紙の本
熊と踊れ続編
2018/12/26 09:40
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投稿者:つきのわぐま - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「熊と踊れ」に引き続き、罪を重ねるレオ。誰も幸せになれない、勝者のいない勝負が読んでいてつらかった。他に道はなかったんだろうか。
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前作から数年後。レオが出所したところから始まる。前作同様に犯罪のにおいに満ちていてその世界観に圧倒される。レオの描く犯罪計画と巻き込まれていく弟たち。兄弟としての形。少年時代にあった絆と今の関係。レオから2人の弟への想いと、弟たちからのレオへの想いのズレ。犯罪計画やそれを追う刑事ヨンの背景もよく、ヨンとレオの犯罪で結びつき、犯罪によって大切なものを失っていくその姿はたくさんの感情がつきまとう。兄弟を求め、拒絶しながら生きていく家族、兄弟の絆の物語。
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上巻の終わりぐらいでダレてきた。長い。長すぎる。
しかし、下巻に入ってから猛烈に面白くなってきた。警官の制服やバッジを入手するのだが、その理由が分かるあたりから、すげーなー、この犯罪者すげーなー、と感心してしまった。
一応タイトルにあるような、レオと弟たちVSヨンと兄のような対比がテーマなのだけれど、そちらはそんなに心に響かなかった。犯罪の手口こそが面白かった。
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暴力と絆の物語。前作と違い今回は完全なフィクションだそう。
合わせてサーガと呼びたくなる大作に、たまらなく惹かれてしまい、夢中で読んだ。途中何回も叫びたくなり、読後はいつまでも余韻が残る。おもしろかった。
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2016年海外小説部門圧勝の大作『熊と踊れ』に続編が用意されているとは全然知らなかった。あれほどの作品に続編を繋げる馬力をあるとは、この共著コンビ恐るべし。実は本作は二つの作品でセットした二部作との構想を初めから作者らは持っていたらしい。しかも一部は実際にあった事件を元にし、二部は完全なるフィクションで。そのフィクションの第二部は、実際には起こっていないが、起こったとしてもおかしくないくらい自然な筆力で描かれてゆく。
前作を受けて兄弟も夫婦も親子もばらばらになったところから始まる本書。家族たちの不本意な再会。焼け跡の亡霊のように復活する長兄。彼の犯罪へのさらなる意志が周囲を揺り動かす。兄弟たちのそれぞれの境遇、反応などは前作と同じようにはもうやれない、やりたくない、という新しい世界への意志で長兄を拒絶する。迷う父。断固たる母。家族の構図はこの作品でも危ういままの綱渡りである。
彼らを追う側の捜査官の兄、しかももと受刑者という形で、新たなキャラクターが加わる。新たな犯罪の推進力。新たな兄弟の葛藤劇が物語に重なる。二つの兄弟の葛藤が世界に新たなコントラストを与える。
そして作者の飽くなき新手の強奪へのアイディアが凄まじい。読み手の想像力を軽く凌駕する犯罪イマジネーションに感服。前作で手に汗握った数々の犯罪シーンが今また蘇る。悪夢の再生。跳梁する新手の策略。家族の間に張り詰める緊張。
何よりも劇的要素を高めるのは悲劇だ。本書でも過去が語られる。前作の過去の続編が、現在の緊迫の中に挿入される。父の暴力。母の傷。兄弟の震え。離反。再会。それらが彼らのネガティブなエネルギーだが、再生への希望を持つ兄弟たちと、犯罪への拘りを捨てぬ長兄との溝は深まる。その溝がカタストロフへ向けて疾走する。
そして思いがけぬ終章は、ぐさりと読者の心に刺さってくる。運命を辿った物語は、その運命から逃れることができぬとでも言うかのように。兄弟たちの慟哭も虚無も一まとめにして巨きな歯車がぎしりと動く。骨太の作品の第二部であり、終章である。完璧に近い前作を超えられるとは思えないまでも、個性的な彼らへの再会が叶えられる歓びは何物にも代え難いだろう。
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面白かった!前作よりこっちのほうが俺的にはお気に入り。ケイパーものとしてのドキドキハラハラを堪能。ただそれだけにあらず。読後感は複雑な気持ちになっちゃいました。
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夜更かしして一気に読了。予想がつかないストーリー展開の連続だった。後味があまり良くない形で終わったが、強烈な話だった。
巻末の解説が興味深かった。実話に基づいていた前作に対して、今回の作品は完全フィクションだとのこと。登場人物のモデルとなった人物たち(すなわち著者の兄弟たち)が更生してまっとうな社会人としての生活を営んでいることに配慮したとのことだった。
残念だったのは、登場人物が限られているにもかかわらず、中途半端な登場に終わってしまったキャラが複数いることか。
エルニドからマニラに飛ぶ機内にて読了。
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衝撃を持って迎えられた「熊と踊れ」の続篇。
前作は、9件の銀行強盗はじめ現金輸送車襲撃、軍の武器庫からの銃221挺の窃盗、ストックホルム中央駅での爆破事件…と、矢継ぎ早に重大事件が起きてめまいを覚えるほどでした。
今作は、前作と比べると派手さは後退したものの、その分、深度は深まっている印象を受けました。
タイトル通り、血を分けた「兄弟」が大きなテーマとなっています。
刑期を務め、刑務所を出たレオは再び犯罪を画策します(それも驚くような奇策。内容はもちろん、読んでのお楽しみ)。
前作で共に罪を犯した2人の弟は、既に社会生活に復帰しています。
再び、弟たちとともに犯行を遂行できるのか。
このあたりのレオと弟たちとのやり取りは、静かですが、ひとつの読みどころでしょう。
ぼくは、レオたちがあれほど憎んだ父・イヴァンと息子たちの関係性と、レオと弟たちの関係性が見事な相似を成していることに、痛切な思いを抱きました。
もう1組の「兄弟」も存在も忘れてはいけません。
レオを追う刑事、ヨン・ブロンクスと兄のサム・ラーシェン。
サムはかつて弟のヨンを守ろうと、父を殺害し、刑に服しました。
この2組の兄弟の関係が複雑に絡まり、物語は加速度をつけて進行していきます。
読後、レオとヨンが背負うことになった運命の悲しさに、胸が塞ぎました。
「熊と踊れ」を読んだなら、本書も必読でしょう。
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(上巻より)
再び一獲千金を狙うレオ、
利用される父親、協力しない弟たち。
途中で少し客観的になれた。
多分、それはヨン警部が暴走しはじめたからだと思う。
ということは、私が肩入れしていたのは、
ヨン警部だったのだろうか。
こちらの作品は小説だそうだ。
そして、最初から二作書くことは決まっていた、とも。
しかし、もしこの「兄弟の血」を読まなければならないとしたら、
「熊と踊れ」を勧めるのを躊躇せざるをえない。
結末が気に入らないとか、
話がつまらないとか、そういうことではないのだが。
さらなる続編はあるのだろうか。
ヨン警部の不正に気が付いたエリサ警部補に
追及をさせてみたい気がする。
そして、もしこの次があるのならば、
レオを安らかに眠らせてやってほしい。
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ヨン兄弟がここまで脚光を浴びるとは…
上巻と比べて回想シーンが少なく読みやすかったし、フィクションとも思えなかった。
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エリサは何処へ行った?サムは❓なんか中途半端で終わってしまった。兄弟はむずかしい。ましてや、犯罪者と警官では。
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こういう終わり方なんだ。
もっと、ちゃんと決着が付くのかと思ったんですが、読者にその後を考えさせるような結末でしたね。うーん。
重いな。
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ただひたすらに復讐遂行に身を投じていく長兄レオ。練り上げられた奇襲作戦は着々と成功を収め、いよいよ「史上最大の強盗」は最終段階に突入した。そして、レオの協力者の正体を知ったブロンクス警部もまた、警官としての領域の限界へと突き進む。この戦いを終わらせるために…。暴力で繋がれた父と子の、そして流血に縛られた兄と弟の物語は、前人未踏の終着点へ!
続編は完全なフィクションだとのこと。結末には意見が分かれるようだが、これはこれでよいと思う。
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結局やはり冗長過ぎた(もう少しコンパクトにまとめられた気がする)。
そして何より結末が一番ガッカリ…
エリサがあそこまで真相を知ったのだから、たとえブロンクスとレオの交渉が成立しても、そう簡単にはいかないのではなかろうか?
あれだけ用意周到なレオが、起爆装置でミスをしてしまうのも有り得ない。
レオが一生ものの代償を払ったように、ブロンクスにも何らかの重荷を背負わせるべきだった。
※サムを自らの手で逮捕するか、或いは自分が職務不履行で罪になるとか…
えにぃうぇい
一作目と共に、映画化にはもってこいの作品のように思える。
※少なくても三秒間の死角よりも、映像作品向きだと私は思うのだが…
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前回『熊と踊れ』で活躍のヨン・ブロンクス警部。今回は勝手が違う。道を踏み外してしまったね。次回作でブロンクスと組んだエリサ・クエスタが巻き返してくれるんでしょうと予感させる結末。そうじゃなくても、レオとサムのその後は気になる。
金曜日の夕方にしたワクチン接種の副反応で、土日具合が悪くて起きていられなくて寝てるかこれを読むかしかできなかった。(特に日曜日は吐き気で食べることすらできなかった)それで2日で読んだけど、そんな状態だったこともあり、読後感悪し。