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ほぼ日の経営について。
ほぼ日が上場したニュースを見た際、
その意外性に驚きました。
なんか逆じゃない?と。
それで読んでみたこの本。
事業、人、組織、上場、社長。
企業の根幹のそれぞれについて、糸井さんが
ぐるっとまるっと語られています。
しかも、たまにダジャレつき。
(わたし、「すいません経営」で吹きましたw)
謙虚で俯瞰されてる姿勢が、重たくイヤミにならないのが
糸井さんのすごいところ。
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・「人がうらやましがるようないい考えをだして、実行すること」がかっこいい。
・消極的でいたほうがうまくいくような風土をなくす(のが糸井さんの役割)
・やってみてよかったなと思うことを伸ばしていければいいと思っています。そういうことしかできないし、それをやってきたのがほぼ日です。(中略)すぐになにかが起きるというより、効き方は漢方のようなものだと思っています。
・ただ給料だけを目標にして、眉間にしわを寄せて働くのが、ぼくはあまり好きではないんです。伸び伸びと働いていたら業績が上がって、じぶんの安心や安定が生まれて、人のことを考えられる余裕ができる、というのがいいんでしょうね。(中略)もっと「つよく」ならないと、人を助けることもできません。(つよさとは)「現実にする力」です。「ぼくらができることはこんなものです」ということを実際にやってしまう力、とも言えます。これは、とにかくコツコツと積み重ねていくことの中に答えがある。
・ただ、毎日おにぎりを配ったからといって、メシを食わせていることにはなりません。社員がじぶんの幸せをそれぞれ追求する環境をつくることが、「メシが食える」ということですから。
・1つひとつの問題に向き合って、「きみの言いぶんを言ってみろ」とやるよりも、環境を整えたほうがずっとよくなる。人間関係もそうでしょう。
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インターネット元年の1995年から3年後の98年、今や1日150万ビュー超えというお化けサイトに成長した「ほぼ日刊イトイ新聞」が産声を上げ、しばらくして「ほぼ日手帳」が生まれた。この手帳は順調に売上を伸ばし、(株)ほぼ日の年間売上の7割を占める基幹商品に。2016年東京糸井重里事務所から(株)ほぼ日に改称。その理由を訊ねられ、「はっきりと『チーム』で何かを実現させていく会社に変化してきたからだ」と。ほぼ日に3つの行動指針がある。「やさしく、つよく、おもしろく」。求人募集広告では、「いい人募集」とユニークな呼びかけを行い話題を呼んだ。このあたりはコピーライター糸井重里の面目躍如といったところか。2017年ジャスダック市場に上場。年商40億、経常利益4億8千、総資産30億という超優良企業に育て上げた代表取締役 糸井重里。
会社の来歴を簡単に舐めたところで本書。読み進めていくにつれ、これは実に“けったいな経営書”であるぞと実感。聞き手の問い自体にもその一因があるのかもしれないが、例えば手帳市場を一変させた「ほぼ日手帳」について語ることもなければ、ほぼ日の全てが凝縮しているサイトについても語らない。
ひたすら語るのは「働くということ」「会社というもの」についての思いを平易な言葉で、巧みな比喩を交えつつ「フニャ」と語る。糸井重里特有の平坦な語りは活字からも法話を傾聴しているような感覚に陥り、陶然とした気持ちになってしまう。
おそらく平素もこのような感じで社員に接し、毎週水曜日11時半から90分、全社員を前にして糸井重里は様々なことを語る。本人は意図してか知らずか、糸井イズムの注入を行なっているわけですな。
ゆえに改称しようが、ほぼ日のどこを切っても糸井重里の血がほとばしることは容易に想像できる。社員を叱らない、稟議書も求めない、パワハラとも無関係、主催イベントで人手が足りないとなれば、総務経理も駆けつける。
組織はあくまでも、有益な商品・サービスを生み出すための場であるが、時として管理のために存在しているのかと思しき組織や社員のケツを叩かなければ動かないと嘆息する経営者も多い。そういう面から見れば、ほぼ日は理想中の理想の組織と言える。
ただ見方を変えれば、「何をすべきかを常に考えさせられセクションを問わずアイデアを出し、行動を起こす」ことを求められる組織であるとも言える。人から指示を受けたことを実行に移してる方が楽と思う人にとっては、息苦しい企業風土であろう。
本書は「ほぼ日の“今”」について焦点が当てられ過ぎなのが残念。糸井重里を形成したであろう思想家 吉本隆明やセゾングループ元代表 堤清二のふたりについて切り込むべきではないか。とりわけ吉本隆明から受けた薫陶は少なくないだけに。概して起業家は「生い立ち」「若き日の挫折」「混迷期に手を差し伸べてくれた人の温情」が原動力になっていることが多いだけに、糸井重里の思想の源流に迫って欲しかった。
本書と糸井重里の自叙伝「古賀史健がまとめた糸井重里のこと」(糸井重里・古賀史健・ ほぼ日文庫)の併読をオススメする。代取以前の生身の糸井重里が坦懐に語っている。
最���に、読み終わって想起したのは、職人の世界で言われる「一子相伝」という言葉。糸井重里も齢70。ほぼ日がほぼ日たらしめている精神性を誰に引き継ぐのか。はたして引き継がれるのか。
今や上場も果たし、糸井商店でなくなった「ほぼ日2.0」のビジョンは、糸井重里のみぞ知るといったところか。本書では、その「ヒューチャー」については語ってはいない。
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専門的な言葉を使わずに、日常の身近な言葉で大切なことが語られていて、最後まで、たのしく読みました。
自信をなくしていたときに読んだので、「頼まれるということは『あなたはできる』と認めてくれた人がいたということ」という一文に、とても勇気づけられました。
人がよろこぶことを大切に歩んでこられた糸井さんならではの言葉、視点の持ち方が伝わってきて、あたたかな気持ちになれた本でした。
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糸井重里の良き人間性が滲み出してきます。会社組織とは何か、そこに関わってくる人間同士の優しさとは何か、教科書では書かれていない現実が垣間見えてきます。組織の中に組み込まれたアラフィフは悩む、糸井本人が乗り出した年齢が私にとっては現在なのだ。
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全体にきれいにまとまり過ぎている感じもしますが、
ほぼ日という、他に類例を見ない会社について知るには
うってつけの一冊だと思います。
ほぼ日という会社を紐解いていくことで
「働くとは」「生きるとは」「幸せとは」といった
人生にとって根本的なことについて改めて考えさせられます。
「誠実とは、姿勢である。弱くても、貧しくても、不勉強でも、誠実であることはできる」
この言葉にほぼ日の魅力の源を感じ、また背中を押される思いがします。
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経営計画とか予算管理とか、目標管理、利益目標、企画書。
全部、やるのが当たり前で、それ事態が目標だと思っていたけど、実は日とが集まる場を作っていくための手段なんじゃないかと思った。
何でこの形なんだろう、何でこうやってしょりするんだろうと考えて、自分なりの解釈をつくるのは、仕事を楽しくしそう。
糸井さんの姿勢が素敵だなって思ったしほぼ日もいい会社だなって思った。
中で働くことはできなそうだけど、何か面白そうなことやってるなーって感じで時々様子見に行きたい。
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図書館で借りた
2019/01/01読了
●思いついたアイデア→仲間と話し合い,より良いものに高める.
●ほぼ日→おもしろいアイデアを生み出すことが事業の起点
・人によろこんでもらうことが事業のベース
・人の心がアイデアになっている
●手帳→糸井氏が,昔から文庫本サイズのメモ帳を持ち歩いて,思いついたことを書き込み
・スケジュール管理だけでない
・それが,一日1ページ
・ある社員の一言「ロフトで売れたらいいな」→ロフトにオープンバイイングの制度あり
●ドラッカーの「顧客の創造」糸井氏も意識
●働き方改革
・ハンデイを負う人に意地悪にならない
・平等にはできない
●川島蓉子氏
・伊藤忠ファッションシステム→いつの間にか取締役になっている
・20年間,3時起きで原稿書いているらしい.
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タイトルに「すいません」とついている理由はあとがきに書かれているんだけど、それがなんともいえない愛嬌にあふれていてすてきだった。「謙虚さ」とまとめてしまうにはもったいない。感謝だったり葛藤だったり、「すいません」とつけることでかえってよくない印象を与えてしまう可能性に対する覚悟だったり、そういうところがやさしくて潔いと思う。
言葉を扱うプロが会社を経営するとこんなふうにもできるんだなあ。経営というものに対するイメージが変わったところもあれば変わらなかったところもあったけど、一番いいなと思えたのは「経営ってつまらなくない!」と思えたところ。大変そうなところもたくさんあるから手放しに「楽しそう!」とは言えないけど、少なくとも、気難しくて面倒くさくてあらゆる判断を一人ぼっちでこなし続けるばかりのものではないんだなと思えた。
【読んだ目的・理由】ほぼ日のお皿を買ってほぼ日に興味を持ったため
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.2
【一番好きな表現】
ぼくが感じたのは、「人は口で言えないことを書けるようになったときに、じぶんがわからないことを言えるようになってしまった」ということです。それを、どこまでじぶんがわかることだけを言うように戻せるか。それが、ぼくらがやろうとしたことだし、なんとかやり遂げたことでもありました。(本文から引用)
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いい悪いではなく好き嫌いがベースにあって、「やさしく・つよく・おもしろく」を大事にしていて、上下関係はあまりなくて人の身体のような組織図をしていて…などなど、「ほぼ日」らしさが全面に出ているなぁと感じた。これって、最近でいうとティール組織に近くて、現代の組織の本質に近づいていると思ったけど、これを読む限り糸井さんはそれを目指していたわけではなくて、自然にそうなった、という感じだった。
なんで「すいません」なんだろうと思っていたら、あとがきを読んでクスッと笑ってしまった。何というか、糸井さんらしいなぁと感じた。経営論を振りかざさなくても、どうすれば人に喜んでもらえるか、社員がみんな楽しく働けるようにするにはどうしたらいいか、そういったことを考えている中で本質にたどり着かれたのかな、と思った。
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ほぼ日では、2018年春から労働時間を7時間にした。毎週金曜日をインディペンデントデーとして、ひとりで考える時間にあてる一方、給料を上げた。金曜日には、打ち合わせの日程を入れないし、どこにいるかは把握しない。
企業の風土を決めるのは、「なにがかっこいいか」です。うちは、「人がうらやましがるようないい考えを出して、実行する」こと。
会社の社会的使命、会社の社会的役割
「じぶんのリーダーはじぶんです」とずっと言ってきた。誰かのせいにするのではなく、じぶんが覚悟を決めて選択する。
社員が自律的に動くことを目指している。
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商売の基本のキみたいなことが書かれた本だと思いますが、なかなかガチでやれてるところはないのではないかと。
『企業の風土を決めるのは、「なにがかっこいいか」ということです。』
本当にその通り。『企業』だけじゃなくて、『集団』でも成り立ちますね、これ。
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「ほぼ日」が上場した時は、私も驚きました。
私は、ほぼ日手帳、ほぼ日カレンダーを愛用し、ほぼ日ストアのこだわりをよく知っているつもりです。
これらのこだわり抜いた商品を提供する経営は、株主の顔色を見てしまうと成り立たないのではないかと思ったからです。
けれど、違ったようです。
ほぼ日の株を持ちたいと思う投資家は、ほぼ日だから株主になりたいんだ!
本来の株主って、こういうものだよなあ、とつくづく思いました。基本に立ち返って、株主投資のあり方を伝えていきたいと改めて感じさせられました。
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2019.2月。
ほぼ日の経営についての話。いつもながら糸井さんはちゃんと私たちのところに届く言葉で話してくれる。この姿勢、さすがだなと思う。こういう会社がちゃんと上場して支持されてやっているって事実。できるんだよ。やれば。ちゃんとやれば。経営だけじゃない。考え方。姿勢。自分の中でも考えてみたい。やさしさとつよさとおもしろさ。
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自分がいかに凝り固まった考えに縛られているのかを実感した。仕事への向き合い方をもっと柔軟に考えてみようと思った。
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自分もほぼ日手帳を5.6年使っている。
糸井重里さんというと、感化軽い感じがあったが、ほぼ日のコンテンツなどで話す内容を知り、すごく好感が持てて、ファンになった。
ただここでの内容は自分の中では少し読みづらく、読み終わるまでにずいぶん時間がかかった。