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ウコチャヌプコロォォォー!
私の大好きなあの漫画の表紙をめくるとこう書いてある。
カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム
[天から役目なしに降ろされた物はひとつもない]
役目とは。使命とは。
きっと誰か大切な一人のために命ってあるように思う。
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北海道の室蘭市の大東亜鐵鋼の飯場で脱走事件があり、その捜査で人夫として潜り込んだ特高刑事の日崎八尋.昭和19年当時、朝鮮半島から多くに人が連れてこられ、厳しい労働を強いられていた.飯場で仲が良くなったヨンチュン(永春)から情報を得て、脱走方法を見出した八尋は、ヨンチュンを誘って脱走を試み、まんまとヨンチュンを逮捕する.特高の三影から、アイヌの血を引いている八尋は酷い目に合うが、飯場の金田が殺害された事件で、八尋は嵌められて犯人とされ、網走刑務所に送られる.そこでヨンチュンに会う.彼らの酷い策略だが、最終的に脱走する.八尋の父は畔木利一を弟子としてアイヌの中で鳥兜の毒の研究をしていた.東堂中将らは大東亜鐵鋼でウラン爆弾の開発を進めているが、研究資金を密かにため込んでいる.彼らの仲間が次々と殺害され、話は展開する.戦前の特高が跳梁跋扈する雰囲気をうまく描写しており、利一や能代、御子柴ら個性的な人物が出てきて楽しめた.
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第二次世界大戦末期の北海道が舞台。ひとりの特高警察官が、朝鮮人殺しの犯人に仕立て上げられて網走刑務所へ。脱獄し真犯人を追う。
皇国臣民を謳った大和人による、朝鮮人やアイヌへの当時の凄まじい差別の様子が、忌々しいほどにヒリヒリと描かれている。
国家、民族、共同体。
それらはまやかし。
そのまやかしに翻弄されてきたのが人間の歴史。
それは今も変わらない。
私たちの「戦争」というものに対する想像力はものすごく乏しい。
だからこそ、このような物語をもっと読まなくては。
重層的かつ骨太の作品。
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2020/10/31読了
#このミス作品52冊目
終戦直前の北海道が舞台。
陸軍の軍事機密ををめぐり
軍需工場関係者が次々毒殺される。
民族差別や皇民化政策の様相など
リアルに描かれている。
読み応えあり。
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終戦間際の北海道の特高警察、通称「北の特高」
連続毒殺犯「スルク」とはなんなのか?
陸軍がひた隠しにする「軍事機密」とは。
カンナカムイ
の謎をめぐりたくさんの人が毒殺される。
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戦時中の北海道を舞台に「国家とは人種とは」という大きいテーマの物語だが、様々なトラブルが起こり、北海道トラブル詰め合わせ的なごちゃつきを物語に感じた。
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時期は戦争中(昭和20年)敗戦の雰囲気が漂っている日本。
舞台は北海道。主人公はアイヌとの間の子。戦争に後ろ向きなことをする人達などを取り締まる特高警察。
朝鮮人などが働く所へ潜入捜査をし、成果を得るも、潜入した先の上司2人が殺され、容疑は主人公に向けられ……。
みんな、自分のためにやっていると思いきや、全部人の為にやっていた?というのがテーマなのかなぁと思いました。(特に戦時中の話なので、お国の為という言葉が多かったです)
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終戦間際の北海道が舞台
考えてみたら 北海道の戦時中について語られたものに触れたことがなかった
アイヌの人たちと 文化
取り込む日本
引き返せなくなっていく戦況
とても 興味深く
お話の勢いにのって 一気読み
ただ
終盤から 少し 勢いが落ちたのが残念
キャラクターの感情に 説得力を感じられなくなった とゆうか...
でも トータルでは満足
面白かった
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面白かった。
この作品で言っている“太陽”って、二つあった気がしますね。ニ号研究が、ここで出てくるとは思いませんでした。
結末のどんでん返しには、驚かされました。まさか、ね。そういう事だとは思いませんでした。推理小説ではないのですが、推理小説だったら、かなり驚きの展開になると思います。
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終戦間際の北海道、道民の反戦思想を取り締まる特高警察の刑事日崎八尋が主人公…。軍事工場の関係者が不審な死を相次いで遂げる中、「拷問王」と恐れられている三影とともに捜査を担当するが、濡れ衣を着せられ網走刑務所に投獄されることになってしまう…。そこには、軍事機密である「カンナカムイ」が大きく関わっていた…。
超大作でした!長編であったり、ちょっと疲れも感じていた時期と重なって、読み終えるのに日数を要しました。でもそれが苦痛に感じたりすることは決してなく、ちゃんと読んで理解したいという思いが勝った結果だと思います。当時の時代背景、民族思想など興味深く読めました。エンディングもなんというか、明るい未来を感じるものでよかったです。アイヌの文化などももっと知りたいな…って思えました。
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アイヌ出身の特高刑事 日崎八尋
終戦間際の室蘭を舞台にした警察小説
アイヌとか国家とかってのは少しテーマにあるが、社会派じゃない葉真中で、ボチボチな作品
悪くはないけど期待に反して微妙な感じ
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戦時下、特高の警官として活動する日崎。彼はある殺人の濡れ衣を着せられて投獄される。絶望の中で彼は脱獄を決意するが。
これは凄い。戦時下という閉塞的な状況と過酷な時代を見事に活写している。目の前で事件が起きているような圧倒的描写力に身を何度も震わせた。
戦地での極限状況、時代に翻弄された人々の想い、それらが螺旋のごとく巻き付きながらクライマックスまで突っ走る様が見事だった。第31回このミス国内9位も頷ける出来栄えだ。
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誰のために戦いの?何のために戦うの? - 葉真中顕「凍てつく太陽」 ★★★★☆
社会派ミステリーの名手ですが、本作はミステリー感は弱めです。読み物としては戦時中の大河な小説で抜群に面白いです。
「戦争はおろかなものだ。」使い古された言い方だとこうなる。
戦場にいる人だけではなく、関係者やその家族、さらには一般市民にまで全員に負担が生じるのだ。そしてそれを肯定するような言葉はある種の洗脳みたいなもので、人々の精神を蝕んでいく。そこに幸福はない。
学校の授業で、近代日本の戦争に関してはあまり扱われないので、ある意味勉強になった。
アイヌとは何なのか?朝鮮の人々の日本人化、警察の働き、市民の生活などなど。知らないことだらけで新鮮だった。
ダイバーシティといった新しい言葉だけ進めるのではなく、歴史認識から来る、アイヌや朝鮮の関係について、潜在意識から教育していくことで真の多様性が生まれるのではないだろうか。
古い漢字にはフリガナをふってほしかったです。・玉蜀黍・・・トウモロコシ
・鐵鋼・・・・てっこう
#引用
・「農耕民の言う豊かさというのは、単なる富の蓄積に過ぎない。しかしそれは本当に、人を幸福にするのか。保存可能な穀物を育てることで、農耕民は富を蓄積することができるようになった。それが結果として持つ者と持たざる者を分けることとなる。支配階級が誕生し、人々は平等ではなくなる。また、蓄積した富は奪うこともできる。自分と他人、敵と味方を分けるまやかしが生まれる。国家、宗教、民族だ。これらを獲得した人間は当然の帰結として争うようになる。戦争こそが、農耕民の最大の発明だ。」
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終戦間際の北海道。
玉蜀黍もなんて読むのか調べたり、色々気になってググりながら読んでたらなかなか時間がかかりました。アイヌについてもゴールデンカムイで知った程度の知識しかなく、、、。あるのは土地勘くらい。
恥ずかしながら無知でしたが、それでも引き込まれ読了。
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ミステリーのルールとしては、やや踏み外している気もする。
ちょっと綱渡り。
ただ、読み物としては、なかなか。
多分、三崎の話が千代長過ぎたのてはという気がする。どうしてもステレオタイプになりがちなので。