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まず、ブックデザインが素晴らしい!!
実際に穴が開いているカバー、捲ったなかには本当に不気味な、、!
紙質やフォント、文字列も複雑に配置され、伊藤潤二先生の脳内に侵入していくような感覚になるようしっかり作り込まれている。
内容は、先生の半生、発想、想像、制作まで、割と赤裸々に語られていて、その筆致の至る所にユーモアとホラー漫画の巨匠ならではの不気味さ(多分先生は普通に感じていること)があって、1日で一気に読み終えてしまった、、勿体無い、、
書き下ろしイラスト、小学生の頃に初めて書いた漫画、ネーム、などなど、こんなに見ちゃっていいんですか!!鼻息!!
と、めちゃくちゃ興奮する内容である。
ひとつ、完全同意したのが、
キャラクターへのこだわりがないということ。
「無個性でニュートラルなキャラクターであるほど、読者を奇妙な世界に導く案内人としては
ふさわしい」という考え。
だからこそ、あり得ない世界のリアリティが増して更に恐怖が増大するんだろうなぁ。
今は無き、朝日ソノラマ出版の少女向ホラー漫画雑誌「月刊ハロウィン」で先生の鮮烈なデビュー作「富江」を読んで以来、私の中では「好き」の枠に収まり切らない、ホラーの神みたいな存在です。
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ホラー漫画界の巨匠、伊藤潤二が生い立ちや創作秘話を公開。漫画家として活躍する以前にはSF小説家を目指していたという。特筆すべき箇所はホラー漫画の創作方法を紹介する章。創作者にとっては非常に役立つ内容でないでしょうか。
伊藤潤二作品の魅力の1つに「個性的なキャラクター」が挙げられます。代表作は一通り本書で紹介されているためこれから伊藤潤二作品を読みたいという人にとっても良いガイドブックといえます。
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「富江」が好きです。入口は菅野美穂さん主演の映画で、その後漫画という流れなのですが。ただ正直に言えば、伊藤さんの漫画は絵がほんとに怖いので(だけど一度見ると目が離せなくなってしまうから、たちが悪くて尚更怖い…)、映画とかドラマを優先してしまってます。
あんなに不気味なお話はどこから来るのか、考えてて自分で怖くならないのか、伊藤さんの頭の中にすごく興味があるので、お仕事ぶりを紹介されている媒体はチェックしてしまってます。
伊藤さんのお仕事ぶりは、以前、NHKの浦沢直樹の漫勉(NEOと付いてたかも)で紹介されてもいました。その時、その様子は、同シリーズでお見かけした他の作家さんとは違っていたのでとても印象に残ってます。ただ、漫勉では、実際の作画風景、お仕事場の様子が主で、伊藤さん独自の不思議で不気味なストーリーや、あのページをめくるのを躊躇してしまう絵がどうやって生まれるのかは分からないままだったのでモヤモヤしてましたが、この本でその部分が明らかになりました。
子ども時代のこと、どんな漫画を読んでこられたかや漫画家になるまでの経緯もお話されていて、それも興味深かったです。
文章だけじゃなく、やっぱり漫画そのものも載っているので(部分的にだけど)、不意にページをめくると出てくるからそれがちょっと怖かった。ホラー系の漫画を描く方法、例えばペンの運び方とか細かいことまで話されてもいて、漫画と照らし合わせて見ることができたのが良かったです、怖かったけど。