体験することで、成果を上げたり、PTSD患者にVRで再体験させることで治療したりと、具体的に現在の利用状況を示しています。ただ今後の進展方向が未知数であることも認めています。非常にinspireされる内容でした。個人的には著者が有望と考える教育への利用に逆に恐怖感を覚えました。非常に当事者感が生まれそうですので、製作者が刷り込みたい内容の真実性が増しそうに思います。子どもたちの世代がどのように利用していくことになるのか期待と心配がありますが、僕らも無関係ではいられないんでしょうね。
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VRの可能性にわくわく。VRの怖さに恐々。道具は使い方次第。
経験する、させる道具。
大人の社会科見学コンテンツつくりたいな。
カウンセリング教材はどうつくるかな。
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身体化認知 認知を行う知性はもちろん脳にあるのだが、実は身体の別の器官も認知に影響を与えている。筋肉の動きやその他の感覚も、自分の周囲の世界を理解するのに一役買っているのだ。実際、我々がなにかを考えるとき、脳の中でも身体の動きを司る部位が活発になっている
アメフト STRIVR
サイバーボール課題 三人にキャッチボールをさせ、趾第んい一人だけ排除する。すなわち残りの二人からまったくボールを投げてもらえなくなる状況にする手法。
無視されたという被検者の感情は極めて強烈なことが判明している。この体験は痛みさえもたらす。fMRIを用いた実験で、痛みに関連する脳の部位が活性化する様子が何度も確認されている。実験によっては、痛みはなくただ悲しくなるという結果もでている
PTSDの治療用VRソフト ブレイブマインド
医療界が注目するVRディストラクション
ディストラクションが痛みを和らげるのは、注意力が有限であるためだ。私達は限られた数の刺激にしか一度に注意を向けられない。そしてユーザの五感を囲い込んでカスタムメイドの体験をさせるメディアほど、激しく注意を奪い取るものはないだろう。すなわち、ユーザの心を仮想世界へと連れ去り、そちらの世界にいるよと思い込ませるVRには、ユーザを上の空にするという、医療に役立つ副作用があるのだ。仮想世界にいる間は、ユーザは自分の肉体を忘れる
心理学用語 自己効力感 ある目標を達成するには、自分にはそれができるという思い込みが不可欠である。前向きな視覚化が大きな助けになることは医学の文献からも明らかだ。だが、激痛に苦しんでいる患者に対し、もっと足が動かせるという視覚化を認知させるのは難しい。だからこそVR治療で大きく足が動くアバターの姿を見せる意味がある。
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バーチャルリアリティが今後社会に普及していくのに伴い、どのような事態が生じるのかを論じている。著者はVRの制作者としての視点を持っており、全体的に甘い見通しがなされている。また、リスクの多い仕事のシミュレーションにしたり、身体的な痛みを紛らわせる治療法にも応用できるという。暴力を助長するとの懸念は当たらないとしている。あまりにも生々しい表現が抑止的に働くというのだ。
確かにVRの描く世界には様々な可能性を。感じる。ただ今のところは様々な選択肢を考えておいた方がよいだろう。
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あんまり面白そうではなかったので目次と気になったところだけ読みました。
わたし自身VRの威力はPSVRで体験しました。たしかに今まではメディアとは質の違うものであると思います。
でも、そんな心配はいらないでしょう。根拠ないけどネ☆
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https://note.mu/matchyy/n/n617a06531786
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○彼はメリーランド大学テラピンズの奇襲作戦に慣れていたからだ。ホーガンは彼らの奇襲作戦をQBの視点で数え切れないほど経験していた。スタンフォード大学がシーズン開幕当初から導入した、VR練習プログラムの中で。(P.28)
○他人のプレイしているビデオを観たり、図解やOHPを見るのよりもはるかにVRは役に立つ。……間違いなく練習になっているし、非常に複雑な作戦を覚える手助けになる。しかも短い時間で覚えられる。(P.33)
○VRによる訓練の効果はビデオより25%も高かった(P.44)
○「身体化認知」とは次のような考え方だ。認知を行う知性はもちろん脳にあるのだが、実は身体の別の器官も認知に影響を与えている。筋肉の動きやその他の感覚も、自分の周囲の世界を理解するのに一役買っているのだ。(P.60)
○ダンサーたちは自分の専門分野のダンス映像を見ているときは、脳の”ミラー・システム”が活発になるが、専門出ないほうのダンスを見ているときはそれほど活発にならなかった。言い換えると、それまでの人生で何千回となく繰り返し演じてきた動きを見ているときは、実際にそれを演じているときと同じように脳が活性化されたということだ。(P.60)
○VR経験は現実のように感じられ、人はそこから実際の経験に近い影響を受ける。従ってVR経験は、たんなるメディア経験ではなく実際の経験だと理解したほうがいい場合が多い。実際の経験と同じく我々の態度や行動を変えうるのだと。(P.70)
○「マクベス効果」「殺人を犯した罪悪感から自分の手を執拗に洗い流そうとしたマクベス夫人に由来する」だと考えている。これは、自分の論理的は正しさが危機に瀕すると、自分を洗い清めたくなるという心理的効果を指す。我々の実験では、被験者がHMDをはずした後でポンプ式の石けんを使うように勧め、彼らが難解ポンプするか考えた。すると、VRで非論理的な出来事を見た被験者は、論理的に正しい出来事を見た被験者と比べて平均的に多くの石けんを使った。(P.75)
○ゲームデザイナーの多くはVRゲームを作り始めてすぐに気づいたのだ。二次元のTVモニターの中で人を撃ち殺すのと、VRの世界で人を撃ち殺すのでは、まったく感じ方が違うことに。(P.91)
○2014年、徹底的な監視体制のもと、ハンブルグ大学のドイツ人心理学者が24時間をVRルームで過ごし、その結果わかったことを学術誌に発表した。結論部分ではVR研究者に向けて次のように述べられている。「実験中、被験者は数回にわたり、自分がVE(仮想環境)にるのか現実世界にいるのか混乱をきたし、一部のモノや出来事についてもそれが仮想世界に属するのか現実世界に属するのか取り違えた」(P.102)
○左手の代理を務める義手と本物の左手を同時に絵筆でそっとなでる。両者を同じタイミングで同じ向きでなでているうちに、被験者は次第にゴム製の義手が自分の左手であると思い始めるようになるのだ。なぜそうだとわかるのかというと、例えば被験者に「自分の左手を(右手を)を指すように」と指示すると、ほとんどの被験者はテーブルの下にある本物の左手ではなく、ゴム製の義手を指さすのである。(P.122)
○”プロテウス効果(アバターを使うと人は意識せずともそのアバターの外見に合わせてふるまうようになる効果)”に関する内容だった。背の高いアバターを使うと交渉で強気になり、魅力的なアバターを使うと社交的な会話上手になり、高齢のアバターを使うと先々の心配をするようになる。(P.139)
●VR空間の仮想の子供と交流させ、うつ患者はその子供に優しく思いやりのある言葉をかける。このとき録音されている。今度は患者が仮想の子供となり、その言葉の録音を聞く。その場合と、別に対象群として第三者的な立場でその言葉の録音を聞く。どちらの条件でも患者の自己批判はやわらいだが、仮想の子供として聞いたほうが大幅に改善した。(P.144)
視点を変えるという経験が、自分を取り巻く世界との精神的な関係んいいかに大きな変化をもたらしうるかを指摘するにとどめたい。(P.145)
○ユーザは例えば特定の貝を見つけるように指示される。貝を探して岩礁をあちこち移動するうちに、その貝がまとまって見つかるのは噴出孔から離れた場所ばかりだと気づく。こうして、酸性度の高いエリアには身体にカルシウム分の多い生物がいなくなるとわかる仕組みだ。(P.172)
○「人生の一部をなす記憶となるよう、新たに作り直すのです」とディフェーデは言う。「そうすれば、自ら望まないときにその記憶が心に侵入してくることはなくなります」(P.184)
○実験を始めてみると、被験者は平均して5分以内に第三の腕を使いこなせるようになった。5分を過ぎるとそれ以降ずっと、腕が3本あるアバターを使う被験者のほうが常に短期間でタスクを完了できた。第三の腕を生やすと生産性が向上したのである。(P.220)
○心理学用語でこれを「自己効力感」という。ある目標を達成するには、自分にそれができるという思い込みが不可欠である。前向きな視覚化が治療の大きな助けになることは医学の文献からも明らかだ。だが、激痛に苦しんでいる患者に対し、もっと足が動かせるという視覚化を認知させるのは難しい。だからこそVR治療で大きく足が動くアバターの姿を見せる意味がある。(P.223)
○2009年にスタンフォード大学の研究者グループが行った実験がそれを証明している。実験では非言語行動の同期をコントロールするため、被験者を二グループに分けて異なる歩き方をさせた。一つのグループはみんなで歩調を合わせて歩き、もう一つのグループはそれぞれが普通に歩いた。その結果、歩調を合わせたグループのほうが協力し合い、お互いに寛容になった。非言語行動の同期は集団の結束力を高め、集団の生産性を高めるのである。(P.243)
○小さなことに思えるかもしれないが、実際に使ってみると使い勝手がまるで違う。(P.261)
○今は新しいメディアの草創期にあたるわけですから、研究開発と製品化を同時進行しなければなりません。この時期の最大の課題は、実際に市場を生み出すことだと思います(P.286)
○監督に求められるのは、観客が気づく程度には伏線を目立たせつつも、後の意外な展開が読めるほどあからさまにはしないことである。ところがこの大原則がVRではうまくいかない。伏線がさりげなければユーザーはなかなか気づいてくれない。さりげなく置かれた近くのツルハシには注目��ず、視線は遠くにある別の独房に向けられるかもしれない。(P.291)
○「それはVRである必要性があるのか」と自問しよう(P.331)
○仮想世界のドライブがなぜそれほどユーザーの五感に負担を与えるのか--。これまで何十万年も変わらず、人が動くときには三つのことが起きている。まず最初にオプティックフロー(網膜上の運動パターンの流れ)が変化する。これは、岩に近づくと視界の中でその岩が大きくなることを凝った言い方で表現しただけだ。次に内耳前庭器官が反応する。この器官は非常に敏感で、自分の動きに合わせて内耳で振動し、自分が動いていることを脳に伝える。第三に、自分の皮膚から固有受容覚(身体の位置や動き、加えた力を感じる感覚)を受け取る。例えば歩いているときに足の裏が感じる床からの圧力も固有受容覚である。(P.336-337)
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一瞬wiredのITポルノ本の類かと思うんだけど、意外とちゃんとしている見た目はいかにもヘビメタ好きなスタンフォードでテニエを手に入れることに成功した心理学の教授の書く極めてまともな本。VRコンテンツは、現実として作用するので、ストーリーメイキングという主流のコンテンツ作成の手法が機能しない。たぶん、作家性とかもだめ。とか。トラウマを消すためには再度同じ体験をしてそこで配線をし直すとかなり有効。とか。ためになる。で、とても危険。VRがよくなると、多かれ少なかれ現実の多重化ということをみんなが合点してしまうわけだから、世の中変わるよね。現実は一つだというストーリーが完全に崩れる。
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VRは楽しむものという意識しかなかったが、ある一定の調査から様々な活用についての示唆があった。
特に、2次元の動画に比べ、心に残るという点が学びになった。その上で使い方やコンテンツを考えていこうと思う。
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VRの影響について実験をいくつも紹介している本であった。VRの施設を利用することができれば、学部学生も実験ができるであろう。
多くの本はVRの説明に終始しているが、一歩進んだVRの本である。AIについてのこうした本が出てくれることを望む。
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ソーシャル共有型ストーリーの可能性に期待を持てた一冊。AIを駆使してストーリーを発見するエンターテイメントになるかも?
コンテンツを作る前に、「VRコンテンツである必然性」を考えるのが大切なんだな。
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VRの没入感は他のどのメディアよりも優れている。第三者視点で経験するのではなく、(ほぼ)実体験として経験できるからだ。
VR活用例①
スポーツの教育。テニスとか身体の動きを説明するのに最もふさわしいメディアになりうる。アメフトのQBの練習。即座の判断を鍛えられる。現実と同じような心理的状況にできるため、緊張感や視野、音とか動画を見るのとは全く異なるものを味わえる。
実際に身体を動かすため、身体化認知にも期待できる。
活用例②
環境・地球に対する意識の変化。
宇宙飛行士は宇宙から地球を眺めることで、地球規模の意識が芽生える。世界の現状に不満を感じ、問題解決のためにアクションを起こさなければと感じる→これをオーバービュー効果という
VRを使えばこの効果の再現が可能では?
活用例③
PTSD患者への暴露療法の一環として
活用例④
やけどをしている患者の治療の際に気をVRの方にそらすなどして、痛みを緩和するために活用する。
VRの活用法⑤
エンターテイメント。
舞台での劇を固定カメラで撮影(ノーカット、編集なし)→編集やカット→カメラの動き→…今。
映画は初めから今ある形になったわけではなく、上のような形で右往左往しつつ進化してきた。VRも徐々にその活用が広がっていくのでは。今は草創期。
現段階での問題点→ストーリー展開に不可欠な伏線とVRの持つインタラクティブな特長のバランス。伏線が見逃される可能性がある。
→基本戦略1 すべての動きを1箇所に集中させる(VRでやる必要はない)
→基本戦略2 360度の空間を生かし、四方八方で大事な動きを発生させる⇆VR体験に夢中で、ナレーションが耳に入らないかも
音や動きで注意を引かせるという案もある。立体音響。
1つのストーリーの中に様々なエピソードがあり、本筋から離れてもまたストーリーに戻って来られる仕組み。
VR活用例⑥
教育現場。
社会見学など、あらゆる人が普段行けないところに行って体験できる。ただプレーヤーがその体験そのものに夢中になり、学習すべき内容が疎かにになってしまう可能性がある。ナレーションや事実説明が全く不要のVR体験を制作するのも1つの方法。
VRにより、生徒の動作のすべてをリアルタイムで計測できるので、授業への集中度なども測れる。→その人にあったバーチャル教師
VRのマイナスの影響
・暴力の行動モデリング
精神面への悪影響や暴力への感覚麻痺
・現実逃避
・過度の利用
・注意力の低下
対象をデジタルで表現することで、現実世界の本物にはある欠点を消してしまう(例えば不便とか)。このため仮想世界への逃避は現実を正しく認識する能力を失わせ、モノそのものの真価を味わう能力やリアルな物質を相手に作業する能力を弱めてしまいかねない
VRの特徴である没入感は他社の経験を共有し、じぶんと違う人々の生活を理解するのにうってつけである。他者の一人称視点に立つことで、その人の理解が深まる。例えば高齢者の視点に立つこと。他人には思いやりがあり、自分には厳しいうつ病患者が他者の立場に立つことで、自分に対する思いやりを取り戻すなど。
バーチャル空間での人々の交流
実用が難しいわけ→人々の会話には同期性というものがある。会話に参加している人が会話の中の非言語行動と呼ばれる仕草や表情の変化などを共有することが同期性。それをバーチャル空間で再現するのが難しい。
また会話の中で思わず出る肉体的反応も再現が難しい。顔の赤らみや心からの純粋な笑顔など、生理機能の変化をともなうものはどうすれば良いか。
電話用アバター。癖や表情の変化を反映したアバターを用いたチャットアプリ。画面に映るのは本人ではなくその表情をリアルタイムで再現するアバター。
→問題点、データ送信のラッシュアワーが起きると考えられる。またそれがどのタイミングか予測が難しい→インフラの仕組みづくり
危険性inジャーナリズム
・VRの没入感は他のメディアを上回り、プロパガンダに悪用され得る
・いくらでも改竄・加工ができる
優れたVRコンテンツの3条件
・VRである必要があるのか
現実では不可能な体験や現実で危険な行為を危険なく体験するなど
・ユーザーを酔わせてはならない
・安全を最優先する
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VRは、仮想ではない。現実そのものだ。
とりわけ、PTRDや認知症の治療や
教育効果を高める可能性などの有益な未来を
知ることが出来た。
しかし、これはダイナマイトや原子力と同様、
使い方次第で、最悪な道具にもなり得る。
有益性と猛毒性の両面を様々な実例で
実感させてくれる興味深い書籍。
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米国のVR研究者が書いた本。細かな研究内容が紹介されている点は示唆に富む。ただし、ビジネス視点はあまり無いので、これからどのように発展していくかなど、夢を感じさせる内容は少ないです。これは本のコンセプトに依るところなので、理解した上で手に取る分には良書と思います。
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VRをどのように使っていくか知りたい人におすすめ
【概要】
●VRを用いたスポーツ選手の練習
●マイナスの影響
●仮想の身体
●エコツーリズム
●医療、教育への活用
●アバターの効果
●優れたVRコンテンツの三条件
【感想】
●今後、躍進するであろうVRについて詳しく書かれている。
●VRによって得られる効果が具体的に書かれているだけでなく、VRのデメリットや、作成に当たってどんなことに注意しなければならないかが示されているのは勉強になった。