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ホッジズ元刑事3部作の完結編。
前2作が本格派サスペンスミステリーだったのですが、本作ではお得意のサイコサスペンスとなっています。
前作のラストの伏線から本格派サスペンスミステリーではないことは想定はしていたので問題なしです。
末期がんとなったホッジズとサイコパワーを手に入れたブレイディの戦いががっつりと描かれていて、下巻に期待です
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退職刑事シリースの最終作。超常現象抜きの純粋なミステリーで突き進むかと思われましたが、やっぱりキング。前作のラストで放り込んでしまいました。うれしいような、禁じ手にして純粋ミステリーのままいって欲しかったような・・・メルセデス・キラーとの直接対決なのだ!一気読み。
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シリーズ三作目にして完結編。だいたいのところは刊行前からの情報で知っていたけれど。やっぱりつらくて悲しい……。
相次ぐ不可思議な自殺事件。恐るべき能力を持ってついに目覚めたメルセデス・キラー。そして病に冒されたホッジズ。いくら最後だからっていったいどれだけ盛り上げてくれるんだ、というほどに目が離せない要素だらけです。そして最初は普通のミステリだったこのシリーズが急に超自然要素を備えたとんでもない物語になるのも驚き(でも前作のラストはすでにそれっぽかったなあ)。もちろん面白くないはずがない! やっぱりキングすげー。
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超能力やら、ゲーム機やら
眉ツバものの連続で「え?」って気になりちょっと引き気味。それでも相変わらずのキングマジックなのか、一気読み。
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三部作完結編、サイコ要素が強くなり、どう展開するのかハラハラ。さすがのキング作品。感想詳細は下巻読了後に。
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3部作の完結編はまさかの展開(設定)。前2作とは別のジャンルとも言える。素直に受け入れられるか。んなアホなと思うか。とりあえず上巻は違和感を感じながら読みました。
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じわじわときてますな。
キングのはいっつも最初じれったくて、
上巻の終わりくらいから
急にスピードが増す感じだから
下巻が楽しみ!
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何か良くないこと、恐ろしいこと、悲しいことが怒るに違いない予兆は、前作の『ファインダーズ・キーパーズ』の最後に示されていた。そして、満を持して、〈退職探偵ホッジス、あるいはメルセデス・キラー三部作〉完結編の幕が上がる。
『ミスター・メルセデス』の最後でホリーの渾身の一撃によって植物状態になったブレイディ・ハーツフィールドは皮肉にもその脳損傷の副作用なのか、超常的な能力を獲得していた。一つは念動力。水道をひねって水を出したり、ブラインドをざわつかせたりするに過ぎない、たいして役に立ちそうにもない能力。しかし、もう一つは、他人の意識の中に入り込んで、その人間を意のままに操るという、ブレイディにとっては便利極まりないもの。この、悪の権化のようなブレイディにとって都合の良い、言い換えれば「陳腐になりがちな」能力が、キングの筆にかかるとずしりと重い説得力を帯びる。ブレイディの企みは緻密で狡猾で悪意に満ちている。
そして、我らがホッジスは健康上の不安ーー不安はやがて時限爆弾となって彼の命の炎を食い尽くしていくーーをかかえている。ホリーは〈ファインダーズ・キーパーズ社〉のハートナーに昇格していた。ジェロームはハーヴァードの大学生になって、ボランティア活動に忙しい日々を送っている。
そこへ、ホッジズのかつての相棒ピートから電話がかかる。心中したと思われる母娘は〈メルセデスの惨劇〉の被害者だった。同行したホリーは現場から「あるもの」を見つける。
ブレイディのどす黒い悪意は、ホッジズの大切な人の一人にまで及ぶ。胸が苦しくなるような展開にページをめくる手が止まらなくなる。体を襲う激痛とも戦いながら、ホッジズ最後の戦いは後半へと続く。
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ミスター・メルセデスの完結編上巻です。
脳神経科に缶詰となっているメルセデス・キラーのブレイディに、著者らしい超常的世界観が付与されていきます。
過去の二編は異常事件の刑事小説の範疇でしたが、今作はその枠を超えるために読者を困惑させるかもしれません。
しかし、それもスティーヴン・キングと思えば自然であり、楽しめるでしょう。
下巻にも期待します。
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▼独身者の自殺率は平均の2倍。離婚した者の自殺率となると4倍だ。(本文より)
▼アメリカの統計データでしょうが・・・。と、言うことは。結婚することで ”俺は私は自殺する可能性が半減!” だけど同時に、 ”もし離婚したら、倍返し・・・?” という不安と暮らすことに?
喜びの深きとき憂いいよいよ深く。金は大事だ、大事なものが殖えれば寐る間も心配だろう。とかくに人の世は住みにくい草枕。
▼「任務の終わり」(上下巻) スティーブン・キング。白石朗訳。初出2016年。文藝春秋社。2020年5月読了。「ミスター・メルセデス」「ファイダーズ・キーパーズ」に続く「元刑事・ホッジズ探偵シリーズ」の最終作。
▼第1作「ミスター・メルセデス」で死闘を演じた、イっちゃってる殺人鬼のブレディくん(ただ、イっちゃってる、と言ってもきちんと人物、人ととなりが濃厚に描かれています)。「ミスター・メルセデス」の終わりで、ホッジズと相棒ホリーによって頭部に重傷を負い、脳異常で全身後遺症になって入院しています(だから裁判を受けていない)。このブレディくんが、実は徐々に、密かに、覚醒していた・・・。どうなるどうなる。
(このブレディくんが、「自殺させる名人」という凄いキャラクター。相手の弱い心に突き刺さる言葉の達人・・・)
▼スティーブン・キングさんは大好きですが、ホラーは敬遠しているので、本格ミステリであるこのシリーズには大喜びでした。ところが第3作最終作にして、これは...ミステリであると同時にホラー/SFです。三部作で唯一、少なくとも現在の科学では説できない展開。そのため「どっちらけ」という感想もあるやもですが、僕としては眠れないくらい面白かった。寝ても怖くて寝付けなかった。こういう形で超常現象が描かれるのであれば、小説としては全然あり。
▼(本文より)ティーンエイジャーは群れる習性の動物だし、群れる動物は精神と感情の双方で同調傾向が強い。
▼相変わらずアメリカの、そして人の世のダークサイドがコレでもか、と描かれます。絶望とアイロニーに縛られて海に沈められた如くな静かな知性が行間から迸る、 ”スティーブン・キング節”。イタイです。脳と心のマッサージ。ツボにグリグリと、痛い気持ちいい。スティーブン・キング、もっと読もうと夕陽に誓いました。また愉しみが増えた。
▼旅行に行きたくて行って、お金もそれなりに散財したのに、帰宅してくると「あー、やっぱり自宅がいちばんだなー」と思うこともあります。心臓つぶれそうな犯罪ミステリって、ちょっと似ています。
好きで読んで、読み終えて大満足して「いやー、でもやっぱり毎日平和で平凡がいちばんだなー」と、うどん食べて寝る。
さらに言うと割とすぐ「面白かった」という印象のほかは、きれいさっぱり忘れちゃう。考えようによっちゃ「賽の河原で石を積むのが趣味です」みたいなもので、でも案外と愉しみというのはそういうことなのやも知れません。違うかも知れませんが。
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以下、ネタバレ備忘録。
▼最強の悪役・ブレディくんは、四肢は不自由なままなのですが��邪悪な精神と、怪我で起こった脳異常、そして科学者の研究投薬の結果・・・。
なんと、インターネットを通して相手を支配することができるようになっていく。そして意識を乗っ取ることまで可能になっていく・・・。
▼それによって不可解な死(自殺)が多数発生。「ひょっとしてブレディが超常現象で糸を引いてる?」という驚愕の真相に、ホッジズ&ホリーが近づいていく。そして途中で、読者にだけはすべての真相をばらす手法。絶妙。
▼とうとうブレディは、担当医師を肉体&脳みそごと乗っ取ってしまう(こうやって要約して書くと、「・・・なんじゃそりゃ。落語か?胴切りか?コメディ?」という感じですが、とんでもなく心臓つぶし。無理が通れば道理は引っ込みます。強引剛腕、読ませます)。
▼そして更に荒唐無稽にドライブがかかり。空き家になった(?)ブレディの肉体は死んでしまいます。でも、担当医師としてブレディの意思は生きている。うーん、上手く説明できない・・・。兎にも角にも新たな肉体を得たブレディは、天敵ホッジズとの最終対決を迎えます・・・。
▼このシリーズの安心なのは、とにかくホッジズが最後の最後の最後には負けない、という安心感。そこでエンタメとして穏やかに成立します。けれども、高齢名探偵ゆえ「任務の終わり」の序盤からホッジズは、癌に冒されている設定。ブレディの息の根は止めますが、自身もやがて病没。
▼「もうこのシリーズは終わりです!」というキングさんの宣言を感じました。うーん。ホームズだってカムイだって死んだかと思わせて、かなり恥ずかしげもなく強引に復活したのだけど、癌で死んでしまっては、詮方なし。作者としても「任務の終わり」ということなのか・・・。